11月7日は冬至。何と北東北や北海道では冬型の気圧配置となり、青森市酸ヶ湯では28cmの積雪を記録した。

 中国から伝わる陰陽五行説では、「木」「火」「土」「金」「水」の5つの行で世界ができているとされ、干支の亥(いのしし)は「水」に当たるとされる。で、立冬の11月7日が亥の月の最初の亥の日にあたるため、水に守られて火事を出さない日として『こたつ開き』に適していると言われたのだそう。


 青森では、冬の間はストーブを炊くので部屋は暖かく、こたつは出さない家が多いと思う。北海道の人の話で、部屋の中では半袖でアイスを食べて過ごしていると聞くこともある。似た感覚はある。

 しかし、子供時代は違った。家族でこたつに入り、テレビを見てみかんを食べる。真冬にはリンゴは終わっていて、みかんを果物ざるに10個くらい置いていて、いつでも誰でも食べられるようにしていた。一度に2個食べるのは当たり前、4個目だと叱られる。

 外から帰るとやかんで沸かしたお湯(ぬるま湯)で足を洗ってから家に上がった。そうしないと、こたつの中から、怪しい何かが溢れてくるのである。津軽弁で『あしが』と言った。洗っても多少臭うこともあり、もう一回洗ってきなさいとよく言われたものだ。

 こたつにお腹まで入って寝そべるのも気持ちがいい。そのまま眠ってしまうなんてしょっちゅう。でも、出ている腕や肩が冷えて、風邪気味になることもあった。

 全てが懐かしく、くっきりと思い出される。


 今の我が家ではこたつは必要ない電化製品になっているが、こたつの思い出は絶対に必要なのである。