わずかなお金で人生を楽しむ工夫
喫茶店でまずいコーヒーが出された時ほどがっかりすることはない ― 。
前回のブログのテーマはこれだったが、3連休の最終日の今日は、再び妻と駒沢公園へ散歩に出かけることにした。体育の日は10月10日という固定概念が出来ている私としては、今日の10月12日が体育の日だと言われても全くピンとこないのだが、さすがに国民の祝日だけあって、管制塔のある中央広場ではイベントがおこなわれていたり、いろいろな出店がだされていたりして賑やかだった。もちろん散歩そのものが目的なのだが、「おいしいコーヒーを飲もう!」ということで、今まで2回だけ入ったことがある自家焙煎コーヒーの店へ足を踏み入れた。
わずか5席のカウンターだけしかないのだが、本格的にコーヒーを提供するために大きな焙煎機をもち、ミル、サイフォンなどコーヒーを煎れる装置もごまかしがなく、コーヒーカップもマイセンなどのきちんとしたものを使っている。二人でアイスコーヒーとアイスカプチーノをたのんだのだが、十分以上もの時間をかけてつくってくれた。
これが実においしい。まろやかさ、こく、ほろ苦さ、が適度に交じり合い、心地よくリラックスできる。近くの店で飲んだ「レーコー」は何だったんだろう、という感じだ。値段もほとんど変わらない。とはいえ、一杯780円と決して安い価格ではなかったが十分に楽しませてもらった。
日常生活において、ほんのわずかなちょっとした楽しいことを見つけることはとても大切である。しかも、「わずかなお金で楽しみが大きい」というコストパフォーマンスの高いものであればなおさら良い。我が家の場合は、実は朝食後に飲むコーヒーがそのひとつである。
近所にコーヒー豆をローストしてくれる専門店があり、そこでいつも「ブルマンブレンド」という銘柄を買うのだが、一杯あたりの原価を計算すると52円である(200gで1300円。一杯あたり8gの豆を使う)。以前は、ローストした豆を粉にしてもらって買っていたのだが、やはり1週間以上たつと冷蔵庫に入れていても酸化が進み、香りがどんどん飛んでしまう。そこで、ミルを購入して1回1回、必要な分量だけ自宅で粉にすることにしたのだ。すると、ほとんど品質を損ねることなく、おいしいコーヒーが楽しめるようになった(豆は冷凍しておく)。
缶コーヒーはさすがに52円では買えないが、わずかのコストで贅沢に楽しむことができる。あのまずかったレーコーの原価は20円くらいだろうか(値段が700円だからなんと35倍に化けている)。あとちょっとだけコストをかけることで様変わりするはずなのだが、まあ、別にこちらから頼んで変わってもらう必要はない。
ところで、今日のお店でためしにスタンダードな価格帯の豆を100g買ってみた(600円ナリ)。どれくらいのコストパフォーマンスなのか、早速明日トライしてみよう。
太田忠の縦横無尽 2009.10.13
「わずかなお金で人生を楽しむ工夫」