ようやく花粉症の季節は終了したが
私の天敵である「ヒノキ」花粉の季節がようやく終わった。
しかしながら、いまだに外出時にはマスクをしたままだ。
新型インフルエンザのみならず(日本の患者数は着実に増えているのにすっかり話題にのぼらなくなった)、旧型インフルエンザ、変種型インフルエンザ、ほこり・粉塵・排気ガス・・・等々から身を守るためマスクは手放せない。
本来ならば6月の後半からはマスクをはずし、11月の終わりくらいまでは身軽な生活をしている。すなわち、1年のうち半年はマスクいらずで、残りの半年はマスクをした生活だ。だが、本来は花粉症の時期だけマスクをしていたが、12月に入ってからもマスクをするようになった。これは5年前に電車の中でインフルエンザをうつされたからだ。
子供の頃にもインフルエンザになった記憶はほとんどない。だから、風邪のちょっとひどいやつ、というくらいの認識しかなかった。だが、いざ自分がインフルエンザにかかってみると、とんでもなかった。喉の奥が彫刻刀でえぐられたような激痛が走り、熱も40度近くにまで上昇し、起き上がると「フラフラ」と頭が左右に揺れ、まるで夢遊病者のような状態になってしまった。これはただごとではない、と近くの病院に駆け込んだのだが、運悪くインフルエンザの反応が出なかったのだ。風邪薬をもらったのだが、そんなのが効くはずがない。翌朝耐えられずに、妻の運転で山王病院へ行くと「インフルエンザのA型ですね」とようやく認定され、タミフルを渡された。これが劇的に効き、翌日には平熱に下がり、体調もほぼ問題なくなるくらいに回復した。
季節を問わずマスクをつけていて驚くのが、外気の汚れのひどさだ。1週間も同じマスクをつけていると、マスクの外側の繊維の表面が黒っぽくなっていくのがよくわかる。それだけ空気は汚れているということであり、フィルターがなければそのまま肺に吸い込んでいるということだ。ヘビースモーカーで亡くなった人の肺を臨床解剖してみると、肺の内部が真っ黒になっているというのを聞いたことがあるが、別にタバコを吸わなくても、排気ガスの濃度の濃い都会で何十年も生活をしていれば、かなり汚れているに違いない。
新型インフルエンザが日本でも大きな話題になった時、道行く人たちや電車の中でマスクをしている人たちがほとんどいないのに驚き(私の住んでいる東京都内において)、「あんなに大騒ぎしているのに、危機意識が薄いんじゃないか」と妻に言うと、「そうじゃなくて、今マスクがどこも売り切れていて、マスクをしたくてもできないのよ」と返された。「本当にそうかなあ」と思いつつ、あちこちのドラッグストアを覗いてみたが、どこもかしこも売り切れだった。
そして、ようやく今日、近所のドラッグストアでシャンプーを買ったついでにマスク売り場を見ると、大量にあるではないか。手持ちのマスクはまだ10枚ほど残ってたのだが、いざという時に備えて20枚買い足した。買いたくても買えなかった人は、いまがチャンスですぞ。
太田忠の縦横無尽 2009.6.24
「ようやく花粉症の季節は終了したが」