鳥はどうして飛べるんだろうと考えて、骨の中が空洞だと学校で習っても納得できなくて。空から見たらどうな風に見えるんだろう。どんな気持ちになるんだろうって。

 誰しもが憧れる空、雲、風、鳥。そしてある時、飛行機雲を知る。飛行機が飛んだ後にできる雲。見つけた時にはもう時間が経っていて、ぼわあんと幅広に、ちぎれそうになっている飛行機雲。またある時は、今まさに飛行機が上空を飛び、少しずつ航跡を伸ばしている飛行機雲。空や雲や鳥に対する憧れは、やがて、まだ見たことのない場所への憧れへと変わっていった。

 小学校の高学年から『兼高かおる世界の旅』と久米明さんがナレーションを務めた『すばらしい世界旅行』を見ていた。かたや都市を巡り、こなた未開の地を周る印象がある。

 いずれにせよ、世界は広く知らないことばかりで、1💲360円の固定相場制では航空チケットなど高嶺の花で、海外旅行は極々限られた人が楽しむものだった。


 時は経ち、誰でもが海外へ飛び立てる様になっていく。僕は今まで、アメリカ本土、グアム、中国と訪れたが、自分が本当に訪れたいと思っていたところではなかったかも知れないと感じている。じゃあ、改めて今、一体どこに行きたいと思っているのだろう。


 あなたは、どこに行きたいですか?