「粗悪用紙移記」について。 | 登記を、もっと、わかりやすく。

登記を、もっと、わかりやすく。

ふだんなじみのない登記簿について、できるだけ、わかりやすく説明させていただきます。わかりにくいところは、遠慮なく質問してください。よろしくお願いします。

さて、

 

明治時代の登記が

 

載っていないのは、

 

コンピューター移記だけが

 

原因ではありません。

 

 

古い登記用紙のままで

 

登記を続けていると、

 

用紙がボロボロになってしまいます。

 

登記事項が増えていくと、

 

登記用紙の枚数もどんどん

 

増えていきます。

 

 

そのため、

 

法務大臣の命により

 

粗悪用紙移記、という作業を

 

行っています。

 

 

戸籍の「改製原戸籍」みたいに、

 

古い用紙から新しい用紙に

 

内容を移し替えています。

 

この作業では、

 

コンピュータ化移記とは違い、

 

効力のある登記のみを

 

移記しています。

 

 

これが

 

「粗悪用紙移記」「粗悪移記」

 

といわれるものです。

 

登記簿には、

 

「法務大臣の命により移記」と

 

記載されています。

 

 

ただ、すべての土地に

 

このような移記作業が

 

行われているわけではありません。

 

 

なので、

 

明治時代の用紙がそのまま

 

コンピューター化前まで

 

使われていることもあります。

 

その場合は、コンピュータ化前の

 

閉鎖登記簿謄本をとれば

 

一番古い登記簿にたどり着きますが、

 

もしも、粗悪移記がされていたら

 

さらに、粗悪移記閉鎖の登記簿まで

 

さかのぼる必要があります。

 

 

移記がされているかどうかは、

 

コンピュータ化閉鎖登記簿の

 

甲区1番の登記事項の後ろに

 

「順位〇番の登記を移記」という

 

記載があるかどうかで

 

判断します。

 

 

「順位〇番の登記を移記」という

 

記載があったら、それより古い

 

登記用紙がありますので、

 

「粗悪閉鎖」や「粗悪移記閉鎖」

 

と書かれた閉鎖登記簿を

 

探しに行きます。

 

粗悪移記の日付の順番に

 

閉鎖登記簿が綴られているはずです。