中将姫像の贈呈式が行われました。
当院では、帝塚山大学文学部日本文化学科の皆さんと、帝塚山大学60周年記念事業の一環として、文化財保存・活用をめぐる分野横断型の教育研究活動、「當麻寺プロジェクト」を実施しています。その一環として、帝塚山大学・大阪電気通信大学との連携により「當麻寺聖衆来迎練供養会式」で用いる中将姫像の「お身代わり像」を制作し頂きました。
11/4(月・祝)、当院にて「お身代わり像」の贈呈式を執り行い、プロジェクトに参加した両大学の学生たちから「お身代わり像」が手渡していただきました。
式には、練供養を支えていただいている菩薩講の方々にも臨席頂き、「お身代わり像」の出来栄えに喜んでいただいた次第です。
この「お身代わり像」は、11月6日(水)~12月8日(日)の期間、葛城市歴史博物館で開催中の第25回特別展「當麻寺練供養-会式を彩るものー」で本物の中将姫像に代わって展示されます。ぜひ、足をお運びいただけましたら幸いです。
中将姫坐像「お身代わり像」の贈呈式«(護念院)
https://taimadera-gonenin.or.jp/cate-hime/post-2433/
【日本文化学科】中将姫像の「お身代わり像」を當麻寺護念院に贈呈しました(帝塚山大学)
https://www.tezukayama-u.ac.jp/faculty/japanese_culture/news/2024/37079/
大学生が作った『身代わり像』が寺に贈呈(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/osaka/20241104/2000088947.html
帝塚山大学の学生などが制作 中将姫像の身代わり像 お披露目(奈良テレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=INT7OK6mj1M
忠実な「お身代わり像」 学生が3Dプリンターで制作、当麻寺に贈呈(毎日新聞)
【帝塚山大学日本文化学科】日本文化への多角的アプローチ「當麻寺プロジェクト」活動報告!
昨年度より、帝塚山大学学生の皆さんと共に、「當麻寺プロジェクト」として、現地調査、写真撮影、リーフレット・ポスター類の作成、當麻寺練供養当日のボランティア等、多岐にわたった活動に取り組んで参りました。
帝塚山大学文学部日本文化学科におかれては、歴史学、考古学、美術史、民俗学、古典文学、近現代文学、演劇、日本語学、社会学など、それぞれの分野について知る入門的な意味と、分野を横断して多角的な視点で学ぶ楽しさを経験することを目的として、リレー講義「日本文化への多角的アプローチ」をされています。
今年度の共通テーマは、大変有り難いことに、「當麻寺をめぐる奈良学」として、 第2回から第13回まで12名の先生方が1回ずつ講義をしていただきました。
第14回は、昨秋より文学部を挙げて実施している「當麻寺プロジェクト」のこれまでの活動経過と今後の活動計画について4年生3名がメンバーを代表して報告してくださいました。
今後も学生の皆様の知恵と力をいただきながら、練供養会式をより良い法要にして参りたいと思います。
『今につながる中将姫行状記』令和4年7月15日刊行
「中将姫ってどんな人だったの?」「當麻曼陀羅は何を表しているの?」がわかる本です。
當麻寺の御本尊、當麻曼陀羅を感得された中将姫に関するお話は、古くから絵巻や書物にも記され、近世になると特に中将姫と継母との確執の部分がとりあげられて浄瑠璃や能になりました。江戸時代に出版された「中将姫行状記」(享保版)は脚色を加えずに、中将姫のご誕生からの生涯にわたる出来事を年ごとにつぶさに綴ったものです。
本書は「中将姫行状記」(享保版)を、今の時代にそぐわないと思われる部分は除きつつ、必要な箇所に注釈を加え、可能な限り忠実に今の言葉になおしてまとめた中将姫の生涯にわたるお話です。また、本書表紙、カバーデザインは、手に取られた方に當麻寺練供養会式を想像して頂けるようにしています。本書は一冊まるごとで一作品。中将姫と當麻曼陀羅、練供養会式についての理解を深めて頂ける一冊です。
中将姫と當麻曼荼羅―祈りが紡ぐ物語―
貞享本當麻曼荼羅の修復完成を記念して、奈良国立博物館にて「中将姫と當麻曼荼羅―祈りが紡ぐ物語―」特別展が7/16(土)~8/28(月)の間、開催されています。この期間に是非ともご来館下さい。
中将姫と當麻曼荼羅―祈りが紡ぐ物語― – 當麻寺 護念院 (taimadera-gonenin.or.jp)
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(以下奈良国立博物館HPより)
奈良・當麻寺の本尊である綴織當麻曼荼羅(国宝、當麻寺蔵)は、およそ1250年前に現れた奇跡の曼荼羅として尊ばれてきました。そして、極楽浄土の様子を表す曼荼羅の成立に、極楽往生を望んだ奈良時代の貴族の娘である中将姫が関わったという伝承は、鎌倉時代から現在にいたるまで、広く知られています。
