10%への消費税増税・軽減策で負担は相殺できる…? | Tempo rubato

Tempo rubato

アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


テーマ:


人気ブログランキング ポチッとな。

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………………………………………………………

 

 

今年10月。予定通り消費税が10%に増税される。

 

もし、この予定が変更されるとしたら、「国民が」ではなく「政府が」リーマンショック級だと認識するような出来事があった場合です。

それってなんでしょう?

米中または米朝戦争勃発?

静岡から九州にかけての南海トラフ巨大地震?関東直下型大地震?

日本経済が大打撃を受ける世界恐慌?

どれも起きてほしくないものばかりなので、だったら粛々と消費増税されるほうがマシ、という気分にすらなりますね。

しかし、政府のこれまでの説明からすると、そんな壊滅的な事が起こっても「だから消費増税が必要だ」と言いかねません。

 

熱心な安倍政権支持派は、「アベノミクスで景気は良くなった」と考えているわけですから、「アベノミクスの成功により増税環境が整った」と説明する安倍首相に反対できません。

中でも経済通は、政局談義や中韓批判にあけくれ、「政府財務省 リフレ派を掌上に運らす」といった体で、増税をサポートすることになった。

上手ですね。

 

一方

1989年の消費税導入時から一次データやこれまでの国内および海外の経済動向を観察し、経済政策の歴史的実績かつ現代貨幣理論〈MMT〉を活用しての具体的なデフレ脱却策さらに経済成長へと改善する具体策を提言しつづけてきた有識者とその賛同者は少数であり、政策転換を実現するに至らなかった。

 

加えて、各社世論調査では、消費増税への賛否は反対が上回ってはいたものの、内閣支持率は50%を超えるものもあり、政策転換の必要はないと判断されたと考えられます。

増税込みの予算は決まっているし、消費増税を選挙の争点にする必要もないわけです。

 

というわけで、

よほど壊滅的なことがあっても、10%への消費増税は確実だと考えざるを得ない。

 

もし万が一、増税が中止されるようなことがあれば、とりあえず高評価いたしましょう。

 

消費税率の改正とは

さて

今回の消費増税とはどういうものか再確認してみましょう。

 

消費税法改正のお知らせ(国税庁 平成28年4月_11月改訂版)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/h28kaisei.pdf

 

よくわかる 消費税 軽減税率制度(国税庁 平成30年7月)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0018006-112.pdf

  • 標準税率→10%
  • 軽減税率→8%
  • 軽減税率対象品目:新聞・飲食料品、テイクアウト・宅配等、老人ホーム等で行う飲食料品の提供

軽減税率対象品は、基本的に購入した人が加工して自宅で提供する飲食品、ということですね。

料理人が来て調理提供するケータリングは含まれず10%。

外食、テイクアウト・宅配・出前も10%になります。

 

衣服や書籍、家具家財、文房具、娯楽サービスなどなどは、標準課税10%になります。

映画料金は、1995年くらいから1800円で横ばいだったのが、増税に先行して100円値上げして1900円(一般)になりました。これまでの消費増税では割引料金の引上げのみで耐えてきた映画館業界も、ついに値上げに転じたわけです。

 

 

家計への負担増は

標準課税10%への増税で、+5.7兆円程度。

増税済みのタバコや所得税分、+0.6兆円程度。

軽減税率対象品で、ー1.1兆円程度。

合計で、5.2兆円程度になります。

 

 

これに、負担軽減策が乗ります。

 

消費税率引上げに伴う対応(茂木議員提出資料 平成30年12月20日)

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/1220/shiryo_02.pdf


幼児教育無償化・社会保障支援、診療報酬補填に、3.2兆円程度。(恒久措置)

さらに

ポイント還元など+住宅ローン減税などで、2.3兆円程度。(臨時および時限措置)

 

これを合計すると5.5兆円程度になるため、消費増税負担5.2兆円を相殺しておつりが来る、とのことです。

 

この想定は、増税で消費が減らない、または減らさせない ことを前提にしています。

 

こういうのを、机上の空論 と言うんでしょうね。

 

増税されて消費を増やす人はいない

自宅で調理加工する飲食品以外のもの、外食、衣服や書籍、家具家財、文房具、娯楽サービスなどなどは10%に増税される。しかしそれ以外は8%据え置きだ…

と考えた上で

「ポイント還元や幼児教育無償化や社会保障充実、住宅ローン減税(あとなんだっけ)などで増税負担分は相殺されるはずだから、10%になったらどんどん買い物するぞ!」

…なんて人、何人いるんでしょうね。

これまで通りの消費行動を変えない人だって、何人いるんでしょう。

しかも

ポイント還元などや住宅ローン減税などは臨時・時限措置で半年から1年で終わります。

2.3兆円の負担軽減策は1年後に全て終わり、2兆円分の負担がのしかかります。

 

