オン・グリーン・ドルフィン・ストリート by 太田忠ピアノトリオ | 太田忠の縦横無尽

オン・グリーン・ドルフィン・ストリート by 太田忠ピアノトリオ

6月26日(土)に新宿のPit Innにおいて、第3回Jazzyland Festivalがおこなわれ、『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート(On Green Dolphin Street)』にてピアノトリオで演奏をおこなった。


YouTubeによる演奏動画はこちら ↓
    『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』
     (p)太田忠、(b)永塚博之、(ds)正清泉


第1回、第2回のJazzyland Festivalは高田馬場のカフェ・コットン・クラブにておこなわれたのだが、今回は舞台を新宿Pit Innというジャズプレーヤー憧れの場に移し一段とパワーアップされたわけだが、演奏者側ももちろん気合が入る。


『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』は元々は1947年の映画「大地は怒る」の主題歌としてBronislaw Kaper(ブロニスロウ・ケーパー)が曲を書いたのだが、その後でメロディーにNed Washington(ネッド・ワシントン)が詞をつけたものである。歌詞の内容は「かつての恋の舞台、グリーン・ドルフィン通りのことを思い出とともに綴る」というものであり、コーラスに入る前のバースは次のように始まる。


「夢のようだったけれど、それは本当に起こったこと。

男と女、キス、そして別れ。

ロマンスこそが人生。そして、それを演じるのは私たち」


要するにロマンスムードで演奏する曲なのである。曲名に「Dolphin」とあるがイルカとは全く関係がない。


この曲がジャズのスタンダードナンバーになったのはこの映画の封切りそのものによるものではなく、マイルス・ディヴィスがビル・エヴァンスとともに1958年に録音したアルバムが話題をよび、多くのジャズミュージシャンが競って演奏するようになってからである。


「グリーン・ドルフィン? 緑のイルカって変な名前の曲ね」と今回のピアノトリオでの演奏曲目を尋ねてきた妻が言った。確かにそうである。「緑のイルカ」なんて聞いたことがない。しかしながら、この曲をじっくり聴いていただくとわかるのだが、「紺碧」「潮の香り」「大海原」を想起させるようなメロディーであり、私自身がピアノで弾くときは、海のイメージを頭に思い浮かべているのだ。だから、私の『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』にはロマンスのかけらなど一切ない。全くロマンチックではない、ということだね。


演奏は、ピアノソロによるルバートが1コーラス、テーマ、ピアノアドリブ2コーラス、ベースアドリブ1コーラス、ピアノとドラムの4バース、テーマという形で終わり約7分間の演奏時間となっている。曲の1コーラスの前半がラテンリズム、後半がスウィングとメリハリをつけているのがポイントである。


さて、演奏中に私は3回イルカをジャンプさせようと試みたのだが、お分かりになるだろうか?


太田忠の縦横無尽 2010.8.27

『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート by 太田忠ピアノトリオ』

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