明治座 坂本冬美特別公演 (初日及び2日目) | 八尾じゅんのブログ

八尾じゅんのブログ

歌手の森山愛子を応援するブログです。
その他のこともいろいろと書きます。

6月1日(土)は明治座初日。

しかし、この日は出席しなければならない集まりがある日。それは以前から決まっていた予定。

午前中から午後にかけてお酒も入るような集まりで、初日の明治座の公演は鑑賞することが出来なかった。

初日は愛ちゃんを励ますために入り待ちだけして、早々と明治座を後にした。



6月2日(日)は後半の部を3階席から。初日は見ることが出来なかったので、待たされた感じの分だけ始まる前から何だかワクワクした感じで鑑賞した。

★緞帳(どんちょう)
明治座の舞台の緞帳(どんちょう)が新しいものになっていた。

図柄は明治維新のころの江戸日本橋の俯瞰図。雲間から見える江戸の町の人々が活き活きと動き回っている様子が、その動きそのままに見える。
プロジェクションマッピングというらしいが、最新のデジタル技術が駆使されているということです。

 

緞帳の作品名は「四季喜昇座 - 時を紡ぐ緞帳」。
実際の日本橋の天候に連動し、また、時間や季節とともに、緞帳の中の日本橋の風景や人々も日々変わっていく。ということです。


以前の緞帳は日本画の片岡球子が描いた富士山の絵でした。これはこれで素晴らしく、この絵(緞帳)のファンの方も多くいらしたと思う。残念に思っている方も多くいるかもしれない。

★双眼鏡
明治座の三階に来るときは持参することが多いのですが、大きな双眼鏡。

30年ぐらい前に天体観測用に買った双眼鏡です。8万円ぐらいで買ったと思います。船舶や天体観測のための双眼鏡ですから、かなり高性能なものです。長野などの星の良く見えるところに行くとアンドロメダ星雲などもきれいに見えるのですが、
最近は明治座の3階席に来た時にしか使わない(笑)。

重いので、星を見るときは三脚に立てて使うようにしていますが、明治座の三階席では三脚は無理なので、手に持ってお芝居を、そして歌謡ショーを。それで、とにかく腕が疲れて(笑)使ったのは前半だけでした。
 

★お芝居
愛ちゃんのセリフ「雛丸!」と泉ピン子さんの「日の丸!」の掛け合いが、やはり印象的だった。

 

★違和感?
歌謡ショーでの花道からの登場。冬美さんやピン子さんからの新曲へのフォローなど、確実に愛ちゃんの公演の中での扱われ方が高くなったと感じます。

 

しかし、それだけではなく、愛ちゃんの歌謡ショーでの2曲の歌唱には、今までの坂本冬美公演に出演した舞台とは違ったものがあったように感じました。良い意味でも悪い意味でも。

 

★後輩から同じ演歌歌手の立ち位置へ
愛ちゃんが出演してきた坂本冬美公演での、いままでの立ち位置は、冬美さんの事務所の若くて元気な後輩としての存在だった。

 

そういう立ち位置ならば、出だしの1曲は若さや元気の良さをアピールできる1曲、デビュー曲の「おんな節」が最適だ。
 

だから、今まで冬美さんの公演に出演してきた愛ちゃんは、まず最初におんな節を歌っていた。2014年の新歌舞伎座から昨年の新歌舞伎まで、2曲のうちの最初の1曲は必ず「おんな節」だった。

だが、今回は最初の曲が花道の下からせり上がっての「会津追分」だった。これは若くて元気な後輩という出方ではない。明治座に詰めかけた多くの冬美ファンの方々も「おやっ?」と思ったはず。

 

このことは、冬美さんの元気でかわいい後輩という立場を越えて、演歌歌手としての冬美さんと同等の立ち位置につくことになるのではないか?

 

そうなると、いやがうえにも歌だけではなく、そのトークや衣装なども含めた総合的な芸術性が問われることになるはず。つまり、歌や話芸などで冬美さんやピン子さんともろに比較対照されてしまう演出なのだ。

「会津追分」と「尾曳の渡し」の間のトークは、はたせるかな前回、前々回とほぼ同じ。

 

舞台上で繰り広げられるパフォーマンスとしては、選曲、衣装、MCなどトータルに考えると、まとまりがなくコンセプトが定まらず、ちぐはぐな感じがしてしまっていたように思う。

 

冬美さんのファンからは、「ものたりない」とか「損をしている」とか、「愛ちゃん独自の世界を提供して」などという言葉も聞こえて来た。

しかし、冬美さんのファンが愛ちゃんに対してこんなコメントを出すのも初めてなのではないか?

最初の曲を「おんな節」にしておけば、いままで通りでスッキリするのだろうが、花道からの「おんな節」はないだろうとも、思う。また、トークにしても冬美さんのファンの多くを満足させるには、あの短い出演時間では無理だとも思う。

冬美さんファンを初めとして、上質な舞台パフォーマンスを求めて鑑賞しに来たお客さんは満足させることができないかもしれないが、逆に考えれば愛ちゃんが実力をつけて来たから枠(コンセプト)にはまらなくなってきた、と考えた方が良いかもしれない。

「尾曳の渡し」はしっかり歌えていたので、とても安心もした。

 

★参考

歌謡ショーの内容です。
 

坂本冬美

「また君に恋してる」
「真赤な太陽」
「喝采」
「君こそわが命」
「雨の別れ道」~ソロ・バージョン~

森山愛子

「会津追分」
「尾曳の渡し」

泉ピン子

「哀恋蝶」

坂本冬美

「岸壁の母」~歌謡浪曲入り~

ー和太鼓演奏ー
「あばれ太鼓」
「熊野路へ」
「夜桜お七」
「火の国の女」