マイ・フェイバリット・シングズ by 太田忠ピアノトリオ | 太田忠の縦横無尽

マイ・フェイバリット・シングズ by 太田忠ピアノトリオ

5月31日(日)に高田馬場のカフェ・コットン・クラブにおいて、Jazzyland Festivalがおこなわれ、『マイ・フェイバリット・シングズ(My Favorite Things:私のお気に入り)』にてピアノトリオで演奏をおこなった。


太田忠の縦横無尽-太田忠のジャズピアノ演奏動画 1 0905



YouTubeによる演奏動画はこちら ↓

      『マイ・フェイバリット・シングズ 』

     2009/5/31 at カフェ・コットン・クラブ

    (p)太田忠、(b)是安則克、(ds)楠本卓司


ジャズを知っている人ならば、マイ・フェイバリット・シングズでまず思い浮かぶのが、ジョン・コルトレーンの1960年10月21日にニューヨークのアトランティック・スタジオでレコーディングされた名演奏だろう。ピアノにマッコイ・タイナー、ベースがスティーブ・デイビス、ドラムがエルビン・ジョーンズというメンバーで、コルトレーンが朴訥かつ直線的にして芯の強いソプラノサックスを奏でる。イントロの部分は一度聴いたら忘れられない。「心に眠っている何かを呼びさます」力を持っている。


マイ・フェイバリット・シングズはもともとは『サウンド・オブ・ミュージック』の中の1曲であり、誰もが知っている「ドレミのうた」や「エーデルワイス」などと一緒に収められている。


ジャズを知らなくて、『マイ・フェイバリット・シングズ』なんて曲名を聞いたことがない、という人も実はこの曲はよく知っている。なぜならば、有名なCMに使われているからだ。


JR東海の「そうだ、京都行こう」のバックミュージックに流れているのが『マイ・フェイバリット・シングズ』で、ちょうどサビの部分が使われている。この曲自体の歌詞は「雨にぬれたバラ、子猫のひげ、ピカピカの銅のやかん、暖かいウールの手袋、茶色の紙包み、クリーム色の子馬、ドアの呼び鈴、そりの鈴…」と自分の好きなものをただ列挙していく、という他愛のないものだが、曲のメロディーは大いに「旅情」を感じさせるものであり、あのCMにはピッタリで、そのチョイスはなかなかのセンスだといえる。だが、この曲に対する私の従来のイメージも崩れることになり、この曲を聴くと「京都の曲だ」という弊害が出てきてしまった。


ジャズマンも好んで取り上げる曲であるが(サックス奏者ならば、必ずレパートリーの1曲だろう)、ピアノトリオによるCDはあまり見かけない。演奏動画を見ていただければ、こんな感じになるという雰囲気がお分かりになるかと思う。


曲はイントロ( | Em7 | A△7/E | Bm7/E | C♯m7/E | の繰り返し)→テーマ→アドリブと続くが、アドリブはテーマのコード進行どおりに進んでおらず、テーマの最初の16小節を1コーラスとして何度も繰り返す形を取っている。なお、テーマ→アドリブへの橋渡しとして次のような8小節を加えてアクセントを持たせた。ピアノを演奏される方への参考のために記しておくと、

| G6 | Fadd9/G | E♭△7/G | Fadd9/G |

| G6 | Fadd9/G | E♭△7/G | B7(♯9) |

となる。同じくこのコード進行はエンディングのところでも活用しており、最後の2小節だけ| G7(♯9) | Gadd9 |と変化して終わる。


ところで、このライブには金融業界の古くからの友人である藤野英人さん(藤野さんのブログはこちらも駆けつけてくれ、お花をいただいた。ピアノを弾いて花をもらう、なんていうのは生まれて初めての経験で、音楽仲間たちにも羨ましがられ、まことに気分のいい一日だった。


太田忠の縦横無尽-太田忠のジャズピアノ演奏動画 2 0905


太田忠の縦横無尽 2009.6.19

「マイ・フェイバリット・シングズ by 太田忠ピアノトリオ」

         **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**