ねぇ……サンタって本当にいるの?---その2--- | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

ねぇ……サンタって本当にいるの?---その2---

タロウ     「まず……サンタクロースは本当にいる。」

イチロウ    「嘘っ!?」


元々子供同士の会話の中で……「サンタは父さん」と言う前置きがある。

またすぐに疑われるであろう事は、覚悟の上である。


タロウ     「本当だよ……セント・ニコラウスって人だ。」

イチロウ    「生きてんの?」

タロウ     「いや……昔々の人だから……さすがに当の本人は生きて無いよ……。」

イチロウ    「やっぱり……。」


少々残念そうなイチロウ……。


タロウ     「その代わりに跡取りがいてな……

         何代目セント・ニコラウスって感じで引き継がれているんだよ。」

イチロウ    「ふ~~~~~ん……今何代目?」


中々のナイスツッコミ。

ナイス疑い。


タロウ     「さぁ……何代目だろ……10何代目ってところかな。」

イチロウ    「名前は?」

タロウ     「名前は『セント・ニコラウス』だろ……。」

イチロウ    「いや……そんなはず無いよ……何代目ならナントカ2世とか下の名前とかあるもん。」


更に中々のナイスツッコミ。


タロウ     「……確か………セント・ニコラウス・アイネクライネ・ナハトムジーク(適当)。」

イチロウ    「ふ~~~~ん。」


なんとか一時退避。


イチロウ    「どこに住んでるの?」

タロウ     「フィンランド。」


これは即答。


タロウ     「で……その今のセント・ニコラウスを筆頭に幹部サンタが数名いてな……

         その下に更にそれを補佐するサンタ会員がいてな……。」

イチロウ    「なんか会社みたいだね……。」

タロウ     「そうそう……『国際クリスマス&サンタクロース協会」って言うんだけど……。」

イチロウ    「本当かな……。」


また、少々疑いだした。


タロウ     「本当……本当……International Christmas & Santa Claus association……

         略してICSCAって言うんだ……。」

イチロウ    「へぇ~~~~。」


子供は横文字に弱い。

実にもっともらしく横文字を並べると……すぐに疑いのバリアーは皆無となる。


タロウ     「で……そのICSCAの会員が世界各国……勿論日本にも多数いるんだ……。」

イチロウ    「え~~~~っ!!そうなのっ!?」

タロウ     「そうだよ。」

イチロウ    「で……誰が……どんな人が会員なのよ?」


この質問が来ることも想定済みである。


タロウ     「あ~~~それはわかんない。」

イチロウ    「どうして?」

タロウ     「会員が誰かって事は……サンタ会員同士でもわかんないんだ……。」

イチロウ    「どうしてよ?」

タロウ     「会員が誰かって事が分かっちゃうと……

         子供がその会員の人の前だけで『良い子』にしちゃう可能性があるだろ。」

イチロウ    「ふ~~~~~む……。」


もう少し丁寧に説明する。


タロウ     「末端のサンタ会員は日本国内にも10万から20万人くらいいるんだ……。」

イチロウ    「え~~~~っ!!すっげー数じゃんっ!!」


子供は「万」とか「億」とかの単位に弱い。


タロウ     「そうだよ。……でも誰がその会員で誰が会員じゃ無いかは分からない。」

イチロウ    「ふ~~~~~ん。」

タロウ     「その会員が日常生活や学校生活で子供一人一人をチェックして……

         プレゼントをあげてもいいか査定してフィンランドの本部に連絡してるのさ。」

イチロウ    「ふ~~~~~ん。」

タロウ     「だから……いついかなる場合でも『良い子』にしてないと

         プレゼントが貰えないって仕組みなの。」

イチロウ    「なるほど……じゃあさ……じゃあさ……。」


楽勝である。


イチロウ    「プレゼントにトイズアーアスの保証書が付いてたりするのはどういう事なの?」

タロウ     「ああ……それか……。」


これも話をしながら想定済みである。


タロウ     「それは近所のサンタ会員の人がおもちゃ屋さんで買ってくるからだよ。」

イチロウ    「えっ?……おもちゃ屋で買ってくるの?」

タロウ     「そうだよ。」

イチロウ    「ソリで運ぶんじゃないの?」


不思議なところだけ信じているイチロウ……。


タロウ     「は………ははははは……ソリで運んでたのは……もう何十年も前の話だよ。」

イチロウ    「えっ?そうなの?」

タロウ     「ほら……今は昔と違って……おもちゃも多様になってきているし……

         物流網も発達してるだろ……コスト削減ってやつだよ……。」

