選別投資の成果が問われる局面に
10月も後半戦に差し掛かった。あれほど世界中を騒がせた米国議会の騒動もシナリオ通りに決着し、目先の不安要素が払拭されたことでようやく落ち着いてマーケットに向かい合えるようになった。
まずは9月のモデルポートフォリオのご報告から。
9月のマーケットは日米市場ともに上昇した。
米国市場は反発。月初はシリアへの米軍による軍事介入懸念によりリスクオフにて始まったものの早急な介入が見送られたことや、中国の経済指標の好転によりマーケットを覆っていた懸念が後退。加えて、FRBが金融緩和縮小を見送ったことから買い優勢となり、NYダウは9/18に15767ドルを付け8/2以来1か月半ぶりに過去最高値を更新した。その後は、新年度予算を巡る与野党の交渉が難航し、10/1から政府機関の一部閉鎖の可能性が高まったため売り優勢となった。9月末のダウは15129ドルとなり319ドル上昇し月間の騰落率は+2.2%。ナスダックは3771ドルとなり182ドル上昇の+5.1%となった。
日本市場は4月以来、5ヶ月ぶりの上昇。9月のマーケットを占う3つの大きなイベントがすべて良い結果となった(2020年の東京オリンピック開催決定、米国の金融緩和継続、来年4月からの消費税増税の方向性が固まったこと)ことを受けて、市場に明るいムードが戻った。加えて、消費税増税と併せておこなわれる経済対策や法人税減税、中国経済回復の兆しも投資家心理を明るくした。売買代金は2兆円を超える日が増え、海外投資家も買い越しに転じた。為替は96円から100円の狭いレンジでの動き。9月の日経平均は14455円で取引を終え、先月末の13388円から1067円上昇し月間騰落率は8.0%、Topixも同じく+8.0%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+9.0%、マザーズ指数は+30.4%となり小型株の方が反発は大きかった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における9月のパフォーマンスは+9.8%となり、年初来は+34.0%(8月末+22.0%)、累計では+113.8%(8月末+94.7%)となり、月次ベースではこれまでの高値であった今年4月の+100.3%を抜いて過去最高値を更新した。保有株式のウェートは8月末の82%から87%へアップ。ヘッジ戦略は現在おこなっていないため、ネットロング比率は8月末の82%から87%へアップしている。
米国における与野党協議が決着し、新年度予算の暫定案ならびに2/7までの国債発行が決まり、政府機関の一部閉鎖も解除された。これでようやく日本企業の決算発表本格化に向けて不透明な外部要因が払拭された。来年の1月~2月にかけて米国では再び議会の混乱が蒸し返される可能性はあるものの、とりあえずは目の前のことに集中できる。
保有銘柄のファンダメンタルズをしっかり確認し、「現状維持」「買い増し」「売り」を見極めていくことが大事だ。1Qでも好ファンダメンタルズ銘柄が良い成果を上げたが、いよいよアベノミクス第二幕の「業績相場」へ本格的に突入するため、銘柄選択力がパフォーマンスに直結する。もう一段の運用資産の積み上げを目指して気を引き締めていきたいところだ。
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太田忠の縦横無尽 2013.10.23
『選別投資の成果が問われる局面に』