チームの強化の姿勢について前回言及したので、今回、もう少し掘り下げてみることにしました。

 

最近、色々なオケージョンで”フロンターレらしいサッカー”と言うキーワードが出てくるようになったと感じています。しかも、そのイメージが個々人が勝手にイメージしたバラバラのものではなくて、みんなでこのキーワードを使うことによってある程度同じものを想起しているという感覚もあります。

 

現代サッカーが”アスリート・サッカー”に傾倒しつつあることへの反発なのか、昔は良かった、面白かったという懐古主義なのか、みんなが期待しているものが今のサッカーと対峙する、というと言い過ぎでしょうが、少なくとも流れに掉さすのではなく、流れに逆らう方向を期待している結果ではないかと考えます。

 

じゃあ、その”フロンターレらしいサッカー”を一度きちんと言語化するとどうなるんでしょうか?

私は、一つパターンや形にはまるようなものではなくて、見ていてワクワクする、ゲームを見た後に面白かった!と言えるサッカーが”フロンターレらしいサッカー”だと感じる部分なのですが、何故、ワクワクしたり、面白いと感じるかというと、こっちの予想を上回るプレーが出てくるからなんだと思います。この根底、つまりそういうプレーが出来るというところのベースになっているのは”止メル、蹴ル”という技術なのでしょうがそのもう一つ下の所に、相手に合わせて戦い方を変えるというところの戦略眼のようなものがあるように思います。

 

技術だけであれば、これまで補強した選手は皆、一定レベル以上の選手達で、直ぐにでもフィット出来そうなものですが、そこから先のところで、どのプレーを選択するかというところに”目が合わない”原因があるように思います。そう考えると山本選手の様に選択肢を持っている選手程、時間が掛かるというのも納得で、例えば持っているものが1つ2つなら選択に迷いもないでしょうが、10も20もあれば選ぶのも一苦労です。← 三浦選手の選択肢が少ないと言っている訳ではないですので(笑)

 

なので、そういったことを理解し実現出来る選手をきちんと補強していいるのかというと、そこの所は上手く行っているんだと思うんです。

竹内強化本部長が3カ月前にインタビューに答えた記事で、次の様に言っています

「サッカーの本質を見極めて、人を見る・相手を見る、それで自分たちでこうやれるっていう技術が一番大事」

「そこをやれるような選手、サッカーIQが高いっていうんですかね、そういうような選手たちを育てることが(大事)」

「ぶれずにやる、そこはある程度クラブとしても許容してあげないと、勝ち負けに一喜一憂してしまうのはちょっと違うかなとは思います」

これが、言葉だけなのか、ホントにその様に動くのかというところは、記事を読んだ当時は眉に唾つけながら読んでいたのですが(← 途中で結果を先ず求めるようになるんじゃないの?とか思っていました)

 

が、この夏の補強とタイミングを見ると、マネージメントとについても、オニさんがこういう”フロンターレらしいサッカー”を目指すということを許容した上で、それに合った選手を揃えるというところは十分出来ているように思えるので、前回のエントリーを書きました。

因みに、今回の移籍で、セサル・アイダル選手は大南選手の移籍とは無関係の文脈で獲得し、河原選手の獲得については瀬古選手の移籍を受けて動いたものとのことです。

 

私としては、選手が大幅に入れ替わってしまった今からもう一度”フロンターレらしいサッカー”を構築するには、何年掛かるか分からないので、例え既に6年監督を務めたオニさんであっても、それを任す以上は、2~3年のタイムスパンで考えるべきだいう意見を昨年のエントリーの中で挙げたんですが、それなりの覚悟は、マネージメントも持っていると言えるのではないかと思っています。

 

後は、何回もここで書いていますが、出て行った選手が帰ってくるタイミングで、もう一度獲れるかというところだと思います。

 

(今回引用した記事)