エア・アメリカ | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

社員は全員、会社の不正を黙認していた。


「エア・アメリカ」


『1971年。ベトナム戦争最中のラオス。
新米パイロットであるビリーは、CIAが秘密裏に物資を運ぶための航空会社「エア・アメリカ」にスカウトされ、そこで飛ぶこととなった。
ベテランのジーンと共に物資を運びながら、会社の普通じゃないやり方に慣れていった。

しかしビリーはある日、会社行っていた麻薬の密輸を知った。』




1991年公開。

出演:メル・ギブソン、ロバート・ダウニー・Jr.、ナンシー・トラヴィス、ケン・ジェンキンス、レイン・スミス。


存在しないとされる航空会社「エア・アメリカ」の、実際に行われていた麻薬密輸の事実が描かれます。




話の内容よりも気になったのは出演者です。
メル・ギブソンとロバート・ダウニー・Jr.ですよ。マッド・マックスとアイアンマンですよ。
今となってはそれだけでかなり魅力的ですし、それだけで今回見ました。

まずロバート・ダウニー・Jr.が若い。
私個人としては、ロバート・ダウニー・Jr.を初めて見たのは「アイアンマン」だったので、見た目の違いに驚きました。髭がないだけでここまで変わるんですね。

吹き替えに関しても、ロバート・ダウニー・Jr.は千葉繁さんです。今はだいたい藤原啓治さんなんで、あまりの違いに違和感が出るのではないかと心配になりましたが、そんなことは全然なく、非常に合っていました。若さとおしゃべりな感じがマッチしたのでしょうね。



エア・アメリカという組織は、本当に存在していたみたいで、麻薬を密輸していたというのも事実みたいです。
麻薬だけでなく、食料や豚や牛などの家畜、武器なども秘密裏に輸送していました。
公式には存在しないとされる組織であるため、村人からの攻撃を受けることも結構あり、輸送機が撃ち落とされることもしばしばあります。

パイロットのほとんどは、諸事情あって自国で働けなくなった者や飛行機を飛ばせなくなった者です。非公式なんで、必要とされてない人間の方が良かったんでしょうね。ですので、ビリーを含め、全員腕はいいが問題ありな連中です。
ほぼ毎日しょうもない内容でケンカしてます。仲が悪そうに思えるんですが、仲間が亡くなったりすると、仲間のために黙祷したりします。
口は悪いですが、仲間想いであることがわかりました。



パイロットは組織がしていること、麻薬の事をわかっています。
なのになんで誰も何も言わないのか。
パイロット達は会社を辞めたとしても行く場所がないからです。
ですから、やれることは違法でもなんでもやります。やるしかないんですよね。

パイロット達はやらされているだけで、真に悪いのは組織の上層部とラオス政府の人間です。
戦時中だからそういうのもいろいろな所で行われていたと思いますが、それが本当に組織だけじゃなくて国から黙認されていた事が衝撃でしたね。
そういう時代だったんですね。



今回の話は、その麻薬密輸を辞めさせる、世間に公にする、などのスカッとする内容ではありません。
ビリーが会社の不正を知り、をいろんな方法で会社をめちゃくちゃにしようとし、それにジーンが巻き込まれていくという話です。

会社の人間が悔しがるという感じにはならないんですが、ラストはなんか気持ち良かったですね。

最後には、登場人物の後日談も少し語られましたが、あまりいい思いをした人はいません。
自業自得ですかね。



主演二人はやはり存在感抜群でしたし、主演二人で選んで正解な内容でした。
若い時の演技も良かったですね。