エリザベスカラーのチャッピーが1歳に
我が家の娘、チャッピーが1歳の誕生日を迎えた。
手前にお誕生日ケーキ、その奥にプレゼント。
妙にかしこまって写っている。
ケーキは妻が特注して作らせたもので、プレートには「チャッピー」の文字がある(小さなケーキなのに、値段は1600円!もしたそうだ)。プレゼントはオモチャのボールである。
かしこまっているのにはわけがある。首元を見ていただきたいのだが、実はエリザベスカラーをしているのだ。
エリザベスカラーとは、手術や怪我などで外傷を持った動物が、その傷口をなめないようにするための半円錐形の保護具である。「エリザベスカラー」の名称は、16世紀の英国エリザベス朝時代に衣服に用いられていた襞状の襟の形に似ているところからつけられている。
通常はプラスチック製の既製品があるのだが、チャッピーがつけているのは段ボールでできており、その外側の表面には「370g缶×12缶入り」の文字とともに巨大なバーコードが印刷されている。どうやらエサが入っていた段ボールのようだ。2週間前に、避妊手術を受けた際に、チャッピーのサイズに合う小さなエリザベスカラーがなく動物病院のスタッフが手作りしてくれたものである。外見上はチープだが、スタッフの愛情がつまった作品である。
エリザベスカラーをつけると、たいていは嫌がって取ろうとするものだが、チャッピーの場合さほど気にならないようで、むやみにあばれたりはしない。ただし、足元や左右の視界が遮られてしまうので、トイレの決められた場所からはみ出して用を足したりするのは困ったことなのだが…。
ところで、チャッピーのかかりつけの動物病院は随分と変わっている。もともと地元の住人であるK先生が地元の人たちのために開業しているとあって、「診察は丁寧、手腕は抜群、価格は安い」という三拍子そろっているため、そのウワサは遠くまで広がり、連日満員御礼らしい。私自身は、ほとんど行ったことがないので、どんな病院なのかをチェックしようと、ホームページを覗いてびっくりしてしまった。
「K動物病院院長のKです。(中略) さて、平成○年○月に創業以来、これといった広告宣伝をしないでやってまいりました。 タウンページにも載せていません。 これは、○○という地域が、私の地元なので、 開院当初から、この地域の動物達を診させて頂ける動物病院、ペットを飼っていない方々にも 喜ばれる病院を目指したいという思いから来ています。 今現在は、各地域に動物病院があり、素晴らしい獣医さんが沢山います。 私は、私で、この地域の方々に喜んで頂けるような動物病院でありたいと思っております。 しかし、近年インターネットのコミュニティー等を通じて当院をご紹介して頂ける方々が非常に増えており、 嬉しい半面、実は、困惑しておりました。 オーナー様が当院を喜んでお勧めして頂けるのはとても有難い事なのですが、 ご近所にも素晴らしい動物病院がある遠方の方が「インターネットを見た。」と来院される事もあります。 インターネットの内容が、いい事を書きこまれているけれども、我々の思いと違う事まで表現され、知らないところで、 当院をとんでもなく良い病院のように思われてしまう事もありました。当院は普通の病院です。…(以下略)」
普通ならば、「当院は世間一般とは異なり、特別な病院である」ことを主張するものだが、「当院は普通の病院です」とわざわざ言っているのだ。そして、ほかの動物病院や獣医をほめている。これはスゴイことである。実名をこのブログで紹介できないのが残念だが、こういう立派な動物病院もあるのかと思うと清々しい気がする。
ようやく今週の金曜日に、チャッピーの手術の抜糸がおこなわれ、エリザベスカラーから解放される。
太田忠の縦横無尽 2011.3.9
『エリザベスカラーのチャッピーが1歳に』