新型コロナ感染症とアップデートのすすめ。 | Tempo rubato
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TVシリーズ『呪術廻戦』 放送完了。応援ありがとうございました!

 

『劇場版 呪術廻戦 0』今冬劇場公開決定!

 

 

お楽しみに!

 

                  

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考え方や意識を改め、更新していくことを「アップデートする」と言われることが増えています。

最近ですと、SDGs(エス・ディー・ジーズ)に伴って広がっているようです。

SDGsとは「持続可能な開発目標」のことで、自然環境の保全、格差や貧困の解消、ジェンダー平等の実現など17項目あり、リベラルな視線に重点が置かれているのが特徴です。

 

 

国土条件や宗教、政治体制や経済条件が異なる世界各国を「ひとつの方法」でまとめることは可能ではないと考えますが、大きな目標としてのSDGsには賛同できることが多々あります。

 

考え方や意識を改めていくことは、COVID-19の長期化によって益々重要になっており、前々回前回に書いたことの軸になっているのも、考え方や意識を改めること、更新していくこと、アップデートしていくことなのです。

 

 

日本語(やまとことば)はものごとを短く表現するのが苦手な言語でして、昔から中国(当時の王朝)文化を輸入して、熟語や故事成語を借用したり漢字を借りて造語してきました。「更新」もそうです。明治以降はカタカナ語の活用も増えてきて、現代では、映画のタイトルも読みをカタカナにしただけのものが増えているように、漢字熟語よりカタカナ語のほうが響きやすくなっている。「アップデートする」もその流れにあるわけです。

カタカナ語は語源にあたらないと意味が逸れてしまうし、理解したつもりになりやすい弊害があることに注意が必要です。「アップデート」はコンピューター用語で長いこと使われており、人の頭の中をあたかもプログラムを書き換えるがごとく更新できるような気になってしまわないか、懸念するわけです。そう簡単に行かないから、世界中の善良な人々が苦心しており、SDGsのように共有可能な目標が議論されているのでしょう。

 

「更新」とは

新しいものにあらためること。また、あらたまること。「記録を__する」(大辞林第三版)

 

「アップデート」とは

コンピューターで、ファイルに記録されているデータを新しい内容に変えること。更新。(同上)

 

「更新」では、つづく語釈に、契約が満期に達して消滅してしまわないように引き継ぐことや、成長した木を伐採して新しく植林することもあげられている。「更新」「アップデート」とは、根底から全く変えてしまうのではなく、過去を生かし、土台を継承しながら改めていくことが、ことばの背後にあるわけです。

 

そう意識した上で、アップデートしていく必要性を書いていきましょう。

 

学術的なエビデンス(証拠、証言)は次第に積み重ねられています。

 

SARS-CoV-2というウイルスと COVID-19という感染症

さて、SARS-CoV-2およびCOVID-19被害は、1年3ヶ月前から次々情報がアップデートされ、捉え方や対処方法もアップデートの必要性が常に迫られています。

 

日本の感染状況はどうなのか。

「感染者数は諸外国に比べれば見えないほど少ない」と言う言論人がいますが、東アジアおよび太平洋州16カ国で100万人当たりの感染者数は6位、同死者数は3位です。もっとも、194カ国中で見ても30位台に入っているので決して少ないとは言えません。

死者数は阪神淡路大震災をとうに超えており、1万人を超えた現在、このままでは東日本大震災より多くなってしまうと懸念します。

そんな状況なのに、「遅い・弱い・長い」これまで通りの対策方針で良いと言える人は無責任だと思う。

 

最新の研究報告等がどうなっているのか、改めて確認してみたい。

 

従来型のSARS-CoV-2は、感染者数の多い国で変異株が発現して新たな感染状況に移行しています。変異株は一般に、英国型、南アフリカ型、インド型など国名で言われますが、国名と結びつけた表現は感染が広がるとともに無意味となり、(「武漢ウイルス」とか)政治的な色付けに使われるので避けたい。

現在日本に流入して広がっているのは「E484K」と「N501Y」変異株です。4月末にかけてN501Yに置き換わりつつあり、東京都では去年までの従来株は1割を切ろうとしています。

