クリムゾン・タイド | 日刊タカナリ

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※あくまで個人的な感想なので、参考程度にご覧ください。

二人の指揮官の対立。


「クリムゾン・タイド」


『ロシア・チェチェン紛争をきっかけに反乱が勃発。反乱軍は核ミサイルを奪取し、日米に核攻撃をすると脅迫してきた。
アメリカ政府は、原子力潜水艦「アラバマ」を出撃させることを決断。
その艦長に経験豊富で叩き上げであるラムジー大佐、副艦長にハーバード大卒のエリートであるハンター少佐が選ばれた。
しかしこの艦長は、軍規を無視して潜水艦に犬を持ち込むなど、好き勝手にやっていた。』




1995年公開。

出演:デンゼル・ワシントン、ジーン・ハックマン、ジョージ・ズンザ。

核ミサイルを積んだ原子力潜水艦で、二人の指揮官がぶつかります。


なんか想像していたのと違いましたね。
あらすじから察するに、漠然とアメリカVSロシア反乱軍みたいなのを想像していました。

この話は、潜水艦内での対立がメインです。

作戦中のトラブルにより、核ミサイル発射に関する通信が途中で途切れ、発射するのかしないのかがわからない状況になります。
ラムジー大佐は、今までの経験と状況を見て「核ミサイル発射」という事を推測。
そろ判断にハンター少佐は、推測で判断するのは危険と反論。通信を回復させて、指令を全て聞いてから判断すべきだと提案します。
しかし「艦長だから」という理由で、ハンター少佐の提案は却下。
そのまま口論になり、「状況から推測して作戦を遂行する派」と「指令を全て聞いてから作戦を遂行する派」の2つの勢力に別れてしまいます。

この対立が、本作のメインになります。
ロシアの反乱軍は登場しません。
潜水艦同士の撃ち合いはありますが、メインは艦内です。



ラムジー大佐のような、規律を無視して犬を持ち込んだりはもちろんダメで、艦内での火事に被せて演習を行うのは、あまりいいとは思えません。
確かに敵はこちらの都合などお構い無しなんですが、うまく役割分担させれば良かったのではないかと思います。
そこがうまくないですよね。
長年の経験測も大事なんですが、もう少し規律を重んじて欲しかったです。

銃持って司令室に乗り込んじゃダメですよね。
頭に血が昇って、冷静な判断が出来なくなってる感じです。


一方ハンター少佐は、現場経験はあまりないものの、規律をキチッと守り、指示も的確です。
乗組員をやる気にさせるのもうまいです。
ラムジー大佐のように経験測が使えないのが残念ですが、見ていて信用出来るのはやはりこちらです。
上官に間違ってることを指摘するなんてなかなか出来ません。


今回は核ミサイルを発射するかしないかの問題でしたが、こういう選択って現実にもよくあると思います。

私自身、経験があっても勝手にやり方を決められない仕事をしているので、確認は必ず取ります。
わかっていたとしても確認します。間違っていたら問題になるので。怒られたくないですし。

ですから、私自身ハンター少佐に感情移入しながら見ていました。
というかデンゼル・ワシントンかっこいい。



全てが終わった後、二人は調査委員会で査問を受けますが、その時の結論、そして終わり方も良かったです。
ああいう上下関係っていいですね。


思った以上に楽しめました。
面白かったです。