何度も書いていますが、8%増税の消費縮小効果は恒久的に被害を出しています。

 

増税後に消費縮小した場合(縮小するでしょう)、負担軽減効果は想定通りには効きません。

 

主流派経済学は、全ての消費者は全ての商品知識を等しく常に持っている「経済人」を前提にして理論や数式モデルを組み立てます。

そうすると、上記の様な政府方針「机上の空論」が出来上がるわけです。

すばらしいですね(棒)。

 

 

総務省家計調査に基づいて共産党しんぶん赤旗が作ったグラフによると

8%増税後に2人以上世帯で年間約20万円消費を減らしています。

 

2人以上世帯数は約3507万5千世帯。

https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/final/pdf/01-12.pdf

 

200,000×35,075,000=7,015,000,000 

約70億円のマイナスです。

8%時と同程度の消費減があったとして、負担軽減策は想定の3分の2くらいに減じるでしょう。

3.5兆円とすれば、1.7兆分の負担増が増税開始とともにのしかかることになります。

 

17,000,000,000,000÷35,075,000=484,700  

2人以上世帯で約48万5千円の負担増です。

実際には、もうこれ以上削れないほど消費を削っている家庭も多いでしょうから、半分の24万円だとしても、相当な景気悪化効果を発揮すると考えられます。

 

1年後にはプラス2兆円分の負担増ですから・・・もう計算するのめんどくさいよ!

 

現実を考慮すれば、甘めの想定でも10%増税の負担は激重の可能性が大きい。

 

麻生財相は、増税後の反動減による混乱を念頭に、駆け込み消費が起きていないことを「良いこと」のように述べていた。

単に、所得が伸びない状況で、(外的要因で)物価上昇したため頑張っても消費を増やせないだけ、だろうと思う。

つまり

(去年予想した通り)駆け込み消費もなく、ただ消費を減らすだけに、なるだろう。

ただただ、景気は悪化する一途、というわけです。

 

負担軽減策は、効果なしと考えざるを得ません。

 

 

政権支持派の主流派経済学者や政治家は、政府想定を擁護して消費税の影響は限定的とか、悪影響は一時的で景気回復に向かうとか言っていましたが、現実には景気悪化がつづいています。

これに、米中貿易戦争やイギリスのEU離脱による混乱が加わって、来年にかけて海外景気が減速すると見込まれています。

すでに輸出減少が景気を悪化させた上、政治人災によって輸出以上に輸入が減った。

国家規模で消費ができなくなっている貧困国日本。

その上

オリンピック後には決まって景気後退が起きますから増税後2年以上の景気悪化があり得る。

 

そんな状況で、景気悪化するとわかっている消費増税を行い、机上の空論で対策は万全だと強弁する。

 

このまま本当に増税してしまうのか。

まるで、火事で燃え盛る火の中に灯油をかぶって「大丈夫だぜ!」と突っ込んでいく人を見るような気分です。

全く信じられませんが、その人はボクらを縄で縛り付けて火の中に引き込むのです。

 

嫌ぢゃ!

 

最悪に直面し、ようやく行動を起こせるかもしれない…

増税後の景気悪化を重く見て景気対策費を増やす提言もあります。

しかし

政府は現状の対策で乗越えられると予算も組んでしまいましたから、被害が出るまで動かないでしょう。被害が出て動けばマシな方です。

 

まだ少数派とはいえ与野党の内部には消費税反対論が増えています。

財政拡大を強く主張する政治家は、自民党内にも二人。賛同する政治家もいる。

野党にも何人か存在します。

現代貨幣理論〈MMT〉の好影響も広がる兆しがある。

増税後の景気悪化で、政府与党の信用が失墜し、変わろうとしない自民党や既成政党に嫌気が差した政治家たちが、経済成長を実現する新党を結成すれば、状況は好転するかもしれない。

 

こりゃ、ジェットコースターに乗って針穴に糸を通すような希望ですわ。

 

そんな微小な希望でも、世論の盛り上がりさえあれば実現可能性が出てきます。

 

 

増税して大丈夫なのか?

緊縮財政は害しかなかったんじゃないのか?

改革・規制緩和・グローバル化は格差を拡大させたんじゃないのか?

政府の役割はこれで良いのか?

 

そんな疑問を持っているみなさん

 

いつでも遅すぎることはありません。

基礎を学んで、発想を転換しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

https://reiwapivot.jp/

 

 

…………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 


人気ブログランキング