仙台紀行(その1) | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

9月の中旬に仙台に行ってきたのである。

 

仕事で行ったといちおう書いておく。12日の土曜日に、ちょっとした講演が仙台であったのである。

 

現地には前日の11日に入った。

 

が、しかし、である。

 

この週、北関東から東北地方は未曾有の大雨に見舞われ、前日は鬼怒川の堤防が決壊するなど、大災害が起こっていたのである。

 

私も前夜からテレビであの大洪水の中継などを観ていた。みなさんもご覧になったことと思うが、電柱にしがみつきながら救助を待っているおじさんの姿や、屋根の上で救助を末人々の姿が映し出されていた。

 

その中で、私のハートをわしづかみにしたのが、あるおじいちゃんとおばあちゃんの姿であった。屋根の上で一人一匹ずつペットのイヌを抱きながら、救助を待っておられたのである。

 

いまやペットは家族の一員である。だからこそ、どうしても、一緒に救われたかったのであろう。そして、こんなとき、人間というものは、すべてのことを自分と重ね合わせてみるのである。

 

わが家があのような大洪水に見舞われたなら、どうすればよいのであろうか‥‥? なにぶん、わが家はネコ17匹と一緒に暮らしているのである。

 

しかしながら、この17匹というのは変動制である。以前にもお話ししたように、亡くなるネコもいれば、知らぬまにうちの家に住みはじめているネコもいるので、この17匹という数字は“おおよそ”とご理解いただきたいのである。

 

で、さっそく、家に電話してみた。うちの奥さまもワイドショーでこの中継を観ていたようで、同じことを考えていたようである。

 

「どうする? ダンボールにでも詰め込むか‥‥?」

 

「ダメでしょ。ぜったい飛び出ると思う」

 

「では、登山用のリュックに詰め込めるだけ詰め込んで背負うというのは‥‥?」

 

などと建設的な意見交換をしたのだが、ここは洪水が来ないように願うということで話は一致したのである。

 

ちなみに、わが家はものすごいど田舎の山奥にあり、川の上流過ぎるぐらい上流の立地である。1キロほど先に分水嶺があるぐらいなのである。だからして、まず、洪水に巻き込まれることはないとは思うのだが‥‥。

 

しかしながら、そんなことも言っておられず、杜の都・仙台に行かねばならないのである。

 

きょうの仙台は、水の都となっていることであろう。

 

ゴムボートは持っていくべきであろうか? 少なくとも浮き輪は必要であろう。しかし、肺活量に自信がなくなってきた昨今、上手にふくらませることはできるのであろうか‥‥などと心配している間に、新幹線はなにごともなく仙台駅に着いたのである。

 

私のイメージでは、仙台駅はもはやベニスのようになっているはずであった。

 

水の都・ベニスへは、列車でベネチュアサンタルチア駅に入る。普通、どの町でも駅前はロータリーになっており、バスやタクシーがたむろしているものだが、ベニスではロータリーの代わりに川があり、バス代わりのヴァポレットと呼ばれる船や、タクシー代わりのモーターボートがいるのである。

 

が、しかし、心を決めて仙台駅に降り立ってみると、そこには衝撃の光景が広がっていたのである。

 

そう、まったくなにごともなかったかのような普通の駅前だったのである。

 

「おや‥‥?」

 

予約していた駅前のトヨタレンタカーに行ってみると、そこでは車が水にプカプカと浮かぶこともなく、いつも通りのレンタカー屋さんの風景があった。店の人に聞いたところ、大雨の被害はエリアによってだいぶ違い、ここ仙台駅あたりは大丈夫だったとのことである。

 

しかし、私はきょう、広瀬川上流の作並温泉に宿泊することとなっており、お宿の岩松旅館は渓流露天風呂で有名なのである。

 

この大雨で、渓流露天風呂はどうなっているのだろうか?

 

「さすがに‥‥、無理だろうなぁ‥‥」

 

(来週に続く)


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