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考察板

・あーでもないこーでもないと考えるが好きで、気になった事を好きに書いていく。
・読み手がつくのかも不明。

以前から何度も話題にしている野崎まど作品の内、

『アムリタ』を読んだ。

 

135ページ程しかなかったので、2時間程度で読み切った。

面白い作品だったので、ひきこまれて一気に読み切ってしまった。

 

ページ数が少ないこともあるが、

一気に読み切るのは自分としては珍しい。

 

作品は映画をテーマに書かれているが、

実のところ主題は人間心理や人格・精神にある。

 

面白かったのだが、

読み終えると、少し寂しさを感じるような作品だった。

 

自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。

その映画は天才と噂される最原最早の監督作品だった。

彼女のコンテは二見を魅了し、恐るべきことに二日以上もの間読み続けさせてしまうほどであった。

二見はその後、自分が死んだ最原の恋人の代役であることを知るものの、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が先立ち、次第に撮影へとのめりこんでいく。 

しかし、映画が完成したとき、最原は謎の失踪を遂げる。ある医大生から最原の作る映像の秘密を知らされた二見は、彼女の本当の目的を推理し、それに挑もうとするが――。 

第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。


一見して映画をテーマに据えた青春物のようで途中感動させられそうになるが、
サイコな終わり方に正直ぞっとした。

これは人を選ぶ作品だと思う。

しかしSF好きの自分としては、
テーマの広大さは余りないものの、そのディストピア性は魅力的だ。

映画の恐ろしさは、第二次世界大戦中、
あのヒトラーが民衆をプロパガンダ映画で洗脳した事にも分かる。

映画は魔力を持っているのだ。
そこを上手く表現していたように思う。

そして単なる青春物で終わらせなかったところが良かった。

天才が天才たる所以。
緻密に計画を立て、ぞっとするような発想で以て物事を成し遂げる。

そこに妙味があったように思う。