アメンバー申請の受付、本日より期間限定で開始します。
締切は、15日までとなります。
『アメンバー申請』と一緒に、必ず『メッセージ』を送ってください。
どちらか片方だけでは、受け付けることが出来ません。必ず、両方一緒にお願いします。

『メッセージ』には、
年齢(年代)の確認(18歳以上であること《高校生は不可です》)

teaのブログの感想または、ドラマの好きなシーン、など、『美男ですね』が好きなことをアピールしてください。
ただ、《『美男ですね』が大好きです。アメンバーにしてください。お願いします。》だけでは、受け付けません。
確認のため、プロフィール等、見させていただきますこと、ご了承くださいませ。
承認後、プロフィールに、『ペタ』をします。


なお、12月度は、こちらの一身上の都合で、アメンバーの受付は、お休みさせていただきます。

番外編
『fate』if…

*10*

M side






「大丈夫だ・・・
俺が、そばにいる・・・
何も、心配するな・・・」

優しく、何度も、背中や頭を撫でる大きな手が、耳元で囁くその優しい低い声が、私に、大きな力と勇気を与えてくれている気がした。
ひとしきり泣いたあと、私が落ち着くのを待って、テギョンさんが、

「子どもに、会わしてくれないか?」

と聞いてきた。

「今すぐじゃなくて、いい。きっと、あっちも、俺も、心の準備が必要だから。
・・・日曜日、子どもが、行きたい場所に、行こう。何処がいい?」

「水族館・・・」

日曜日に会う約束をして、私は、家に帰っていった。

テファに、どうやって話そう・・・

あのコは、受け入れてくれるかしら・・・

夜、ふたりで、一緒の布団に入りながら、今日の出来事を話すのが、日課だった。

「ねぇ、テファ。日曜日にね、会ってほしいヒトがいるの・・・」

「どんなヒト?」

「テファの本当のお父さん。
テファに、会いたいって・・・
お父さんに会ってくれる?」

「わたしに、パパがいたの?」

「・・・そうよ。ごめんね、テファ。ずっと、秘密にしてて・・・。ママがずっと、お父さんに、テファのことを秘密にしてたから・・・。お父さんは、悪くないの。だから、お願い・・・お父さんを、嫌いにならないでね・・・。ごめんね、テファ・・・」

私は、流れ落ちる涙をテファに見せないように、テファを抱き締めた。

「ママ・・・?ママは、パパのこと、スキ?」

「もちろん・・・大好きよ。」

「うん、わかった。じゃあ、わたしも、パパに、会ってみたい。」

「本当に・・・?ありがとう、テファ。あなたは、本当にお利口さんね。大好きよ、テファ・・・。
きっと、お父さんも、喜んでくれる。日曜日に、一緒に、水族館に行こうね。そこで、お父さんが、待ってるから・・・。」

「うん。私も、ママが大好き。」


そして、日曜日。

テファは、一番のお気に入りの服を着て、水族館に向かうけど、どことなく、顔が緊張して、ソワソワしているのが、わかった。
水族館の入口に、テギョンさんがいた。
テギョンさんが、私たちに気付く。
私は、テギョンさんに頭を下げた。
テファは、テギョンさんの顔を見るなり、すぐに、私の後ろに隠れてしまった。

「ほら、テファ。ちゃんと、ご挨拶して。」

「こんにちは、コ・テファです。
ねぇ、ママ、この男の人が、『パパ』になる人?」

テファは、興味津々な目で、テギョンさんを見つめていて、テギョンさんは驚いて、目を丸くしながら、テファを見つめていた。
『すみません・・・勝手に教えて・・・』テギョンさんに頭を下げながら、テファに、テギョンさんを紹介した。

館内に入ると、日曜日だけあって、家族連れが多いように見えた。

一歩前を行くテファは、水槽の中にいる魚や動物たちに、目を輝かせて楽しんでいるけど・・・私たちの一歩後ろを歩いているテギョンさんを、人混みが多く、騒がしい場所に連れ出してしまったな・・・と、後悔していた。

「色々とすみません、テギョンさん・・・」

「別に、気にしていない」

「ねぇ、ママ、見えない!!」

テファが、イルカがいる水槽の前で、背伸びをしている。
水槽の前には、人垣があり、見えないようだった。
どうしよう・・・と考えていると、横にいたテギョンさんが、先に、テファに近寄り、テファを抱き上げていた。

「うわぁ~!!すご~い!!」

「見えたか、テファ?」

「うん!!見えた!!」

他の家族連れと変わらない、父娘の楽しそうな光景に、胸が熱くなった。

大丈夫かな・・・
心配だったことが、またひとつ、減っていく。

テファは、テギョンさんと手を繋ぎながら、ニコニコと楽しそうに笑っている。
お土産に、シロクマのぬいぐるみを買ってもらって、テファは、終始ご機嫌だった。
ただ、別れのとき、テギョンさんの手をなかなか離してくれないテファには、本当に困ったけど・・・


それから、無理を承知で、テギョンさんにテファを預けながら、私は入院の準備を進めていた。
テファは、『今日ね、パパと、〇〇に行ったの』と、夜、私に、楽しそうに報告をしてくれた。必ず、『今度は、ママも一緒に行こうね』と約束をして・・・。

