日経ホールでの講演会
本日、12月12日(土)に日本経済新聞社主催の第23回個人投資家向け会社説明会が行われたため、大手町の日経ホールへ出かけた。
出かけたといっても、私も『2010年の投資戦略 大型株vs中小型株』と題する基調講演をする立場のため、気軽にという感じではもちろんない。休日にもかかわらず、背広を着てネクタイを締めてピリッと気分を引き締めて出かけた。
プログラムは基調講演に加えて上場企業5社のトップによるプレゼンテーションがあり午後12:30スタート、17:05エンドというかなり盛りだくさんな内容である。
トップバッターでプレゼンテーションをするスケジュールであったため、担当者の方にまだ開演前の日経ホールを舞台側からじっくりと見せてもらった。座席数は610席あるのだが、整然とほどよい段差で座席が下から上へと配列されている。見た目は非常にコンパクトであり、出演者側からは一目で全体の景色が把握できる。旧社屋時代の日経ホールでも何度か講演会をやらせてもらったことがあるため、ちょっと違う印象だった。座席数はほぼ同じだったそうだが、ホールが縦長で奥行きがあったため、一番後方の人々が豆粒のように見えていた印象が強かった。新社屋のホールはそれを感じさせない。
舞台の中央に立ちながら私は言った。
「日経ホールはセミナーだけではなく、けっこう音楽イベントもやっているでしょ」
「はい、そうです」
「いやー、今度はそれで出てみたいですね」
「えっ?」
「私はジャズピアノをやるので、ピアノトリオでここで演奏したら、さぞかし気分がいいだろうと」
「はあー。驚きました。太田さんはピアノを弾くんですか」
ということで、この時ばかりは自分が今日ここで講演することをすっかり忘れてしまい、「うん、ここなら比較的聴衆の全体像が理解できるため、いい演奏ができそうだ」となどと一人で勝手に考えているのであった。
セミナーといっても大規模なものになれば日経ホールのように600名もの聴衆を相手に話をする。「緊張しませんか?」とたまに聞かれることがあるが、私の場合は聴衆の数と緊張度は逆相関関係にある。すなわち人数が多くなればなるほど緊張せず、4名くらいの少人数が最もプレッシャーが高くなる。1対4だと何だかこちらが面接を受けているような気分となりやりにくい。600名だとあまりにも人数が多いため喋っていてもなぜか目の前の景色が次第に「夢物語」のようになっていくのだ。自分が一人芝居をしている、すなわち聴衆という概念が消え、頭の中は妙に静寂かつ静まり返り自分だけしか存在しないという不思議な感覚となり、ものすごくリラックスしてしまう。
今日もそんな奇妙な感覚を講演中ずっと味わった。
次回は講演ではなくぜひ「公演」をやりたいものだ。日経ホールにとどまらず、東京ドーム5万人でも全く問題ない(笑)。
そう言えば、明日は高田馬場のカフェコットンクラブにて第2回Jazzyland Festivalに参加する。ピアノトリオによるジャズライブで、午後13:30開場、14:00開演。チケットは3500円。Jazzyland Festivalの詳細はこちら。
ご興味のある方はどうぞお越し下さい。
太田忠の縦横無尽 2009.12.12
「日経ホールでの講演会」