タピオカブームと安倍政権と小泉進次郎 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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「ユーリ!!! on ICE 劇場版 : ICE ADOLESCENCE」 公開延期のお知らせ

https://yurionice.com/news/detail.php?id=1076218

 

“YURI!!! on ICE the movie : ICE ADOLESCENCE” Notice of release postponement

https://yurionice.com/en/news/detail.php?id=1076222

 

 

 

 

 

山本寛監督作品『薄暮』 6月21日より上映。

ボクは「朧月夜」を弾く場面を担当しました。

https://www.hakubo-movie.jp/

 

下北沢トリウッドでの舞台挨拶は「おかわり」があるかもしれません。情報をお待ち下さい。

 

10月4日より徳島県徳島市のufotableCINEMAにて公開決定!

https://twitter.com/Twilight_anime/status/1169946447476707328

 

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 タピオカブームというものを耳にして、即座に思い出したのはナタデココブームでした。

 

 タピオカドリンク専門店があちこちに増えている様子を見るに、ナタデココブームより加熱してる感じがしますがどうでしょう。

 タピオカは原価が安く、お店や企業にとっても「おいしい」商品のようだ。デフレ時代にぴったりハマったのかもしれませんね。

 

 嗜好品のひとつなので特に問題視することもないのでは? と甘く見てはいけません。

 

 1990年代初頭、ファミリーレストランの新メニューをきっかけにナタデココ商品が大ブームになった。ココナツ原料の加工品で、原産国のフィリピンでは日本の商社からの発注急増に応えるため、森林を切り開いて農地や工場を拡大した。しかし、供給体制が整った頃に日本のナタデココブームは終了。作った農地も工場も大半が作り損になってしまい、多額の負債を抱えた農家には借金苦で自殺者まで出たという。

 

 日本の一過性のブームが他国民に迷惑をかけた。

 

 タピオカでも似た状況になりつつある。

 

 タピオカはキャッサバ芋が原料で、タイ、マレーシアからの輸入が多いそう。

 タピオカの輸入量は、2019年7月までの統計で前年1年間の倍に急増したという。

 

空前の「タピオカドリンク」ブーム、原材料の輸入急増で人気裏付け

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-29/PWZKCVDWRGG401

 

 タイやマレーシアでは、日本のブームに対応すべく増産体制を整えているでしょう。 

 ただ、タピオカの場合は人工の代替物も容易らしいので、国産で代替するものが増えれば、ナタデココ被害ほどにはならない可能性もあります。デフレ状況では、原価を安く抑えてバリバリ売れるなら何でも良い…となりやすい。「今だけカネだけ自分だけ」の世の中だ。

 

 

 さて、タピオカってそんなに良いものなんだろうか?

 

 ナタデココは食感がおもしろくて何度か食べたことがありますが、タピオカはありません。元来、甘いお菓子はほとんど食しませんし…。

 何人かの若い女性(ボクの仲良しにはタピオカにハマってる人がいないのですが…)に聞くと、「うまいとこのはうまい」んだそうです。まー味がどうとかはあんまり意味がないのかもしれませんね。問題になっているのは「インスタ映え」で、様々なタピオカドリンクを購入して写真を投稿、その後はほとんど飲まずに捨ててしまう人がいるのだそう。みんな がやってるわけじゃなく一部の人なんだと思います。

 ボクの世代だと「仮面ライダースナック」を思い出すでしょう。ライダーカードほしさに買ってお菓子は捨ててしまう子供が問題になりました。ナタデココブームの時もインターネットはまだ普及していなかった。ネットのない時代でも似たようなことが何度もあったわけで、お菓子やその他の対象物が悪いわけではなく、ネットのせい、とも言えません。

 

 一過性のブームに湧くのは、ブームの内側にいることで安心する心理、があるのでしょう。

 こればっかりは経済状態とは関連の薄い社会心理学的な出来事なのだと思いますが、21世紀の問題としては、弊害が多岐にわたりますので、目くじら立てる人がいるのも理解できる。

 タピオカドリンクに特有のカップは一般のゴミ箱の投入口よりも大きいため、無理に捨てると入り口を塞いでしまいます。案外丈夫なので押し込むのは大変。ボクも閉口した(…)ことがあって、タピオカドリンク用のを引っ張り出して横に置いたことが何度かあります。

 ゴミ箱に入れることすらせず、ポイ捨てする人が増えているようです。

 

タピオカゴミ、渋谷でポイ捨て急増…写真だけ撮り8割残す人も

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12213-20190917-50122/

 

 こうなると完全にタピオカに罪はないですよね。

 プラスティック製品を減らす動きが世界的に高まっている背景もあって、タピオカそのものとは別に、ゴミ問題にも発展している。

 

 ライダースナック問題は分別のない子供がしでかしたことでしたが、今や大の大人が子供のような幼稚な状態にあるんでしょうかね。

 嗜好品の流行り廃りにいちいち目くじら立てるのもどうかと思いますけど、以前は論争に発展していがみ合うことなんてなかったと思うんですが…。

 

 過去何度も一過性のブームで弊害を生み出した経験を持ちながら、その教訓を生かせないのはなぜなのか。

 経済状態…つまりデフレとの関連で考えれば、「今だけカネだけ自分だけ」の連鎖が起きてるように思えます。一過性のブームで他国民に悪影響を与え、ゴミの分別はすっかり定着しているにもかかわらずポイ捨てをする人が増え、自分さえ心地良ければ良いのだと構え、ブームに水をさすような意見は排除・攻撃する…。

 ブームの対象は変わっても、中身は変わらず、状況は悪化の一途。

 

 ああ…、ここ20年の政治とまんま同じですね。

 

 景気悪化・貧困化・格差拡大の悪影響が確実な消費増税を強行する安倍政権。

 賃金低下や社会の分断を生じること確実な移民受入れ拡大策を進める安倍政権。

 多発する自然災害が防災減災の不備によって関連被害が拡大長期化傾向にあるにもかかかわらず、立法された国土強靭化を5年間も放置、ようやく予算をつけたと思いきや3年限定たったの7兆円、という殺人的な安倍政権。

 そんな安倍政権の支持率が5割を越えているという信じがたい現実。

 ゆるやかなブームが終わらない。

 

 安倍政権だけが悪いんじゃありません。デフレ転落を準備した大平内閣時代から橋本内閣で決定的にし、小泉純一郎内閣が現在までの緊縮デフレを固定化。民主党政権は名前を変えて継続。安倍政権は国民貧困化政策の集大成だ。30年の積み重ねがある。これだけ長い間、原因がわかっている失敗を重ねてきたにもかかわらず、教訓を生かせない。

 もはや、結果の善し悪しは関係なく、長期安定であれば良い、ということなのでしょう。

 「安倍さんよくやってるじゃないか」と口にしてしまった人は、もはや批判で水をさすことができなくなっている。ブームと同じです。

 

 今回の内閣大改造で言えば、小泉進次郎氏はタピオカですね。日テレ・読売共同世論調査によれば、69%が好評価だそうです。

9月定例 https://www.ntv.co.jp/yoron/

 

 進次郎氏の発言には良さげな雰囲気ばかりで中身が全くない。

 正しく、今を映す政治家じゃありませんか。

 

 

 「誰が」でなく「中身で」考えよう。

 

 

中野剛志さんの新刊 中身を鍛えられる本。

 

 

藤井聡教授の新刊 成長するための土壌を再創造しよう。

 

佐藤健志さんの近著 元を正すことはしんどいことなのだとわかる本。

 

 

 

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