女三人寄れば美しい、再び。

 
前回はカネボウでしたが、
今回は資生堂のメーキャップブランド『ピエヌ』の1998年のCMです。
 
僕はこのCMのテーマソングが大好きなんです。
 
 
1997年に誕生したピエヌのキャッチコピーは
 
『メイク魂に火をつけろ。』
 
かつての『ナツコの夏、燃えろいい女』を彷彿とさせるような女性に向けた力強いメッセージ。
 
当初ははB'zの『FIRE BALL』や矢沢永吉さんの『Still』をテーマソングに起用して、
化粧品のCMとしては尖ったイメージのコマーシャルが放映されていました。
 
それが1998年の春にそのイメージを一新。
 
CM内容も可愛らしいイメージとなり起用されたテーマソングは
NOKKOの『春雪うさぎ』。
 
この曲の歌詞からメロディ、
全て大好きなんです。
 
春雪うさぎについては後述します。
 
 
 
春雪うさぎがかかるなか、CMは始まります。
ルージュ ピクチャレスクVer.
左から香港の女優、ケリー・チャン
同じく香港の女優、ミッシェル・リー
そして日本の女優、中谷美紀
 
ケリー・チャンもミッシェル・リーも香港を代表する美しい女優さんですが、
当時よく日本のドラマや映画に出演していました。
 
お2人に負けない美しさの中谷美紀さん。
 
僕は今から数年前、たまたま中谷美紀さんを街で見かけたことがありますが
その透き通ったような美しさに度肝を抜かれました。
 
 
画面切り替わり、3人各々メイクをしています。
 
ここでそれぞれのミラーが、
大きな窓から差し込む陽の光が反射して順番に光ります。
メイクをして美しく変身する合図のような、
このテクマクマヤコン演出が素晴らしいです。
 
 
“ライン、色、グロスで遊べ。”
 
リップライナーを塗る唇のアップのカット。
 
ここでのナレーションと画面の文字が
「遊べ」という口調になっているところが、
柔らかくなったとはいえ『メイク魂に火をつけろ』という尖ったイメージを少し残しているのを感じさせます。
 
 
そして最後にオープニングと同じカット。
 
しっかりと
『メイク魂に火をつけろ。』という文字。
 
 
柔らかなイメージにより感じられる可愛さだけではなく、
強さを求めるメッセージが垣間見える。
 
この硬軟併せ持ったCMに魅力を感じた女性は少なくなかったのではないでしょうか。
 

 
春雪うさぎについて少し。
 
このCMに使われているカットは実際に発表されている楽曲のサビとは少し異なるアレンジVer.です。
 
非常にポップな調子のメロディにこんな歌詞がつきます。
 
 
 春が来て
 
 恋をして
 
 いえいえ私は、とりわけ自然に
 
 メイク魂に、火をつけた
 
 
春が来たから?恋をしたから?
いえいえそんなこと関係なく私はいつも可愛くいるためにメイクをするのよ
という、
凛とした姿のなかに垣間見える女性の可愛らしさを表現した楽曲。
 
CM内容ともよく合っています。
 
さすがNOKKO。素晴らしい。
 
 
女性の魅力を大いに感じさせてくれる、
CM、そしてCMソングだと思います。