 

感染力の強化、従来株に通用したワクチンが効かなくなる可能性。感染状況が軽めだったアジア諸国の免疫力に対抗し得る可能性が指摘される「L452R」の登場など、変異株の増加に伴う意識のアップデートが必要です。

 

 

インド変異株とは、L452R・L452Qのことです。

 

《研究チームは「HLA―A24は東アジア人に多く(日本人の6割が持つ白血球の型)、カリフォルニア州は米国で最もアジア人が多い。L452R変異はアジア人の免疫から逃れるために発現したとも仮定できる」と指摘する。》

まだ確定的ではありませんが、軽視できない仮説です。

 

パンデミックでは過去の映画が指摘したことが、その通りだったと引用されますよね。

『ジュラシック・パーク』のイアン・マルコム博士が述べた「生き物は道を探し出す」もそうです。環境や状況の変化に対応または対抗し、自身を変異させて生きる道を見つけ出していく。自然科学で得られた知見に基づいたセリフです。SARS-CoV-2も同じだった。

 

ウイルスが伝播する方法は絞られてきています。

 

SARS-CoV-2の空中伝播を支持する10の科学的理由

Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2  原文英語

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673621008692

《感染性ウイルスが主に空中浮遊している場合、感染者が息を吐いたり、話したり、叫んだり、歌ったり、くしゃみをしたり、咳をしたりするときに発生するエアロゾルを吸い込むと、感染する可能性があります。》

 

飛沫感染に加えて、エアロゾル感染もすでに定説と言って良いでしょう。

微小な粒子に付着したウイルスがある程度の距離と時間 空気中に浮遊しており、それを吸い込むと感染する。空気が入れ換わらない環境下では飛沫が飛ぶ距離だけ確保すれば大丈夫といった意識は不十分です。マスクは完璧ではないので、装着していても感染する可能性はある。

触ったものを介して感染する接触感染は研究によってやや相違があるようですが、注意が必要です。

一方で、風通しの良い屋外や、換気の良い室内環境をつくれば、感染状況が抑えられている条件で平時に近い生活を実現できます。

 

SARS-CoV-2の名が知られる前、中国武漢市で広がった頃にはわからなかったウイルスの挙動や感染症の危険性は相当程度わかってきています。国ごとの感染者数や死亡者数と比較するのではなく、日本の被害状況を観察する必要があります。5月3日00時現在の累計感染者数は604,679人で、死亡者は10,386人です。「日本の感染者数は諸外国に比べれば見えないほど少ない」「流行が起きているとも言えない」と公言した藤井聡教授(に代表される軽視論者)の見解は、被害を無視するものです。まだ大丈夫と言っているうちに取り返しのつかない事態になるのは歴史上繰り返された教訓であって、映画でも繰り返し語られたことですよね。

情報の更新と第2波発生で意識をアップデートするチャンスがあったにもかかわらず、自己主張を変えなかった人たちは無責任です。

 

アジア系でも欧米並みに被害を拡大しかねない変異株の拡大を抑えなければならない。

 

アップデートしよう。

SARS-CoV-2は危険なウイルスであり、COVID-19は軽視できる感染症ではない。

 

街の人出と感染動向の相関性

日本では特に無視されがちなのが、人出との相関性です。

街の人出と感染動向の相関性も検証が重ねられてきました。日本ではストレートに報道されないので発見が遅れましたが、ちゃんと研究されていた。

 

Agoop 人流密度と新規感染者数推移の 相関性解析 (東京都)

https://corporate-web.agoop.net/pdf/covid-19/agoop_analysis_coronavirus_infection.pdf

《以下の1-1および1-2の時系列比較から、両者の時間推移に遅延相関がみられることを確認しました。》

1−1:都心部への人出による人口密度

1−2:新型コロナウィルス感染症への新規感染者数

 

日本でのCOVID-19発生に対する2回目の緊急事態宣言の影響

Effects of the second emergency status declaration for the COVID-19 outbreak in Japan  原文英語