入院に伴い、私たちは、住み慣れたアパートから、テギョンさんのマンションに引っ越すことになった。
私たちが住んでいたアパートより、倍以上ある大きな部屋には、テファの部屋まで用意されていた。

「家政婦のキム・ヒナムさんだ。ファン家で、俺の世話係をしてくれていたんだ。俺が留守の間は、このヒトが、テファの世話をしてくれる。」

「コ・ミニョです。娘を、よろしくお願いします。」

「はい、お任せてください。奥様が、早くお元気になって、お戻りになる日を心待ちしておりますよ。」

『奥様』って・・・
いいのかな・・・

入院前夜

テファを寝かしつけると、テギョンさんに呼ばれた。

「大丈夫か・・・?」

「少し、不安ですけど・・・大丈夫です。」

ギュッと抱き締めてくれる、その温かなぬくもりが、何よりも安心感を与えてくれていたから。

「ミニョ・・・無事に退院したら、結婚式挙げよう。本当は、今すぐにでも、籍だけでも入れたいんだが・・・」

「あの・・・私で・・・いいんですか?」

「今更、何を言ってるんだ?
お前以外、ありえない。
愛してるのは、ミニョ、お前だけだ。
だから、
1日でも早く元気になって、俺の元に、帰ってこい・・・」

「・・・はい
・・・テギョンさん・・・愛してます・・・」

嬉しくて、嬉しくて、泣いてしまう。
テギョンさんは、ニッコリと微笑むと、返事の代わりに、息が出来ないくらいに、たくさんのキスをくれた。
一緒のベッドで、テギョンさんのぬくもりをいっぱいに感じながら、眠りに就いた。

必ず・・・

あなたの元に・・・

帰ってきます・・・




★★★★




























番外編
『fate』if…

*9*

T side




ミニョを、もう一度失うのが、何よりも、怖い・・・。

その恐怖が、きっと、涙になったのだろう・・・。

考えたくもないが、ミニョがこの世から消えてしまうと言うのなら、俺は、息をすることさえも出来なくなるだろう・・・

他の誰よりも、俺が必要とする、かけがえのない存在・・・

どうしても、ミニョを失うわけには、いかない。
俺の生きる術だから・・・。

だから・・・

ミニョ・・・

生きてくれ・・・

俺のためにも・・・



ふと気がつくと、背中に廻ったミニョの手が、縋り付くように、ギュッと、力強く衣服を掴んでいた。
子どものように声をあげて泣くミニョが、何よりも、いとおしかった。

やっと、ミニョに思いが通じたようで、胸を撫で下ろした。

「大丈夫だ・・・
俺が、そばにいる・・・
何も、心配するな・・・」

ミニョを安心させるように、言葉をかけ続け、小刻みに震える頭と背中を撫で続けた。

お前がそばにいれば、俺は、どんなことでも乗り越えていける。

お前も、子どもも、俺が守ってやる。


それから、数日後の日曜日・・・

俺は、初めて、自分の娘に会うことになった。
待ち合わせ場所は、水族館。
ミニョの手に引かれながら、俺の前に現れるが、恥ずかしいのか、すぐに、ミニョの後ろに隠れてしまう。

「ほら、テファ。ちゃんと、ご挨拶して」

「こんにちは、コ・テファです。」

俺を見つめる円らな大きな瞳が、ミニョにそっくりだった。

「ママ、この男の人が、『パパ』になる人?」

父親だと名乗る前に、ミニョが、テファに、俺のことを話していたらしい・・・

無垢な娘の反応に、ミニョは、「すみません」と俺に頭を下げた。

「そうよ。ファン・テギョンさん。今日、テファと、一緒に遊んでくれるの。」

「ほんと?やった~!!ねぇ、行こうよ、ママ!!」

テファはニコニコ笑いながら、ミニョの手を引っ張った。

「色々とすみません、テギョンさん。」

ペコリと、頭を下げるミニョ。

「別に、気にしてない。」

すぐに関係を縮めるのは、難しいとは、思っていたから、さほど、気にしていなかった。

「ねぇ、ママ、見えない!!」

背伸びをしているテファ。どうやら、イルカがいる水槽の前では、人垣が出来て見えないらしい。
俺は、背伸びするテファの身体を抱き上げた。
やっぱり、子どもは軽いな。

「うわぁ~!!すご~い!!」

「見えたか、テファ?」

「うん!!見えた!!」

キャッキャッ喜んでいるテファに、ミニョも、ニッコリと、母親の顔で微笑んでいた。
ミニョの笑顔を見たのは、本当に久しぶりで、胸が熱くなった。

帰る頃には、すっかり、テファに懐かれていた。
ギュッと握られた小さな手が、いとおしく感じた。
別れるときも、手を離そうとしなかった。口をすぼめて、ヤダヤダ!!と駄々をこねて、ミニョを困らしていた。

ミニョが、入院するまでの間に、俺は、娘との距離を縮めていった。

ミニョが、入院する頃には、テファは、俺のことを、当たり前のように、「パパ」と呼んでいた。





★★★★