ホーム・アローン | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

子供一人で、家を守る。


「ホーム・アローン」


『シカゴに住むマカリスター一家は、伯父のピーターがパリへ転勤するのを機に、クリスマスに家族旅行をする事になった。
出発前日、全員準備でバタバタしているなか、8歳の少年ケビンは、何をしていいのかわからず慌てていた。家族全員に邪魔者扱いされ、相手にもされず、我慢の限界を迎えたケビンは、兄のバズとケンカをしてしまった。
それを見た全員が、バズではなくケビンを非難。母親のケイトは、反省のためケビンを屋根裏に閉じ込めてしまった。』



1990年公開。

出演:マコーレー・カルキン、ジョー・ペシ、ダニエル・スターン、ジョン・ハード、キャスリン・オハラ、ロバーツ・ブロッサム。


ケビンが、泥棒から家を守るために奮闘する姿が描かれます。



あんまりコメディ作品って見ないんですけど、テレビでやっていたので、なんとなく見てました。
たぶん以前に見たのは2の方なので、1はたぶん初めてです。



初めて見てまず驚愕だったのは、家族の愛の無さです。
ケビンに対してとにかく冷たいです。
何かあるとすぐにケビンのせいにして、ケビンだけが叱られます。実際に怒られるような事をしていたのかもしれませんが、全て悪いわけではないというのは最初の数分でわかります。

それなのになぜ大人は、ケビンだけが悪いようにしたのか。
まず考えられるのは、子供達が非常に汚く上手いやり方で大人を操作しているというもの。
学校である質の悪いイジメと同じです。
普段はいい子にしているが、裏ではイジメ放題。
そういうのが考えられます。
あとは、親が全くケビンの事を信じていません。言うことを聞かない悪い子と決めつけています。
これは、「厄介者」という言葉が大人から出た時点で確定ですけどね。

どちらにしても言えるのは、自分の子供を全く見ていないという事です。
きちんと見ていれば、こんな事にはなっていなかったと思います。


最終的に屋根裏に閉じ込められますが、その際も母親に対して「みんな消えちゃえ」という感じの言葉を投げつけていました。
この言葉を子供に言わせるのは間違っています。
イタズラでこの言葉は普通出ません。普段楽しく生活出来ていたら考え付きもしません。
その言葉が出るという事は、そういう気持ちになっている、苦しんでいるという証拠です。子供からのSOSです。
それに母親だけでなく、まわりの大人は全く気付きませんし、歩み寄ろうともしません。

非常にケビンが可哀想に思えたと同時に、まわりの大人、ケビンの兄弟たちに激しく腹が立ちました。


そのあとは全員寝坊して、急いで準備して空港へ向かうんですが、あり得ないことにケビンを忘れました。しかもそれに気付いたのが飛行機内です。
それまで気付かないってどうなんでしょうか。
確認はしてましたが、顔を見たわけではありません。親なら、自分の子供を自ら確認するのが普通だと思います。
忘れてきて初めて「母親失格」という言葉を口にしていましたが、だいぶ前から失格であったように思えます。子供を見ていない親ですからね。
あの親ならこのミスはあり得ます。

序盤から見てて辛かったですし、非常に腹立たしかったです。



しかし、ケビンが家に一人になった後はなかなか面白かったです。

好きに遊び、好きに食べ、好きに出掛けても誰にも文句は言われません。
ケビンにとっては夢の一時です。
そのケビンは、家族を自分が消してしまったと思い込んでいます。割とポジティブです。
しかし、日を重ねるにつれて、家族がいない事への悲しみと(消してないけど)消してしまった事に対する罪の意識に苛まれます。

いい子ですよね。悪いのはあのバカ親とバカ兄弟なのに。


教会に行くと、近所に住んでいる老人マーリーが話しかけてきました。殺人鬼という噂があったためケビンは恐がっていましたが、それは真っ赤な嘘で、本当は心優しい人でした。
ケビンはマーリーに家族の事について話し、マーリーもまた、ケビンに自身の家族についての悩みを打ち明けます。
そして二人は、いつしか親しくなっていきました。

このシーンはかなり良かったですね。
マーリーはケビンを唯一対等に見てくれる存在です。友達のような感じですね。接し方が違いますから。
こういう関係性って素晴らしいと思います。
ケビンの言葉にきちんと耳を傾けていますし、マーリーの言葉もケビンは理解しています。家族の中で一番の大人はケビンだと思いましたね。
大人とはこういうのですよね。あのバカ親は見習ってほしいです。



そして最大の見所である泥棒撃退シーンは、やはり楽しかったですね。
ケビンもよく考えましたよね、あんな仕掛け。
それにキレイに引っ掛かる泥棒。泥棒もバカってのもありますが、まるでコントです。

ここは見ていて楽しかったですし、次はどんな仕掛けが待っているのかワクワクしましたね。




全体通して、泥棒撃退のとこよりも、序盤のバカ家族(ケビンを除く)に注目してしまいましたね。この家族はあまりにも酷い。

序盤を乗り切れば全然楽しく見れるんですがね。

残念です。