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.12.29.20248977v3.full.pdf

論文では、実効再生産数に影響する原因を、季節性(温度・湿度)、人の移動性、イベント中止、休校休業などに区分して検証している。

季節性は、影響あり。ただ、湿度の影響はないと考えて良さそうだ。

人の移動性は、影響あり。

としている。

全体的な人の移動性に埋もれてしまうため、「Gotoトラベル」のような特定の政策に対しては、影響あったともなかったとも言えない、ということ。人出を減らせば感染者数も減るという実態を否定するものではありません。

 

 

モビリティ(人流、街の人出)は毎週の症例の増加を強力かつ一貫して予測し、2021年春までSARS-CoV-2を制御するには低レベルのモビリティが必要です。

 

感染を制御し得る人出量との観測された人出量のギャップを検証。このギャップが大きくなると感染拡大が引き起こされる。

 

ウイルスは人と人の接近接触、エアロゾルによって広がる。これが基本です。

 

人出を減らすことに消極的な言論人は、よくこういうことを主張します。

「話す時にマスクをすれば会食しても大丈夫だ」

これは医学的に推奨できるものではないそうです。

 

 

『「患者さんの部屋に入れば、絶対にマスクを触るな」と指導された。私は、この教えを守り、後輩にも伝えてきた。これが医療界の常識だろう。』

 

手術室での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策ガイド 第 2 版

https://www.jona.gr.jp/COVID-19_20200512.pdf

マスクを触る行為については書かれていませんが、手術室で外すことは想定されておらず、触るのは捨てる時、さらに顔を触らないよう指示している。

マスクを付けたり外したりすれば、付着したウイルスが空中に舞ったり手に付く可能性があるし、顔を触ってしまいます。手術室は一般的な生活空間とは違いますが、リスクが高い行為と考えたほうが良い。

会食の邪魔になるマスクに細心の注意を払うのは不可能だと思う。

 

個々の場所、個々の行動によって感染リスクは様々です。しかし、感染拡大が起きてしまった時に、リスクの高いところを重点的に…という方法はうまくいっていません。感染者数が増え始めたら、全体的に行動制限しなければ効果は薄い。なぜなら、感染者増加は約2週間前の行動の結果だからです。まず「早く・強く」対策を行い、十分感染抑制できたところでリスクの低いところから緩和していく、というのが理にかなっている。「早く・強く」おこなえば、強い対策は短くできます。

日本の「遅く・弱く」の対策のせいでダラダラと引き延ばされ、いつ終わるともわからない自粛状況を招いているのです。感染状況も経済状況も悪くなる一方でしょう?

 

日本でも諸外国でも、街の人出が増えれば感染者数が増え、街の人出が減れば感染者数が減る。基本に忠実な研究結果が得られている。

人出との相関性を無視してコロナ対策を論じることは不可能です。

 

アップデートしよう。

感染拡大を抑止するには人出の増加を抑えなければならない。

 

自粛が主流の日本に存在するメリットとデメリット

この項目は学術的なエビデンスがありません。

歴史関係や心理学的な考察から得たことと、ボク自身の観察から得たことです。

 

おそらく日本に特徴的な現象ですが、危機が迫ると誰かに命令されなくても「みづからつつしむ」。頼まれることなく「自粛」を開始するのです。

仁徳天皇の「民の竈」や津波被害を防止した「稲むらの火」など、徳政や自然災害に関する逸話など、この視点で考え直すと納得がいくものがある。または、災害に際しても行列を崩さないことや略奪等に走らない国民性とも符合します。

日本政府のコロナ対策は、日本人の自粛力を更に強化してほしいと要請するものが柱になっています。

街の人出データと感染確認者数のデータを引き合わせると、これまでのよっつの波に共通して、感染拡大が起こると自粛要請よりも前に人出が減っています。第1波が最も顕著でしたが、つづくみっつの波でも同じことが起きています。そのメリットは、諸外国よりも感染者数を少なく抑える効果として表れていると考えます。この点が、ロックダウンを柱に人出を減らしている諸外国との大きな違いです。

 

