日本のリベラルが望む政策を実現するには? | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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「ユーリ!!! on ICE 劇場版 : ICE ADOLESCENCE」 公開延期のお知らせ

https://yurionice.com/news/detail.php?id=1076218

 

“YURI!!! on ICE the movie : ICE ADOLESCENCE” Notice of release postponement

https://yurionice.com/en/news/detail.php?id=1076222

 

 

 

 

 

山本寛監督作品『薄暮』 6月21日より上映。

ボクは「朧月夜」を弾く場面を担当しました。

https://www.hakubo-movie.jp/

 

下北沢トリウッドでの舞台挨拶は「おかわり」があるかもしれません。情報をお待ち下さい。

 

10月4日より徳島県徳島市のufotableCINEMAにて公開決定!

https://twitter.com/Twilight_anime/status/1169946447476707328

 

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 ちょうど一ヶ月前に

 

「わたしたちの血税」という緊縛

https://ameblo.jp/tadashi-hiramatz/entry-12508878358.html

 

 という記事を書きました。

 

 

 日本人が経済政策を間違ってしまう背景に、「わたしたちの血税」が政治権力をコントロールする大切なものなのだ、という意識があるのではないか、という考えです。

 「財源は税収の範囲で決まっている」と思い込み、財政問題があると思い込み、

 「無駄な公共事業は削れ!」

 「公務員の給与を削れ!人員も削れ!」

 「政治家を減らせ!」

 「政府支出拡大は利権政治の温床だからダメだ!」

 「国債発行を許せば戦争する国になるからダメだ!」

 「民営化で政府を小さくしろ!」

 「グローバル化で開かれた国を!」

 …などなど、デフレ転落を実現し、国民貧困化と格差拡大の20年を固定化した数々のスローガンを生み出した。全て悪い結果しか生み出していないのです。

 

 「わたしたちの血税」で政治権力に対抗した結果、自分たちの首を絞めている。

 しかし、「財源は税収ではない」という事実を受け入れてしまえば、政治権力に対抗する武器を失ってしまう。それは嫌だ! という悪循環…。

 

 

 アメリカで現代貨幣理論〈MMT〉が活発に議論されている背景には、低インフレと高失業率があります。

 金融経済の膨張で株式配当などを受け取る一部富裕層にばかり有利な経済政策を改めよ、ということで、政府に国民への投資(財政拡大)を求めるのはアメリカ市民の当然の権利である、と。

 なので、MMTは民主党リベラリストが中心になって強く訴えています。

 

 民主党の若手アレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏やベテランで若者に支持されたバーニー・サンダース氏などリベラル政治家がMMTを支持するのは、国家・政府が国民のために役割を果たすべきだ、との考え方に則っています。

 

 同じくリベラルな考え方を持つ平川克美教授の解説でも同じことが書かれています。

 

実録!「連帯保証人」になってわかったMMTの本質

会社を畳んで考えた「貨幣とは負債である」(東洋経済オンライン)

https://toyokeizai.net/articles/-/302585

《経済格差や、差別や、失業を、個人の問題ではなく、社会の瑕疵(かし)であると考えている彼らは、自分たちが何を主張し、どんな政策を実行すべきかについて、明確なヴィジョンを持っており、左派は本来的に何を言うべきなのかに関して、ほとんど迷いがないということである。》

 

 「社会の瑕疵である」。つまり、国民に選ばれた政治家で構成する政府の瑕疵…欠点である、という意味での「社会」ですね。個人の問題ではなく、さらに国家・政府を悪者にして済む問題でもなく、自分たち国民が改めるべきことなのだと。

 

 平川氏はつづけてこう書きます。

 

《一方、日本のリベラル政治家は、実現したい目的は同じでも、自分たちが何を言うべきなのかについて、所信があるのか疑わしく思うことがある。

例えば、社会保障の充実や、企業に対する累進課税や資産課税、教育や医療の無償化のような主張をしても、「それは理想だが、財源はどうするのかね」「財政赤字は借金のツケを将来先送りしているだけじゃないか」「ハイパーインフレになったらどうするんだ」と言われるとつい口ごもってしまうことになる。

だからグランドデザインを提示できず、年金問題や、緊縮財政といった単独のテーマでしか、政府与党に迫ることができない。》

 

 このブログで繰り返し書いているように、政府与党も野党も、緊縮思考なのです。

 

 政府与党も野党も一致して「わたしたちの血税」感覚なのですよ。

 

