1989年。公明党の大久保氏が衆議院予算委員会の質疑の際に朗読して話題になった北海道のお話でした。
12月31日の大晦日。みすぼらしい身なりの若い女性と幼い男の子2人が札幌の蕎麦屋「北海亭」に閉店間際にやって来て、1杯150円のかけそばを頼んだ事からお話は始まります。
翌年の大晦日も3人はやって来てやはりかけそばを頼みましたが、店の主人はそっと大盛にしてあげます。
三年目の大晦日。その日はいつもと違い、二人前を頼んだのです。店の主人は聞き耳を立てて事情を理解しました。上の男の子は新聞配達。下の男の子は家事。お母さんは夜遅くまで仕事。それでその年。めでたく借金返済が終了したため、贅沢で2杯を頼んだという事。その日以来、親子は店に現れず、十年近く経った12月31日。中年の女性と青年2人が来店して「昔、1杯のかけそばを注文したものです。息子は医者と銀行マンになり生活も豊かになりました。だから今夜は贅沢してかけそばを3杯頼みたいのですがよろしいでしょうか」というオチで終了です。
その朗読を聞いて自民のドン、金丸氏も涙したのですが、残念ながらこの話は日本の民話と童話から作り上げた創作の話で、作者の栗氏はあちこちで寸借詐欺を行う破廉恥な輩と判明した為、世の中から消し去られてしましました。
僕の興味は栗氏がどうのじゃなくてそれぞれの感想です。タモリ氏は「150円出せるならスーパーで袋麺を3個買って食えばいい」上岡竜太郎氏は「閉店間際でそばがあるなら3杯食わせろ」
でした。僕は少し違います。上岡氏とタモリ氏は恐らく良いところの息子さんなのでしょう。僕の少年時代は外でご飯を食べるのはもの凄い贅沢であり、ステータスだったのです。別に腹いっぱいにならなくても良いのです。食ったという時間が幸せだったのです。今の時代にこんな話をすると笑われるかもしれませんが、僕は何もない高度成長期のあの時代。好きでしたよ。