卒業式シーズン---その3--- | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

卒業式シーズン---その3---

※読んでいない人は---その1------その2--- からどうぞ



一昨年の秋……とある用事で母校の前を通りかかった。

運が良い事にその日は平日。


「たまには寄ってみるかな……知ってるまだ先生いるかな……」なんて軽い気持ちで寄ってみる事に……。


思い出してみると実に十数年ぶりだ。




私立だったせいもあり、先生の転勤はほとんど無く……

少し老けた見覚えのある顔が職員室のあちこちに座っていた。


そんな先生方を捕まえては、少しの時間……昔話に花を咲かせた。

「あんな事もあったね」「こんな事もあったね」……。

「いやぁアイツのイタズラは天下一品だった」「そうそうアイツは今、海外で仕事してるらしいぞ」なんて……。


小一時間程話して中庭に出た時……あの同好会の部室棟が目に入った。


「まだウチの同好会ってあるのかな?」


今では系列の女子高は、少し離れた別の場所に新しい校舎を建てて引っ越してしまっていた。

そういえば校舎内にも中庭にも、昔のちょっとした華やかさが無い。


10年ぶりに歩き慣れた部室への道を歩く。

あった。

昔のままだ。

「ガチャ……」






中で一人の学生が、足を投げ出して本を読んでいた。


タロウ     「あぁ……こんにちわ……。」

学生      「……こんにちわ……。」

タロウ     「ああ……そのままで………いやね……昔……この同好会にいたんでね……。」


キョロキョロと辺りを見回しながら話しかける。

中もほとんど昔のままだ……。


タロウ     「ちょっと見せてもらってもいいかな?」

学生      「あ……ああ……どうぞ。」


一枚の額。

その中には歴代の卒業生のスナップが所狭しと収められている。


タロウ     「あっ!!これっ!!……オレっ!!」

学生      「……本当ですね……。」

タロウ     「あはははは……恥かしいな……。」


などとやっていると、その横の壁に書かれた古い落書きを見つけた。




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卒業記念


井沢カズユキ


19□△年3月2日


来年こそ茜ちゃんにカレが出来ますように。

俺で良ければいつでもどうぞ!!


無理!!!!!

                            By茜


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あっ!!

井沢の落書きだ……。


消されずに十数年残っていたんだっ!!


そう言えばワタシも書いたっけ……。

えっと……。


タロウ     「ちょっとごめん。」


古くなったスチール製の本棚。

その一番下の棚のホコリを被った辞典を引っ張り出す。



覗き込む。




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卒業記念


山田タロウ


19□△年3月2日


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あった。


……………………ん?







その下に何か書いてある。











































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先輩の事、好きでした。

ラブラブなミサキさんがうらやましいですぅ~。


         By 今も片思いの茜

             19□△年3月3日


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はい?















































そんな大事な話は直接話さんかいっっっっ!!!















そして改めて日付を確認して愕然……。

なんとワタシが書いた翌日……。












































卒業式の日に確認しとけっっっっっ!!!!!!

俺っっっっっ!!!!!!!!!!!!!!












いやひょっとしたら……マジで人生変わってたかもしれない。


(おしまい)