13週連続の鯨幕相場記録を更新中
鯨幕相場(くじらまくそうば)というのをご存知だろうか?
相場が上昇と下落を日々繰り返すと、チャート上に陽線と陰線が交互に現れる。すなわち、白と黒の模様が連続して織り成していく。鯨幕とは通夜や葬式など弔い事で使用される白黒で構成される幕であり、鯨の体が黒と白の2色であることに由来しているそうだ。
上昇と下落を毎日繰り返した相場は、最近では日経平均が8/13~9/2まで14営業日連続という最長記録を塗り替えたことが記憶に新しい。相場が膠着状態となり、上にも下にも行かずにトレンドが消失している状況を示している。
実は弊社の「投資実践コース」のモデルポートフォリオは日々の上下ではなく、週間のパフォーマンスにおいて、8/11の週から11/9の週まで13週連続で鯨幕相場を演じており、上昇と下落が見事に連続して織り成している。珍記録だ。
これは何も喜ばしいことではなく、8/11の週が直近のパフォーマンスのピークとなっており、その後上下は繰り返しているものの、繰り返しながら徐々にダウントレンドとなっている。特に、11月に入ってからの小型株相場はかつての非常に悪い時代の株価形成に逆戻りしており、上方修正の発表や配当落ちなどの材料出尽くしで急落する銘柄が目立っている。バリュエーションはPE1ケタ、PB1倍割れもお構いなしであり、気持ちよく下がっている。
小型株投信の成績を見ると直近の1ヵ月で軒並み5%前後の下落(中には10%を超える下落も見られる)となっており、非常に苦戦しているのがわかる。弊社のモデルポートフォリオは10月以降はロングポジションをきわめて低位に抑えているため、ダメージはきわめて小さいが、それにしても「こりゃひどすぎる」という銘柄が多く目に付く。
鯨幕相場が連続するならば、明日から始まる11/16の週はプラスのパフォーマンスとなるはずだが、喜んではいられまい。最近の低迷する売買代金といい、1日の値幅がほとんどないことといい、市場参加者の覇気のなさといい、全くどこにも歓迎すべきような状況が見出せない。困ったことだ。
太田忠の縦横無尽 2009.11.15
「13週連続の鯨幕相場記録を更新中」