東洋医学では陰陽五行論を活用することで、年間を通しての気候の特徴性をみる方法があります。
その方法のことを「中運」と呼ぶのですが、この「中運」には陰と陽の作用によって「不及・太過」と言われる働きが生じます。
不及というは「不足・減少」、太過は「過剰・増加」を表します。
例えば、「水運」の年があったとすると、「水」は気候として「寒」の作用があるのですが、「水運の不及」とだと「水」の働きが弱くなるので、「水」を抑制している「土」の気が強くなり、「土」の気である「湿」が盛んになります。
↑「水」を抑制している「土」というのは陰陽五行論の相剋関係によります。
逆に「水運の太過」というのは「水」の気が強くなるなので「水」の気である「寒」が盛んになります。
このように不及・太過でその年の特徴が変動するのですが、これが起きない年があります。
毎年、干支によって陰陽は決まるのですが、他の要素との組み合わせによって、この陰陽が打ち消され不及・太過にならないことがあります。
この不及でもない太過でもない年のことを「正化」の年といいます。