多武峰・談山神社・大化の改新 ~まほろばの国~奈良探訪記 15
談山神社の全景
さて、前回ブログ「紅葉の名所でもある吉野山へ行く(第14回)」では駆け足で吉野山の下千本について紹介した。
その後、すぐさま近鉄特急で吉野から橿原神宮前に移動し、談山神社を目指した。一番最寄り駅は近鉄大阪線の桜井駅であるが、橿原神宮前駅からでも行くことができる。ただし、バスが出ていないのでタクシーを使わねばならない。
『まほろばの国~奈良探訪記』の最初のブログ 「奈良公園は世界一の都市公園(第1回)」 で私はこう書いた。
「京都は街中に観光スポットがコンパクトに収まっているのに対して、奈良は見所が点在していて不便な点は否めない」
やはりそれを感じざるを得ないのが、ともに関西屈指の紅葉の名所である吉野山から談山神社への移動である。近鉄特急で40分、さらにタクシーで30分かかってようやく到着した。
しかし、いきなり談山神社に行くのではなく、談山神社の目の前にある多武峰観光ホテルの5Fを私は目指していた。
「多武峰」はおそらく地元の人以外は読めないと思う。
「とうのみね」と読むのだが、桜井市南部にある山および寺院一帯を指す地名であり、その中心に談山神社がある。
冒頭の写真は多武峰観光ホテルの5Fにある「レストラン紅葉」から撮影したもので、レストランのテラスから談山神社の全景が一望できるのでオススメの場所だ。当日も何人かの人がしきりに一眼レフカメラでシャッターを切っていた。
レストラン紅葉の様子
レストランの雰囲気から分かるように、昭和にタイムスリップしたようなレトロ感が満載で、昔の百貨店の大衆食堂を思い出した。テーブルの配置、テーブルクロス、紙ナプキンの置き方などがまるでそっくりなのだ。
多武峰観光ホテルは建物の古さは否めないが、とてもフレンドリーな接客をしてくれる評判の高い宿。もちろん、レストランだけの利用も可能。広々とした玄関ロビーで靴を脱いでスリッパに履き替えて5Fに上がる。やはり古き良き昭和だ。
多武峰観光ホテルのロビー ①
多武峰観光ホテルのロビー ②
レストラン紅葉でランチを食べて、談山神社に向かった。
談山神社は約3000本ものカエデがあり、秋には多武峰全体が見事なまでの紅葉に包まれることから「関西の日光」とも呼ばれているほどだ。一番の見所は、世界でただ一つの木造建築の十三重塔があることで、素晴らしい景観である。
談山神社の十三重塔 ①
談山神社の十三重塔 ②
談山神社の歴史は大化の改新にまで遡る。
当時、国の政治を欲しいままにしていた蘇我蝦夷・入鹿親子を打ち倒すべく、中大兄皇子と藤原鎌足の二人は多武峰の山中に上って、国家変革のための談合をおこなった。
その山が「談い山(かたらいやま)」と呼ばれたことが談山神社の名前の由来。ここに祭られているのは藤原鎌足である。毎年、4月29日と11月3日におこなわれる「蹴鞠祭」が有名。
談山神社の境内から談山に登ることができる。ただし、山頂に登っても開けた景色は望めない。御破裂山…うーん、気になるなぁ。
談山神社から談山へ登ることができる
談山神社についての写真はアップしないが、とにかく一度はぜひ訪問して欲しい場所だ。秘境感漂う多武峰を楽しむことができるだろう。