デメリットは、自粛行動は人それぞれの価値観に頼るため、自粛の程度が違うと軋轢を生んでしまいます。自然災害は発災そのものは数分から数日で収まるものがほとんどで、災害復興期は生活を再生する前向きな意識が働きますので「耐える」意識から解放されていきます。自粛は短期間しのげば終わっていく。しかし、コロナ禍で要求される自粛は数週間から数ヶ月におよび、慢性的な自粛感はすでに1年3ヶ月におよんでいる。未体験な先の見えない長期自粛には絶えられないため、自粛力は次第に衰え、「自粛しなくても良いんだ」という楽観論に飛びつく人たちが増えていき、日本独自の防疫力が低下してきていると考えられます。

 

政治家も国民も自粛に慣れ親しんできたため、制限措置を嫌うのも日本人の特質でしょう。これもデメリットになってしまいます。

また、律令や憲法が実質一度も改正されたかった歴史的事実が示すように、日本人は一度決めたことを変更するのを嫌います。アップデートが苦手なのです。自らおこなう自粛は自分でやめられますが、誰かに決められたことは未来永劫変わらないと思い込んでしまうようなのです。

ですから、制限措置も一度許してしまえば終わらない、いつでもやられてしまうと思い込む。

このデメリットを自覚しないと、未体験の非常事態には対処できません。

 

 

長期的な視点が要求される政治家は、日本人の特質をつかんで対策をおこなう必要があった。

つまり、自粛力に依存するのではなく、補助手段として活用するに留める、といったように。

諸外国の対策には日本で活用できるものもあります。

日本では強力なロックダウンをおこなうことは法的にできません。ならば、できる範囲を検討し、特措法で限定的に制限を強化するなどの議論が早くから必要だった。国民が自粛する前に制限措置を発動し、自粛力との共同で感染状況を早く抑えれば、耐える期間は短くなります。自粛発動より早く制限措置を実行しなければ効果は出なくなるという教訓がありますし、また、制限を先に出しておけば、自粛の仕方で軋轢が生じることも抑えられるでしょう。決まりを守る日本人の特質を活用するのです。

重要なのは、自粛力を活用すれば制限措置は諸外国より軽く押さえられる、ということです。

 

同時に、生活や企業経営にかかる影響は、財政支援の継続的な実行で埋め合わせる。こちらも、諸外国の政策を参考にできます。

 

 

支援は一度だけではなく、制限措置をしている間継続されます。1月から4ヶ月ほどつづいたロックダウン中にも8割の所得補償があったはずです。

イギリスもアメリカもEUも、非常事態に対処するために財政赤字の積み増しを容認しています。平時の決め事を変えようとしないのは日本だけなのです。

 

通貨発行権を活用した徹底的な財政支援。行政の責任を明確にした制限措置。加えて、国民の正常な自粛力の活用で制限措置は諸外国より軽度で済む。対策は「早く・強く・短く」です。

この議論が去年5月までにできていたら、第2波以降は起きてもずっと小さく、対策は短く済み、ほとんどの期間、平時に近い自由な生活がおくれた可能性があったのです。過去を教訓に意識をアップデートすれば、これからを改善できる余地はあると考えます。
 

アップデートしよう。

日本人の特質にあるメリットとデメリットを自覚して対策を考える。

 

 

制限措置と給付と補償はパッケージでおこなわねば効果が上がりません。

日本は世界一財政力がありますから、本当は世界一手厚い支援ができるのです。

自国通貨を持ち生産能力の高い日本は財政破綻しません。政府支出を税金で返す必要もありません。

 

アップデートしよう。

日本政府は財政支援を徹底的にやることができる。

 

 

日本の政治家には、権力保持の自己保身や小遣い稼ぎ程度の小悪党はいますが、巨悪はあまりいません。強力なリーダーがいなくなり、小悪党が集まってしまったことが無意識的な巨悪を生み出している。そんな状況を作り出してしまった責任は国民にもあるのです。

 

アップデートしよう。

日本の政治を改善できるかは国民意識のアップデートにかかっています。

こんなに被害を長期化させた政治家は選挙で落としましょう。

間違いを改めない人たちからは離れましょう。

 

過去に話を聞き、現在の姿を知り、より良い未来を作っていこう。

 

 

 

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