 なぜ、アメリカではリベラルが国民のために政府は財政拡大せよと言えるのか。ジョブ・ギャランティ・プログラム(JGP)に代表されるリベラルらしい政策があるが、これは政府が支出して最低賃金で雇用をし、景気が良くなったところで民間企業へと移っていけるようにする就労支援政策だ。日本では、生産年齢人口比率の低下で失業率が下がっているため雇用そのものは問題になっていない。問題なのは、賃金と労働の質なのです。MMTが示す事実を活用すれば、賃金上昇と労働の質を高めるよう日本に適した経済政策を模索することができるはずなのです。

 

 ところが、日本では、政府与党はもちろん、野党でもMMTは真剣に議論されないどころか、批判・否定する議員のほうが多い現実がある。むしろ、自民党政治家のほうが早くから注目し、安藤裕議員の勉強会では中野剛志氏や三橋貴明氏、藤井聡教授や青木泰樹教授を招いてMMTの政策活用を熱心に議論している。議論しているだけでなく、首相に提言する行動力も示している。

 野党の方は、早川氏が指摘するような社会福祉政策や消費税問題を、言いはするものの、結局は「財源は税収の範囲で決まっている」で雲散霧消、むしろ政府の緊縮政策を後押しして国民貧困化・格差拡大を手助けしており、「わたしたちの血税」感覚で支出を抑えさせる始末だ。

 

 

 アメリカのリベラルがMMTを提唱する理由。

 日本のリベラルがMMTを採用しない理由。

 

 その違いはなにか。

 

 飛躍に思えるかもしれないが、それは、国の成り立ちの違いだと考えます。

 

 ほとんどすべて国々は、戦争や革命で、または戦争を越えて国境を形成し独立した国々です。

 ほとんどすべての国々は、国民が国家を作ったのです。

 ですから、政治家や政府、政党に対して激しい論争をし、時には暴力的なデモにまで発展することがあったとしても、国家を否定する国民市民は基本的に、いない。少数のアナーキストが存在しはしても支持されない。

 政治の問題は、自分たちの問題だと考える。だから、日常会話で政治の話は当たり前。

 諸外国で国旗が重視されるのは、政治思想や政党の違いを超えた国家を愛しているからです。

 

 対して日本のリベラルには、国家否定の意識が強い。国旗・国歌へのアレルギーも強い。

 これは、日本という国が国民の手で作られていないことと関係があると思う。

 海に隔てられ、大陸列強の支配を受けず、半ば自然に成立した世にも稀な国家日本。

 だから国家のありがたみがわからず、「反国家」と「反政府」を同一視してしまう。

 政治の問題は、自分たちとは関係ないと考える。だから、日常会話で政治話を嫌がる。

 愛国? なにそれ怖い……

 

 その結果どうなるか?

 

 国家・政府が支出を拡大する、国債発行する、そんな政策を許せば国家権力を増長させてしまう! 予算をジャブジャブ使って騙し、国民を支配する独裁政治を許すことになる!!!

 

 いかがでしょう。

 日本のリベラルが異口同音言ってきたことでしょう?

 

 別に、日本のいわゆる保守を支持なんてしませんけどね。

右派やいわゆる保守の方は裏返しなだけで同じです。「愛国」と「愛政府」を同一視しているのだ。最初に書いたスローガンを実行してる安倍政権を批判できないんですから、同じでしょ?

ただ、まだしも国家を意識しているこちらのほうが、現実を直視できれば正しい経済政策に近づくわけですよ。

 

 というわけで、国家の成り立ちが国や政府への意識の違いにもなっている。

 しかし、国や政府の役割は、どの国でも同じはずだ。国民の安定的で豊かな生活を司ること…経世済民です。

 

 

 日本国民がアメリカ人のような国家意識を持つことは不可能ですし、持つ必要はありません。

 

 しかし、日本が採用している政治制度は、欧米諸外国に倣ったものなのだ。

 だからこそ、日本人に諸外国のような国家意識が ない ことを自覚する必要がある。

 

 国家否定を前提にした意識では、現代政治システムは機能しないのです。

 

 目的を達成するツールは、MMTでも、以前からの財政拡大論でも、何でも良いのです。

 

 基本中の基本

 「財源は税収ではない」。政府支出拡大、国債発行で問題ないのだ、と知ることです。

 「わたしたちの血税」感覚も改めましょう。

 

 そうすれば、日本のリベラルが望むことも実現できるのです。

 

 

 

中野剛志さんの新刊 基本中の基本がわかる本。

 

 

藤井聡教授の新刊 成長するための土壌を再創造しよう。

 

佐藤健志さんの近著 それでも国家を否定したい人のための本。

 

 

 

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