スパイ・ゲーム | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

CIAでの最後の仕事は、“仲間の救出”。


「スパイ・ゲーム」


『CIA工作員トム・ビショップは、ある囚人を解放するために蘇州刑務所に潜入。作戦は順調に進んでいたが、最後の最後で失敗。トムは逮捕されてしまった。

その報はCIA香港支部を経由して、トムの育ての親である伝説的工作員ネイサン・ミュアーに届いた。
ネイサンにとっては、CIA勤務最後の1日であった。』




2001年公開。

出演:ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピット、キャサリン・マッコーマック、スティーヴン・J・ディレイン、ラリー・ブリッグマン。


残り1日で引退の老兵ネイサンの、CIAでの最後の仕事が描かれます。



まずこの話、ネイサンが奮闘して、自らの手でトムを救出する話だと思ってましたが、実際違いました。

全体の2/3ほどは、ネイサンとトムの出会いから、どういう任務をしてきたのか、どういう人物に出会ったのかなど、トムがどういう人物なのかが描かれます。過去の回想のようなものですね。
そして残りの時間で、トムを救出するために動きます。



救出と言っても、ネイサン自身が現場に行くのではなく、救出隊に指示を出します。
その指示を出すまでが大変で、まずおおっぴらには動けません。お偉いさんはトムを死んだことにしたいみたいですし、考えを変えるつもりもありません。救出したいと言っても、聞いてもらえないので、自分で動くしかありません。
タイムリミットは24時間。
信頼できる人物に電話をかけたり、書類を作成したりして、作戦を組み立てていきます。

この作戦を24時間だけでよくやりましたし、ネイサン自身事務的な作業や交渉しかしていませんが、かなり面白かったですね。



ネイサンが手塩にかけて育てた工作員のトムですが、工作員としてはまだまだ未熟です。
命令は絶対なのに、自分のやり方で勝手に行動し、自分が最善と信じています。それで何度も失敗しています。

今回もちょっとした事が大失敗に繋がります。
この失敗は非常にアメリカンです。日本にはないですね。
何であげちゃったんでしょうね。

ネイサンは昔からそういうミスを注意してきましたし、工作員はどうあるべきかも教えていました。だけど結果、捕まりました。

みんなが見捨てようとするなか、ネイサンだけが違いました。
ネイサン自身、トムを同僚とか弟子ではなく、友人として見ていたと思います。
友人を助けたいという気持ちと、「助けられるのは今回が最後。次は助けられない。自分で何とかするしかない。」という思いが感じられましたね。
トムに対しての、引退前の最後の教えであったようにも思えます。



この作品、ロバート・レッドフォードの吹き替えに野沢那智さんを使っています。
それもまたいいですね。
野沢さんの声好きなんですよね。渋いですし、面白いですし、カッコいいですし。
ブルース・ウィリスの吹き替えも良いですが、今回も非常に良かったです。

ちなみにブラッド・ピットの吹き替えは、山寺宏一さんでした。
こちらもはまってました。



想像と違った描き方をしていたので、そこでまず驚きました。
そして後半からクライマックスに向けてのドキドキハラハラ感は最高でした。

思った以上に良かったです。