當麻曼荼羅と中将姫への長い信仰の歴史のなかで、およそ4メートル四方の巨大な織物である綴織當麻曼荼羅の絵画による写しが多数描かれてきました。中世以降、縮小版が多数作られた一方、同じ大きさの写しも製作されています。そのような中で、最も詳細に綴織當麻曼荼羅の図様を伝え、鮮やかな色彩で描かれた名品が、江戸時代の延宝7年(1679)に描かれ、貞享3年(1686)に霊元天皇の宸筆を得て完成した、貞享本當麻曼荼羅(重要文化財、當麻寺蔵)です。
本展では、修理を終えた貞享本の美しい姿をご覧いただき、修理過程で確認された資料を紹介しながら、貞享本製作プロジェクトの全貌をお示しします。そして貞享本の製作を當麻曼荼羅信仰史のひとつの画期と捉え、周辺の當麻曼荼羅信仰や、連動する中将姫信仰の動向についても、くわしくご紹介します。日本一の霊像として信仰され続けてきた當麻曼荼羅と、女人往生の主人公として長く愛されてきた中将姫が人々に尊ばれ、そして人々を救ってきた歴史に触れていただければ幸いです。
ぺたきん(ニッポンパラタナゴ)を護る
ニッポンバラタナゴは、平らな見た目が金魚に似ていることから「ぺたきん」という愛称で呼ばれています。県内でも生息が確認されていましたが約50年前を境に絶滅したと考えられていました。
しかし、平成16年に県の絶滅危惧種策定のため奈良公園で行われた生物調査でニッポンバラタナゴと判定される個体が発見され、DNA鑑定を担当し繁殖を成功させた近畿大学が里親活動を進めておられます。この度、当院もその活動に賛同し、「奈良県産ニッポンパラタナゴ里親認定」を受けました。
この度は、ニッポンバラタナゴ20匹とミナミタガイ2匹、ヨシノボリ1匹を放流しました。ニッポンバラタナゴは繁殖期の5〜7月にミナミタガイの中に産卵を始めます。ミナミタガイが成長するにはヨシノボリが必要となるため、三種が生息する環境を維持することが重要となります。
環境への取り組みとしても、今後もこのご縁を大切に繋げていきたいと思います。
當麻寺聖衆来迎練供養会式厳修
去る4月14日、當麻寺聖衆来迎練供養会式を厳修致しました。
コロナ禍に於いて、3年ぶりに来迎橋を架けて勤めさせて頂く事ができたこと、関係皆さまのご理解とご協力に感謝申し上げる次第です。
當麻寺にとっては、年に一度の大切な法要であり、また、當麻寺菩薩講員方々にとって、地域の方々にとっても大切な行事の一つであります。
縮小形式ではありましたが、来年度以降に繋がる法要となりました。当日は、直前まで心配されたお天気ではありましたが、法要の最後まで、雨が降ることなく勤めることができたことも何よりでした。
思うに任すことのできないこの世ではありますが、その中に於いても、皆さまと共に大切な事を受け継ぎ護り続けることに、今後も尽力したいと存じます。
當麻寺菩薩講「練り初め」を厳修
当院枝垂れ桜が満開の下、當麻寺菩薩講「練り初め」を厳修致しました。
今年度4月14日には、感染対策を施した上で、三年ぶりに来迎橋を架けて「當麻寺聖衆来迎練供養会式」を勤めます。本来であれば二十八菩薩が行道を行いますが、今年度は八菩薩での行道を行います。
それでも、菩薩講の皆さまにとりましては、本来の形式に基づいた来迎橋を架けての法要を執り行えることは、何にも代えがたい喜びです。
その意味に於いても、本日の練り初めはとても大切なお勤めとなりました。
無事練り初めも終え、当日菩薩役を勤める方々は、いよいよ精進潔斎の日々を過ごされます。4月14日、お天気に恵まれ、無事法要を勤められることを心より祈念致します。
合掌拝
[當麻寺聖集来迎練供養会式]厳修
四月十四日、本年の當麻寺聖集来迎練供養会式を厳修致しました。緊急事態宣言中の昨年度に引き続き、今年度もコロナウイルス感染拡大防止の為、縮小形式でのお勤めとなりました。
当院に於いては、感染症対策を施しながら、今年度も菩薩講の皆様方と協議を重ね、縮小形式に於ける練供養会式への準備を整えてまいりました。
去る三月二十八日には、練り初め法要を執り行い、菩薩講の皆様方と共にコロナウイルス感染症の早期収束を願いお勤めさせて頂く出来たことは、当院にとりましては大きな喜びでありました。
コロナ禍の今ではありますが、その現状の中で出来る方法について共に知恵を出し合い、法要を護り繋ぐ為、前に進むことが出来たのは、これもひとえに関係の皆様方と菩薩講員方々のご尽力の賜と感謝申し上げる次第です。
最後に、新型コロナウイルス感染症に罹患された方およびご家族・関係者の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。また、感染防止にご尽力されている皆様には、改めて深謝申し上げます。コロナウイルス感染症の早期収束と、来年度、再び多くの皆様方と共に、練供養会式を勤められることを、心より祈念申し上げます。
合掌