何からお話をすれば良いのか、

 

3年前友人からクラシックギターを題材とした小説が出版されている、ということを聞きました。

 

小説のは名前は『マチネの終わりに』。

 

マチネ、という普段使うフランス語が入っているのもすごく気になりました。

 

そしてさっそくパリのジュンク堂へ探しに行きました。

 

あった!さすがジュンク堂。

 

平野啓一郎さんの作品でそれはそれは素晴らしい本でした。

何よりもクラシックギター、パリ、というだけでこれだけ自分が共感できる話もないだろうな

という思いで読んでいました。

 

とにかくセンスの塊というか、文字を使った芸術!と言う感想でした。

本当に日本語って綺麗だなぁ。って思わされました。

 

おそらくテーブルの上にリンゴが置いてあるだけでも平野さんなら魔法のような言葉で

それを表現されるのだろうなーと思いました。言葉の魔術師。

 

そして原作を読んで確信していました、『映画化される!!!』と。

 

1年後です。本当に映画化されるという話がクラシックギタリストの間で噂され初めました。

主演は福山雅治さんと石田ゆり子さん。。完璧じゃないですか!

 

これはおもしろくなる!と当時パリにいた徳永真一郎君と話していました。

 

『なんか仕事こーへんかな』 と笑いながら話していました。

 

そして1年後本格的に映画の製作の発表がされた頃です。

 

ギター監修を務められる福田進一さんから連絡を頂き、アシストとして福山さんが弾く

クラシックギターの指導、監修をしてほしい、と言われました。

 

 

!!!!!!!

 

もちろんです!

 

 

と言った流れで幸運にも徳永君が日本の撮影現場で、僕はパリの撮影現場で協力させて

頂くことになりました。

 

 

そして11月にはコンサートで日本に帰国していて映画館で鑑賞することができました。

もちろん偶然ではありません。

 

はい、ここからが感想です。

 

 

『素晴らしい!』の一言。劇中流れる福田進一さんのギターも絶妙でした。

 

ただ職業病で、、この曲どんな運指使ってるんだろう、次の曲はどんな曲でどんなテンポやニュアンスで来るのか!などというこも考えてしまいました笑

 

ですが音楽も映像もともかく美しく、映画とコンサートを両方を観て聴いた。という贅沢な気分になりました。

撮影現場で10時間程費やした場面が1分にも満たなかったり、というところにも1秒単位で芸術が作られているんだなととても尊敬しました。

そして1秒の中でもまた編集などの作業があったりと、本当に芸術をしていく上で

ものすごい見本を見せられた気持ちでした。

 

それは自分が1曲をを仕上げていく上でもとても大事なことだなと思いました。

 

 

そして、

 

映画を見終わった後しばらくして家に帰った頃です。映画の感想とは別にとても

嬉しい感情になり泣けてきました。

 

3年前買った大好きなクラシックギターとパリを語る小説、その映画に携わらせて頂けたこと、

その映画が素晴らしかったこと。

 

こんなことが人生にあるでしょうか。

 

映画の中に、というか平野さんの言葉で『未来が過去を変えている』とありますが

 

僕にとってはこの映画が本当に色々な過去を変えてくれました。

 

クラシックギタリストであること、パリで生きていくこと。簡単ではありません。

 

後悔なんてしてませんが時々、『もし日本で音楽をせずに普通に生活していたら。。』

ということも考えてしまわざるをえない辛いことも1000回ぐらいありました。

 

ですがこの映画のおかげでそんなことは一寸たりとも考えなくなりました。

全てはこの日のためだった。というくらい

パリにいてよかった、クラシックギター続けててよかった。って本当に心から思いました。

 

自分が生きている間にクラシックギターとパリが同時に映画の題材となり、

そこに少しでも携わらせもらえる。

そしてその映画を一人で自分の育った街で観れる、って

こんな幸せあるでしょうか。

 

そして何よりも今五体満足でこれからもクラシックギターを続けていけることがとても嬉しい。

嬉しい!!!

 

このマチネの終わりにを生み出してくれた平野啓一郎さん、パリでの監修を任せて下さった福田進一さん。監督を含め映画を誕生させてくれた全ての方々に感謝してもしきれないです。

 

これからクラシックギターを続けていくうえで色々あると思いますが、辛いことがあれば

この映画のことを思い出して頑張っていけそうです。

 

次回は撮影秘話をほんの少しだけ、、続く