人は誰だって、嫌われたくないと思います。まして、親しい人や好意を寄せる人には、なおさらですね。だから、言いたいことを我慢する、「そうだよね」と言って人に合わせる。処世術として、必要なことでしょう。しかし、私にはこれができないのです。

 

もっとも、上手にうまく伝える能力がある、また、強い信頼関係がすでにできていれば、伝えることも容易かも知れませんが、なかなか、そうはいきませんね。この難しいことを、実際にできている方を、私は知っています。その方(Aさん)について、話したいと思います。

 

Aさんとは10年来の付き合いです。年齢は親子ほど違います。いわゆる町工場の社長さんです。カラオケが趣味で、たまたま、カラオケ喫茶でお会いしたのが始まりです。

独自の技術をお持ちで、日本人なら誰もが知っている大手メーカーから、とりわけ重要な精密部品(特注)の製作依頼を受けておられます。

 

とにかく、明るい、少々、発言は過激な一面こそありますが筋を通します。きついことを言いますが、相手に対する思いやりがある、はっきりした物言い。すっかり意気投合し、両親を亡くしているわたしには、Aさんは、今では父親的存在です。

 

嫌われることを恐れず、何でもはっきり言いますから、最初は、不快に思われる方も結構いたと思います。しかし、年数を重ねるごとに、信頼の輪が広がってきましたね。屁理屈を言う人たちは自然と淘汰されていきましたね。地元のカラオケ界では、10年を経過した今や中心的存在となりました。信頼関係は容易にできるものでないですね。気長にあせらないで築いていくものだと改めて思います。

 

ところが、元気で病気とは全く無縁だったAさんですが、つい先日から緊急入院となりました。最近体調を崩されていましたので、1週間ほど、治療を受けられることになりました。誰よりも早く、連絡をいただき、病院に駆けつけました。遠藤実大賞への挑戦に対しても、強く背中を推してくれた方です。

 

「三重県という狭いところで、ちまちまやっていても仕方ないだろう、全国で勝負してみろ、違った世界が見えてくるさ。新潟の決勝大会に俺を連れて行ってくれ」と激励してくれていました。

 

Aさんの入院をきっかけに、いろいろ振り返ることができました。

信頼関係は一朝一夕で築けるものではありません。

「あわてない、あわてない、一休み、一休み」

嫌われることを恐れず、ぶれないで信念をもって伝え続けること、何年かかってもいいと、気長に余裕をもって、事に当たること。かえって、近道になると思います。

 

Aさんは、正月前に退院予定。退院後は、体調をみながら、初詣。

そして、松阪牛など、一緒に食したいと思っております!

楽しみですね~