「言い訳」「まやかし」ばかりの年金行政などやめてしまえ①
行政に対する憤りは人一倍強いが、こと年金行政に関する怒りはますます強まるばかりである。1年半前にスタートしたこのブログでもすでに2回、年金行政に関する理不尽や問題を述べている。
このような私のもとへ、先日、弊社あてに世田谷年金事務所から封書が届いた。
「御社は厚生年金・健康保険に未加入となっています。
法人企業が厚生年金・健康保険に加入することは義務付けられております。ただちに加入願います。
この件につきましては、委託先の業者よりお電話にてご連絡差し上げます。なお、行き違いの場合はご容赦下さい」。
読んでみると文面はざっと、以上のごとしであった。
どう解釈してみても、この通知は未加入企業のみを対象としたものである。最後の「ご容赦下さい」は肩を押されて加入した企業に行き違いが起こった場合の文言である。
「年金行政のバカさ加減はとうとうここまできたか」と私は思い、怒りがこみ上げてきた。なぜならば、弊社は会社設立と同時に厚生年金・健康保険に加入し、毎月銀行引き落としにて一度も遅延・遅滞なく完全に支払い続けているからである。今の世の中、事務作業はすべてコンピュータ化されている。支払っているのに「未加入」と認識されていることなどありえない。消えた年金問題と同じく、法人向け年金業務においてもその根幹のところがメチャクチャになっているのだろうか? とにかく勝手に未加入と決め付けられた上、督促の電話まで受けるのだけは御免被りたいので、世田谷年金事務所に電話をした。
「うちの会社は設立当初から厚生年金・健康保険に加入しているにもかかわらず、未加入の通知がきているのだが、これはどういうことですか?」
(冷静につとめるが、やや語気が強いのが自分でも分かる)
「え、もう一度お願いします?」
(いかにもやる気のない声。こちらのテンションが下がる)
「ですから、・・・(繰り返し)」
「あ、わかりました。では担当の者に代わります」
(だが、なかなか出てこない。なぜだ?)
「すみません、担当のものが席をはずしております」
(もう逃げ回っているのだろうか? と疑念が湧く)
「まず担当者のお名前を教えてください。折り返しすぐに電話をいただけますか?」
「あ、今戻ってきました。それでは代わります」
(逃げ回っていたのではなかったようだ)
ということで、担当課長と話をした。しかし、私からすると彼の話は言い訳ばかりだった(言い訳が始まると、こちらの言うことを遮って喋り続けるのだ。これもお役所の特徴である)。くどくどしたことは書かないが、わかったことは次の3つの実態である。
①今回の事務作業は「キャリア○○○」という業者にすべて丸投げした
②非常に古いデータ(平成20年5月頃)をもとに、未加入者の認識をしてしまった
③私たちも困っている
①も②も「責任は自分たちにあるのではない」という言い草だったので、カチンときた。そもそも「世田谷年金事務所」という名前で文書を出している以上、すべての責任は世田谷年金事務所じゃないの?
さらに「私たちも困っている」には呆れてモノが言えなかった。こんな不躾な失礼きわまる文書を送りつけられて、困っているのはこちらのほうである。そして、同じ事務処理のミスで同様の苦情が多数寄せられているらしい。
日本の年金業務は毎年何千億円ものコストが投じられて作業されているはずである。これほどの莫大なコストを使って、加入者か未加入者かも判別できないような仕組みで運営されているのが、私には全く理解できない。
今回のミスは私や間違って送られてきた企業だけの問題で済むが、私の怒りはこれだけでは収まらなかったのだ。別の日に受け取った日本年金機構から送られてきた「ねんきん定期便」である。これは年金を受け取る人たちすべてに関係する「まやかし」の問題である(続く)。
太田忠の縦横無尽 2010.8.19
『「言い訳」「まやかし」ばかりの年金行政などやめてしまえ①』
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