杜の都仙台の住人である我輩は。。。
住み慣れた仙台市を離れ、被害がほとんどなくライフラインの復旧も早かった山形県は天童市の実家に避難しております。

仙台市にいたときはとにかく情報不足で、被害の全容は分からなかったのですが、こちらに来て以降、連日テレビ報道で津波被災地の現状を知り、言葉もなく、気持ち悪くなるほどのショックを受けました。
地震前日の、地震発生の同時刻には、津波被害にあった多賀城市に仕事で行っておりました。
まさに一日違いで難を逃れたわけで、まるでおもちゃのミニカーのように路上に積み重なって転がっている車のニュース映像を見ると、背筋が凍る思いでした。

甚大な津波被害を受けた、若林区荒浜、名取市閖上、七ヶ浜町なども仕事やプライベートで何度も行ったことのある地域なのですが、どの町も素朴で風光明媚な海沿いの町でした。
町並みが跡形もなく破壊されたニュース映像を見ても、いまだに信じられません。。。


今年1月にも七ヶ浜町に仕事で行って、空いた時間に海岸の写真をとってきました。。。
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山形県は幸いにも被害はほとんどなかったのですが、物資は不足してます。
特に、ガソリン、灯油、乾電池、ガスボンベなどのエネルギー不足は深刻です。
今日は4時間近く待って、なんとかガソリン10リットルを給油できました。
残っていた分と合わせて、これで仙台まで往復できます。

給油後すぐに、仙台に残る友人の一人に電話をかけました。
他の仲間を通じて無事なのは確認してたのですが、震災後に言葉を交わすのは初めてです。
最初はお互いの無事を喜び、状況を報告しあい、何か不足してるものがあればそちらに届けると申し出たのですが、今のところはまだ大丈夫とのことでした。
近隣住民で物資を持ち寄って、肩を寄せ合いながら生活してるとのこと。


仙台市の中心部は比較的被害は少なく、大規模な建物倒壊などもありませんでしたし、死者もなく、ライフラインさえ復旧すればすぐにでも元の生活に戻れそうな気すらしてました。
今日確認したところでは、多くの地域で水道、電気が復旧し、店舗も時間は限られてはいるものの、営業再開してるとのことでした。
ただ、ガスの復旧には1ヶ月ほどかかる見込みらしく、まだまだ普段の生活には程遠い不便な生活が続いてるようです。
物資もガソリンも山形以上に不足してるようです。
でも友人の話だと、住民に悲壮感などほとんどないらしく、みな元気で、商店街を観光客さながらに笑顔で闊歩している人たちもいるそうです。


救援物資はあまり届いてないようでした。
救援物資はどうしても、連日報道されてるような津波被害の甚大な地域が優先です。
それは当然のことです。
市内で不便な生活を強いられている人たちも、そのことは納得しており、不満を口にする人はいないそうです。命が助かっただけでも有難いと。。。

我輩、本音を言えば、さっさと山形に避難したことに、すたこらさっさと自分だけ逃げてきたような後ろめたさを感じてました。
現地にとどまって何かできることがあったのではないかと。。。


しかし、「怪我や病状の軽い人で自分でなんとかできる人は、そうすることで、症状の重い人に医療品や設備をまわすことができる」という報道番組の医療関係のコメンテーターの話を聞いて、自分は幸いにも他県に避難場所があったわけで、そっちに避難することで、現地では一人分の食料、物資が浮くわけで、いわば、一人分の命の場所を現地に置いてきたと、自分に言い聞かせてます。

電話で話した友人にも「自分だけ逃げて、ぬくぬくしてるみたいで申し訳ない。すまねぇ」と胸の内を明かしましたが、友人は「そんなことないよ。そんな風には思うなよ。こっちにいないで済むならその方がいいんだから。落ち着いたらまた会おうぜ」と言ってくれました。
我輩は、震災後初めて、涙がポロポロとこぼれたのでした。


仙台市内中心部はライフラインの復旧は進んでるものの、ちょっと乱暴な言い方ですが、あとは自分でなんとかしてください、状態ですね。
今はまだなんとか持ち堪えてるようですが、今後は物質的な面、精神的な面で持久戦になりそうです。
前述したように政府自治体や企業の支援は、どうしても被害の大きな地域が優先です。
しかし、市内中心部や内陸部にも支援を必要としている人たちがたくさんいるわけで、公的支援が行き届くまでは、個人レベルで支援していくしかないのでは、と思ってます。
当然我輩も、今後はできることは何でもやる覚悟でいます。

我輩、えらそうなことを言える立場ではないのですが、震災を免れた地域に住んでいらっしゃる方には、とにかく普通に今までどおりに生活してほしいと思います。
元気に生活を送り、仕事もして、日本を元気にしてほしと思います。
それだけでもりっぱな支援だと思います。
そして、余裕のある方は、ささやかでも募金や義援金を送ってください。

最後になりましたが、震災の犠牲となった方々に、心よりお悔やみ申し上げます。

Hallelujah(ハレルヤ)