口の中にじんましんが…
「太田さん、大丈夫ですか?」
何人かの人が心配して、わざわざメッセージをくれた。
「太田さんがストレスになるイメージは無いんですけどね」
いや、ありがとう。
私自身ストレスで体調を崩すなどということは今までにほとんどなかったが、今回はちょっとこたえたということである。確かに先週は仕事が忙しかったわけだが、ストレスの原因は仕事にあったわけではない。実は、国家権力と闘っていて(表現がちとオーバーだが)、その疲れがどっと出たのだ。その内容については機会があれば書きたいと思うが今日は触れない。だが、それにしても「明らかに間違ったこと」を平気で国民に押し付け、こちらの「正当な言い分」を一切認めない、という国のやり方に私は憤慨した。妻も憤慨した。
まあ、その結果、珍しくも口内炎になってしまったのだが、その検査の結果が今週の月曜日に出るというので、行きつけの病院である(あ、病院は行きつけとは言わず、かかりつけだった)乃木坂のS病院へ出かけた。
「太田さん、検査の結果が出ましたよ」
「え、どうでしたか?」
「これは、じんましんですね」
「じんましん? 口の中にじんましん? じんましんって、卵を食べたらお腹や背中にぶつぶつができるやつですよね」
「ええ、そうです」
「それが、口の中にできるのですか? 聞いたことないな」
先週の火曜日にS病院の皮膚科で診察をしてもらい、「細菌薬剤感受性検査」というのを受けた。もし何か細菌やウイルスなどに感染している場合、その原因がすぐにわかるという検査である。
その検査を受けた夜、私は妻に言った。
「これは、ひょっとしてチャッピー菌じゃないのかな?」
「え、チャッピー菌?」
「そう。チャッピーはよくひざに飛び乗ってきて顔を舐めるから、それでイヌ・ネコが持っている動物の菌やアレルギーがうつったんじゃないの?」
私は密かにチャッピーを疑っていたのだった。
「いえ、動物の菌の感染ではありません。ウイルスも全く関係ありませんので心配いりません。このじんましんは動物や人にもうつらないので大丈夫です」
ということで、安心した。口内炎の薬を飲んでも全く効果はなかったのだが、じんましんの薬を飲み始めると、唇および舌の腫れが引いてきた。うん、「的を射る」とはまさにこのことである。原因を突き止め、正しく対処することの重要さよ。
「太田さんは、普段はじんましんが出たりしますか?」
「ないですね。子供の頃はたまにあったかも知れませんが」
「まれにあるんですよ。こういう症状が。ストレスが引き金になるんです。最近、ストレスになっていませんか」
「いや、その通りです。普段味わないストレスでした」
ということで私の場合、じんましんという何やら間の抜けた症状が出たもののほぼ回復である。皆さん、お騒がせしました。ごめんね、チャッピー。
太田忠の縦横無尽 2010.11.3
『口の中にじんましんが…』