宮内国郎の特異な才能 | 太田忠の縦横無尽

宮内国郎の特異な才能

『我が家の新しい娘チャッピーです』 という前回のブログで多くのメッセージをもらった。ところが、反響の焦点が想定もしていなかった意外な展開となっており、私にとって新たな発見があり実に面白かった。


私のブログは「コメント」を受け付けていない。これは別に高飛車とかではなく、多くのコメントがきた場合にすべてに目を通し、きちんと返事を書いたり応答したりする自信がブログを始めた当初からなかったためである。もちろん匿名性をいいことに一方的な誹謗中傷や読むに耐えない変な書き込みを防止するというためでもある。その甲斐あってか、自分の書いた後のケアで悩まされたことは一度もなく、勝手気ままにこのブログが続いている次第である。


コメントは受け付けないのだが、閲覧者が増えるにしたがって(現在1日平均700~800件のアクセスあり)、メッセージをよくもらうようになった。ただし、そのほとんどが面識のない人からのメッセージである。今回もすべてそうだったのだが、意外な展開というのは「ブースカ」についての反響が多かったからだ(「かわいい子犬ですね」などというありきたりな感想をわざわざ送ってくる人が全くいないのが、私のブログの読者らしいところ(?)だと勝手に自己分析している)。


「ブースカ見てました!太田さんの奥さんと同年代です」

「なかなか面白いので、DVDでぜひ見てください」

「今の子供向けの番組ではぜったいお目にかかれない内容です」などなど大絶賛されているのだ。しかし、一点鋭い指摘が入った。


「『怪獣ブースカ』ではありません『快獣ブースカ』です!ここを間違うと全く異なるキャラクターになりますので、ご注意を」とお叱りを受けた。


というわけで、ブースカにうとい私はYouTubeで早速検索してみた。ブースカのオープニング がちゃんとアップされている。ノー天気で平和そのものの短いイントロのあと、歌が始まった。


「♪ぼ~くはブースカ ブー 力もち~♪」


いやあ、これは愉快、愉快と笑いながら見ていたその時である。クレジットに


音楽 宮内国郎


という文字が目に飛び込んできたではないか。「やや、こんなところに宮内国郎が・・・」と驚くやらびっくりするやら大発見をしてしまったのである。


宮内国郎(みやうち・くにお)はもうすでに故人であるが、初期の頃のウルトラマン・シリーズの音楽を手がけた人である。もともとジャズミュージシャンの出身であるため彼の楽曲は通常のポピューラー調の音楽とは違い、「テンションあり、不協和音あり、変拍子リズムあり」という独特な世界観がある。それが一番表れているのが『ウルトラQ』(1966年~1967年)である。私がまだ物心つかない頃の番組なのでリアルタイムで見ていないのだが(妻はよく知っていた)、ウルトラシリーズの第一作であり、かの有名な「カネゴンの繭」というエピソードが入っているのに内容を知らないため、今から確か8年前くらいにDVDを買って全話を見た。「すばらしい」の一言だったが、一番気に入ったのがこの番組で使われている音楽だった。そのときに宮内国郎の名前を知り、ウルトラQのミュージックファイルCDまで買ったのだった。


それがブースカでは、全く掛け離れたトーンである。残念ながらブースカのミュージックファイルは出ていない。今日早速DVD・BOXを注文して妻と見ることにした。1966年~1967年に放映された『快獣ブースカ』がどんな内容なのか今から楽しみである(チャメゴンも楽しみである)。ここにも宮内国郎の特異な才能が発揮されているに違いない。


太田忠の縦横無尽 2010.7.29

「宮内国郎の特異な才能」

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