15時17分、パリ行き | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

勇気ある3人の行動。それは運命だった。


「15時17分、パリ行き」


『キリスト系の学校に通っていたスペンサーとアレク。しかし規律を守る事が出来ず、問題児扱いされていた。二人の母親は担当する教師に相談するが、精神疾患と一方的に判断されてしまった。
そんな学校で二人は今日も問題を起こし、校長室に呼び出された。そこにはもう一人の問題児・アンソニーも呼び出されていた。』



2018年公開。

監督:クリント・イーストウッド。

出演:スペンサー・ストーン、アレク・スカラトス、アンソニー・サトラー。


2015年にパリ行き高速列車内で起きた列車テロ事件。それを食い止めた3人のアメリカ人青年の勇気ある行動が描かれます。




主役の3人を演じているのは本人です。
その時点でもう面白いですよね。そして、列車の乗客も本人達です。
辛く、ショッキングで、命の危険もあった恐ろしい事件なのに、よく本人が出演を承諾しましたよね。事件を再現するわけですからね。人によっては思い出したくもないという人がいると思います。
そう感じていたかはわかりませんが、素人にしてはよく演じていたと思います。



話は事件だけが描かれるのではなく、3人の幼少期の出会いから描かれます。

3人共学校では問題児だったようです。
時間になっても教室に入らず、先生に反抗し、よく校長室に呼び出されていたのがこの3人です。

この学校がまずひどい学校ですね。
少し時間に遅れただけですぐに校長室行き。
授業態度がおかしいとすぐに精神疾患と判断。
何か問題が起きたらすぐに3人のせい。
それぞれの生活にも干渉しようとします。

3人の態度にも問題はあると思いますが、まだ小学生です。態度が悪かったら、「なんでそうなったのか」というのを考える必要があると思います。
子供が大勢いるので一人一人見るのは大変だと思いますが、それが仕事なので、しっかりやるべきだったと思います。それが出来ていないのと、生活にまで干渉しようするのは驚きましたね。キリスト教はそこまでしても許されるんですね。おかしいですよね。だから宗教って嫌い。


そんな3人は大人になっても仲が良く、部屋によく集まります。
スペンサーとアレクは軍人となり、アンソニーは大学生です。中でもスペンサーはうまくいっていなく、悩みが絶えません。
スペンサーは極端なんですよね。興味がある事、やりたい事には力が入りますが、そうでないものにはやる気が出ません。レスキュー隊に入りたかったのに入れないとわかると、他の隊の訓練が雑になります。遅刻もします。
これは考えないといけませんね。


そんな状態で3人は、ヨーロッパ旅行を計画します。息抜きというのもあったんですかね。
だけどその旅行が、3人の人生を大きく変える事になります。



そんなヨーロッパ旅行ですが、結構長めに描かれます。
ドイツに行き、イタリアに行き、アムステルダムに行き、見て、飲んで、食べて、観光を全力で楽しんでいます。

本当にただただ楽しんでいる姿が描かれます。
事件に関係あるのかとも思いますが、観光名所などは正直関係はないです。そこより重要なのは3人の選択です。
最終的にパリに行こうとして、列車に乗ったら事件に巻き込まれるんですが、そのパリに行くというのを最後まで悩んでいました。アムステルダムに行くかパリに行くかで悩みますが、行った人からのオススメもあり、その時はアムステルダムに決めます。

ここでパリに行くと決断していたら、今回の事件は最悪の結果になっていました。
その他にも、列車で席を移動していなかったら事件現場に居合わせることはありませんでしたし、軍人でなければ、犯人に立ち向かい、取り押さえることは出来ませんでした。

この偶然とも思えないような偶然もあったため、事件に居合わせたのは運命だったのだと感じましたね。
そして、努力は必ずしも報われるとは限りませんが、無意味ではない事がわかりました。



最後に勲章をもらってるのは本当に嬉しかったですね。幼少期を知ったからこそ感動出来たとこもあります。あのどうしようもなかった問題児3人が、普通じゃ出来ないことをやって感謝されたわけですからね。


こんな事ってあるんですね。
すごい偶然と幸運。フィクションのようなノンフィクションです。
やはりイーストウッドはいいですね。
今回も面白かったです。



あの教師は3人の事なんにもわかってませんでしたね。