天才ピアニスト ジョージ・リーと「友だち」になる
昨日のことだが、仕事中にプライベート用のメールアドレスに突然、YouTubeからメッセージが来た。
「Pianoloverok さんがあなたを友だちとして招待しています。友だちになると、友だちのお気に入り、アップロード、評価などを追跡しやすくなる他、公開動画や非公開動画も簡単に共有できるようになります。
受信ボックスから、この招待を受けたり拒否したりできます」
今やYouTubeはインターネットの動画の世界で確固たる地位を築き、世界中の人々が無料で映像を楽しむ機会を提供している。私も2年ほど前に自分のサイトを登録して、時間のある時にYouTube検索をして楽しむのと同時に、自分でも映像をアップして利用している。単に各人が映像を公開するだけではなく、その映像の評価やコメントをしたり、気に入ったサイトを登録して最新情報を漏れなくキャッチしたり、あるいは「友だち」同志になったりすることができる。しかもワールド・ワイドで、である。
YouTubeで使用している名前は、大抵がペンネームであり、「Pianoloverok」という人がどんな人なのかはこのメールにリンクが張られている当人のサイトにアクセスしてみないとわからない。3ヶ月ほど前から1970年代のJ-POP(いや、歌謡曲というべきか)をソロピアノ用に自分で編曲をしてアップしはじめてから、私への評価やコメント、そしてチャンネル登録者が顕著に増えてきている。「果たして、どんな人なのか?」とワクワクしながらアクセスしてみた。
いやはや、驚いたのなんの。Pianoloverokとは、あの天才ピアニストのジョージ・リー(黎卓宇、George Li)であることが判明。本当にびっくりした。
ジョージ・リーは1995年生まれの現在16歳の天才少年ピアニストである。10歳の時にボストン・スタインウェイ・ホールにてプロのピアニストとして公式デビューし、11歳の時にカーネギー・ホールにて演奏。すでに数々の賞を受賞しており、今年の6月にはオバマ大統領主催の晩餐会にてピアノを披露している。
彼のその才能をまとめた映像があるので、とにかくまずこれを見ていただきたい。
『George Li's Musical Journey: 2005 to 2010』
なぜ、突然このようなメールが私に来たのか?
私のYouTubeサイトには私が主宰するスタジオ・マルルー にて収録したプロのジャズピアニストの映像も含まれているため、それを評価して「友だち」になろうとメールしてきた可能性がある。別にそれはそれで良いのだが、せっかくの機会である。彼への返信のついでに最近アップした私のピアノの演奏動画も添付してみた。
クラシック畑のピアニスト、しかも私の年齢の1/3の若い彼に、今から40年前の日本の歌謡曲がどのように映るのかに興味があったのだ。しかも絶対に彼が知るはずもない『みずいろの手紙』という日本でももはや古典的な感じが漂う曲をぶつけてみた。そして、もちろん私の演奏をトップピアニストがどう感じるのかが知りたかった。こんな絶好の機会を逃してはならない。
「返信の来る確率は5割くらいか」と半ば思いながら、メールを出したら、わずか5分でコメントが来た。
「Beautiful!!!!!!!!!!!!!」
もちろん、普通は「友だち」に向かって相手をけなしたりするコメントはしないものであり、当人の実力以上に褒めたりするものだが、私への評価はまんざらでもなさそうである。自己批評をすれば若干のミスタッチや表現力の甘さなどあるのだが、音楽的な雰囲気は出せていると思うので、それを評価してもらって正直気分が良い。ありがとう!
実はこれ以外にも、YouTubeを通じて私にとっての事件が最近起こったのだが、またの機会に触れてみよう。
太田忠の縦横無尽 2011.8.20
『天才ピアニスト ジョージ・リーと「友だち」になる』