「キノコは菌類のうち胞子整形のために作り出す複雑な構造を持つもの、あるいは担子器果そのものを指す俗称である。」
「田吾作ファームでは毎年メルカリというフリマサイトで天然物のキノコを購入しており、四季のある日本で秋の味覚の象徴として楽しんでいる。」
「キノコは11種類を取り寄せた。」
「種類名は初茸、栗茸、ナラタケ、ムキタケ、舞茸、コガネタケ、ナメコ、ハナイグチ、香茸、本しめじ、馬鹿松茸である。」
田吾作「キノコはほぼ全てが担子菌 (たんしきん) と子嚢菌 (しのうきん) というグループに分類され、細胞の生成方法によって形状に違いが表れる。」
「担子菌とは担子器と呼ばれる構造の外側に胞子を作る菌類で、菌界内では約30%を占めており、松茸などの食用キノコが該当する。」
「子嚢菌とは子嚢と呼ばれる袋状の器官の内部に胞子を作る菌類で、菌界内では約70%を占めており、トリュフなどの食用キノコが該当する。」
「GBIF (Global Biodiversity Information Facility: 地球規模生物多様性情報機構) には、世界で約151764種類のキノコが登録されている。」
「日本には約2500種類のキノコと約2~3倍ほどの未知種があると言われ、そのうち食用キノコは約300種類、毒キノコは約200種類ほど存在している。」
初茸
「和名はおそらく初秋に多く発生することが由来だと考えられているが、命名者は不明で、いつの時代から提唱されたのかも明らかになっていない。」
「日本では北海道から沖縄まで分布しており、二針葉マツ類の樹下に発生する。」
「口当たりはボソボソしているが、香りが良く旨味のある出汁が出て、肉質はもろくて傷つきやすく青緑色に変色する性質がある。」
「古くから文献に記載がある食用キノコで、関西地方では人気がなかったが、関東地方では親しまれ、特に千葉県では珍重されていた。」
「和名は特に栗の木に多く発生し、傘の色が栗の実に似ていることから名付けられた。」
「北半球の温帯に広く分布しており、広葉樹の倒木や切り株などに群生する。」
「加熱すると非常に良い出汁が出て、味は温和で癖がなく、肉質が締まっていて歯切れも良く、わずかに苦味がある。」
「日本では古くから庶民的な食用キノコとして扱われているが、胃腸系の中毒を起こすことがあるため外国では毒キノコとして扱われている。」
「初茸は母親が若かった頃によく採取したらしく、青緑色に変色した部分を有害なカビだと思って洗い流そうとしたエピソードがある。」
「栗茸は日本では食用キノコなのに対して外国では毒キノコの扱いになっており、世界でも地域によって扱われ方が違うところが興味深い。」
「今回ご紹介したキノコはスーパーなどに出回ることは少ないが、古くから日本人が食べてきた大衆的な魅力を持っていると言えるだろう。」