ここから小型株の出番、適正日経平均は26000円 | 太田忠の縦横無尽

ここから小型株の出番、適正日経平均は26000円

前回8/30のレポートでは「日本株は年初来高値更新へ」というタイトルでコメントした。昨日9/26の日経平均は24033円と8か月ぶりの24000円台に乗せ、1/23の高値24,124円をすでに視野に入れてきている。さて、遅くなったが8月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

 

8月のマーケットは日米市場とも上昇する展開となった。


米国市場は続伸。NYダウは7か月ぶりの高値となり、S&P、ナスダック指数ともに過去最高値を更新。7月の雇用統計は+15.7万人と予想の+19万人を下回り利上げペースが緩和されるとの見方。企業業績は好調で4-6月の利益は+24%で着地。7-9月も+21%の予想。NAFTAの再交渉を巡り米国とメキシコが大筋合意。8月の消費者信頼感指数が18年ぶりの高水準となり、4-6月のGDPの改定値は+4.2%へ引き上げ。月末はトランプ大統領が中国への2000億ドルの追加関税発動の考えとの報道で利益確定売りに押される。8月のNYダウは25964ドルと前月より549ドル上昇し月間騰落率は+2.2%。ナスダックは8109となり437ポイント上昇の+5.7%となった。


東京市場は3ヶ月続伸。月初は米中貿易摩擦による景気減速懸念から中国市場が下落し、日本市場にも波及。トルコリラ急落で日経平均は一時1か月ぶりに22000円割れ。マザーズは1年8か月ぶりの安値となり小型株の見切り売りが目立つ。1Q決算は好調で純利益は+20%を確保し、4-6月GDPは+1.9%と2四半期ぶりのプラス。月末にかけて一時23000円台乗せとなるが、利益確定売りで伸び悩みが顕著。為替は先週末の111.20円から今週末は111.00円へ。売買代金は2.1兆円程度と低水準。8月の日経平均は22865円で取引を終え、7月末の22553円から311円上昇し月間騰落率は+1.4%、Topixは-1.0%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+0.1%、マザーズ指数は+0.9%となった。

 

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における8月のパフォーマンスは+0.8%となり、年初来+1.0%、累計では+170.0%(7月末+167.8%)とやや前進。8月末時点のポートフォリオの株式比率は85%で29銘柄を保有(7月末は86%で29銘柄を保有)。株式部分の含み益は+31.0%(7月末は+29.0%)。85%のうち現物株のウェートは40%、日経レバレッジETFの保有比率30%の実質ロング比率は60%でロングは合計100%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは75%のロングポジションである。7月末の76%から下落した。


5月中旬よりトランプ大統領の極端な保護貿易政策で世界のマーケットは揺すぶられてきたが7月に過度な懸念が後退。8月にはじわりじわりとリスクオンの展開となった。「NYダウから日経平均を単純に引き算した差が3000ポイントを超えると日本株買いのチャンスとなる」と以前から指摘していたが、まさにその状況では買いチャンスを提供してくれた。


そして、9月に入りNYダウが8か月ぶりに過去最高値を更新したため、投資家心理が一気に上向いた。高値を更新した、ということで今後の上昇トレンドが期待される。メディアが貿易戦争と煽っていた米中貿易摩擦問題も経済への悪影響を配慮して、第3弾の関税率は10%とマイルドな措置が取られたため過度な懸念が一気に後退した。

 

9/21時点でのNYダウと日経平均の日米格差は2787ポイントまで縮小。3000ポイント以下になったと言ってもそれでもう終わりではない。今年の最小格差は5/2の1626ポイントである。日経平均の現在の1株利益は1734円でアベノミクス相場の平均PER15倍を当てはめると26016円となる。年初来高値24124円の更新は時間の問題となったが、一段の株高が進む可能性が高まってきた。


あと、もう一点指摘しておきたいのが年末に向けての小型株上昇というアノマリー効果である。今年の小型株は大型株に対してパフォーマンスが悪く、特にマザーズ市場は年初から13%安の状況にありファンダメンタルズが好調でも値を崩している銘柄が非常に多い。したがって、ここからは小型株の巻き返しが起こると考えている。まさに、皆さん個人投資家の出番ではないだろうか。

 

 

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太田忠の縦横無尽 2018..9.27

「ここから小型株の出番、適正日経平均は26000円」

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