9月は株式市場にとって鬼門の月 | 太田忠の縦横無尽

9月は株式市場にとって鬼門の月

昨日の9月15日は奇しくもリーマンショックからちょうど1年が経過した日であったが、その1年前の騒然とした日において、1年後の9月16日にこのような大々的な政権交代を迎えることなど誰が想像しただろうか。やはり、今は激動の時代の最中なのだと思う。それを実感させられる日々である。


さて、株式市場であるが、8月の半ばあたりから急速にトレンドが消滅した。米国市場を見ていると、ちょうどその頃を境にマクロ経済のデータはポジティブなものばかりが目立つようになっているにも関わらず、株価の上昇力がほとんどなくなっているのである。昨日発表された8月の米小売売上高や9月の景気指数はマーケットコンセンサスを上回るものであり、本来ならばNYダウは軽く1%を超える上昇があってもおかしくないはずなのだが、期待値のわずか半分程度にとどまった。日本市場は企業業績に関するニュースも1Qの決算発表が終了したためほとんどなくなってしまい、自家発電のエンジンは作動しておらず、海外マーケットや為替、商品先物市場などの外部要因に左右される展開が続いている。


この数年の動きを見ていると、株式市場にとって9月は鬼門の月である。下落するケースが多く、パフォーマンスが悪い。今年の場合、春先からの一貫した上昇トレンドに明らかな一巡感が見られ、ポジティブなニュースにも感応度が鈍ってくると・・・。これはあまりよろしくない兆候である。


トレンドが消滅し誰もが上値を積極的に追うことに躊躇するような局面では、あまりべったりとマーケットにへばりついていても仕方がない。リスクアセットへのエクスポージャーを低めに保ち、個別で株価の調整が起こっている銘柄の調査、一段安になったら投資ウエートを引き上げる銘柄といった次の一手を積極的に指せる準備をしておくに限る。


太田忠の縦横無尽 2009.9.16

「9月は株式市場にとって鬼門の月」

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