犬にもマイブーム:チャッピーの変わった習性
先日9月5日に娘のチャッピーが生後6ヶ月を迎えた。
チャッピーというのは約2ヶ月前に我が家にやって来たトイ・プードルである。トイ・プードルはそもそも小型犬であるが、その中でもいろいろとサイズがあり、チャッピーは「ティーカップ・サイズ」という超小型犬で、本当にちっちゃな子だ。
2ヶ月前の体重はわずか960グラムしかなかったのだが、チビはチビなりに成長して現在は1340グラムになった。「あまり変わっていない」と言われそうだが変化率でみると実に40%も体重が増えたことになる。小型犬は約10ヶ月程度で成犬になるそうなので、今は小学六年生くらいだろうか。写真は上が2ヶ月前のものであり、下が現在のものである。
明らかに全体の雰囲気や顔の表情が異なっているのがおわかりになるかと思う。かなり女の子っぽくなってきている。
ところが、このチャッピー、「チャッピー」という名前を私が命名したとおり(そのいきさつはこちらのブログ )、期待にたがわず「お転婆娘」路線を突っ走っている。「お転婆」は何も悪いことばかりではない。この子は「人見知り」を全くせず、わけ隔てなく人間が大好きであり、妻が主宰している料理教室に来るお姉さんたちの足元やひざの上に乗って遊び回り、私がレッスンを受けている先生たちにも隙あらばハイタッチしようと大はしゃぎである。おもちゃを遠くに投げて、それをくわえて持ってくるのがお気に入りで、続けざまに何度も走り回る。どう見ても元気な男の子だ。おかげで、「小さいけれど、体に似合わずしっかりした骨格ですね」と獣医さんからほめられたと妻は言っていた。
それはいいとして、ひとつだけ変わった習性がある。食事や遊んだ後はゲージの中に入れるのだが、そこに設置しているプラスチック製の平らなトイレをベッド代わりにしており(おしっこ吸収シーツが網目の下に敷かれているので、彼女にとってはどうやらふんわりとしたクッションらしい)、実際にトイレをするのはそのトイレを持ち上げて「トイレの下にトイレをする」というややこしい行動をしている点である。
「チャッピーはお転婆で注意されても懲りない性格だから、頭はよくないね」と私は言うのだが、
「あら、トイレの下にトイレをするのは、意外に頭がいいかもよ。不快なものを目に付かないところに隠すのは動物にとっては高度な行動よ」と妻は呑気なことを言っている。
この習性を妻は獣医に質問したそうだ。
「それはマイブームですね。犬にもそれぞれの嗜好があり、この子は今それが面白くてしかたがないんですよ。もしやめさせたければ、ガムテープをトイレの下に貼り付けて動かないようにしてください。そのうち忘れてしまいますから」
なんと、マイブーム(もうこの言葉は最近めっきり聞かなくなった)だそうだ。もちろん我々としては、これは悪しき習慣だと思うが、現行犯で見つけない限りは叱れない(いまだ目撃していない)。だから、やめさせるのが筋であるが、さりとて面白がっていることをいきなり取り上げるのはいかがなものか(まだ子供である)、という気にもなる。まだガムテープ作戦には出ていない。
太田忠の縦横無尽 2010.9.8
『犬にもマイブーム:チャッピーの変わった習性』