乗り遅れたからといって慌てて飛びつくな
今年は暖冬傾向が強く、あまり寒さを感じない冬だった。全国的に雪は少なかったが、東京では降雪もほとんどなく穏やかなシーズンだったように思う。さて、遅くなったが1月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。
1月のマーケットは日米市場とも反発の展開となった。
米国市場は大幅反発。12月の雇用統計が予想の+18万人に対して+31.2万人と大幅増。また、FRBが金利引き上げ停止を含めた柔軟な金融政策を示したことで買い安心感。米中貿易協議の交渉進展も期待され中国関連が上昇。一方、IMFが世界経済の成長予想を下方修正。物足りない決算発表が続き、企業業績に対するリビジョン・インデックスは-5.8%と16年前半の水準まで低下。1月のNYダウは24999ドルと前月より1672ドル上昇し月間騰落率は+7.2%。ナスダックは7281となり646ポイント上昇の+9.7%となった。
東京市場も反発。米国株高やFRBの金融政策の変更を受けて買い戻され、日経平均は1か月半ぶりの高値水準を回復。中国の景気対策や米中貿易摩擦問題進展への期待感が高まる。一方、日本電産が中国不振で大幅下方修正。米国の長期金利が2.63%まで低下し、ドル売り・円買いが進む。為替は先月末の110.50円から今月末は108.80円へ。売買代金は2.2兆円程度と閑散商い。1月の日経平均は20773円で取引を終え、12月末の20014円から758円上昇し月間騰落率は+3.8%、Topixは+4.9%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+5.2%、マザーズ指数は+10.5%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における1月のパフォーマンスは+2.7%となり、年初来+2.7%、累計では+139.8%(12月末+133.5%)と前進。1月末時点のポートフォリオの株式比率は71%で25銘柄を保有(12月末は69%で24銘柄を保有)。株式部分の含み益は+11.7%(12月末は+7.9%)。71%のうち現物株のウェートは35%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計75%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-35%。トータルでは40%のロングポジションである。
1月のマーケットは米国市場の急反発で日本市場は恩恵を受ける形となった。しかしながら、月間の上昇率を見るとNYダウが1672ドル高の+7.2%に対して、日経平均は758円高の+3.8%と上昇度合いにほぼ2倍の差がついた。これはFRBの金融政策において追加利上げの見送りにより、米国の長期金利が低下によってドル売り・円買いが進んでいるのが最大の要因である。昨年末の為替は110.50円に対して1月末は108.80円と1.70円もの円高となっている。
2月に入っても米国市場の上昇に対して日本株は出遅れる展開が続いている。米国企業の決算は市場予想を下回るケースが増えてきているが、今のところは金融政策に救われる形となっている。
しかし、このところ発表されるマクロ経済は徐々に悪化の傾向を示しており、行き過ぎた上昇の反動が出る警戒感が必要となる局面に入りつつある。多くの個人投資家は昨年末の急落で泣く泣く売却に迫られ、今は乗り遅れた状況にあるが焦って飛びつく必要はない。
日本株のファンダメンタルズはトーンダウンしており19/3期は3年ぶりに減益の可能性が濃厚となった。米中貿易摩擦が解決した場合は20/3期の決算に希望が持てるが、もし、こじれた場合にはさらなる減益の可能性が高まる。米中首脳会談が3月に開催される予定だがその行方がどうなるのか目が離せない。結論が明確になるまでは様子見姿勢が賢明だ。
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「乗り遅れたからといって慌てて飛びつくな」