イチロウ    「ふ~~~~~ん。」


どうにも腑に落ちない様子である。


タロウ     「いいか……国際サンタ協会には……本当は内緒だぞ……。」

イチロウ    「うん。」


「本当は内緒」魔法の言葉……。


タロウ     「世界各国の大きな企業が資金を出しているんだ……勿論日本も……。」

イチロウ    「ふ~~~~~ん。」

タロウ     「その中には車のトコタとかミッサンとか…おもちゃメーカーのバソダイとかトニーとか……。」

イチロウ    「ソミーは?……ニソテンドーは?」

タロウ     「ああ……勿論、勿論……。」

イチロウ    「で?……で?」

タロウ     「物流のクロヌコとかサガフとか……。」

イチロウ    「で?……で?」

タロウ     「まぁ……ちょっと言い難いんだけど……

         その辺に『大人のしがらみ』みたいなものもあってさ。」

イチロウ    「で?……で?」

タロウ     「だからできるだけ……既存の物流やら商店を利用しましょうって流れなわけさ……。」

イチロウ    「ふ~~~~~~ん。」


とりあえずまとめてみる。


タロウ     「だいたい分かったか?」

イチロウ    「だいたい分かった。」

タロウ     「じゃ質問するぞ。」

イチロウ    「うん。」


反復練習である。


タロウ     「サンタクロースはいるか?」

イチロウ    「何代目かしらんけど……いる。」

タロウ     「サンタの査定は誰がしてるか知ってるか?」

イチロウ    「近所にいるかもしれないサンタ会員。」

タロウ     「サンタ協会の運営資金はどこから出てるか知ってるか?」

イチロウ    「いろんな会社。」

タロウ     「おもちゃにトイズアーアスの保証書が付いているわけは?」

イチロウ    「お近くのサンタ会員が買ってくるから。」

タロウ     「ま~~~~だいたいOKだな……絶対に内緒だぞ。」

イチロウ    「わかった。」


更に補足。


タロウ     「あ……だから最近は……煙突の無い家でもマンションでもプレゼントが届くんだぞ……。」

イチロウ    「クロヌコが持ってくるわけね……大人のしがらみで……。」

タロウ     「そうそう……そういう事。」


少し考えた後……イチロウが質問する。


イチロウ    「ところでさ……サンタ会員が誰かわからないのに……

          どうやって子供の欲しいプレゼントがわかるのさ?」

タロウ     「ん?」

イチロウ    「だってそうでしょ……例えば父さんがボクから欲しいものを聞き出したとしても……

         それをどうやってサンタ協会のサンタ会員に伝えてるのさ?」


困った……。

自分で詳しく説明しすぎて墓穴である。


悟られまいとしながら……必死でうまい回答を探す。


タロウ     「あ~~~~~。それは~~~~~~……インターネット……。」

イチロウ    「え?」

タロウ     「ほら……時期近くなると……子供のユーザー名とパスワードが送られてくるわけよ……

         メールで……父さんに。」

イチロウ    「パソコン無い人は?」

タロウ     「あ~~~~~~~ケータイ……。……ケータイ持ってない人は今時そうおらんでしょ。」

イチロウ    「無い人もいるよ……無い人は?世界にはパソコンもケータイ無い国もあるよ……きっと。」

タロウ     「う~~~~~~。………日本では少なくとも……そういうシステム。」


無理無理ごまかす。


タロウ     「ケータイも無い人は………近くのコンビニのATMからか……郵便局だな。」

イチロウ    「ふ~~~~~~~ん………じゃあ見せてよ……サンタ協会からのメール。」


ついに証拠調べまで発展である。


タロウ     「……あ~~~~~~いいよ……いいけど……これ見せちゃうと……

         今年からサンタのプレゼントがなくなるけど……いいの???」

イチロウ    「え?」

タロウ     「だって本当は……16歳以上じゃないと教えちゃダメなんだから……。」

イチロウ    「……………。」

タロウ     「どうする?」

イチロウ    「………やめとく……。」


ここで捨て身の情報公開を突きつけられたらアウトであった。


イチロウ    「サンタ協会の話はわかったよ……父さん。」

タロウ     「そうか……内緒だぞ。」

イチロウ    「内緒ね。……16歳まで。」

タロウ     「ああ……。」







その晩。

ご飯を食べながら……。


イチロウ    「ねぇ……母さん。」

ユミコ     「なに?」

イチロウ    「母さん……サンタ協会からプレゼントが貰えるとしたら……なにがいい?」

ユミコ     「サンタ協会?サンタじゃなくて???」


ユミコとイチロウに目で合図を送るワタシ……。


イチロウ    「協会……じゃなくて……サンタ……。」

ユミコ     「はぁ……はいはい……サンタね……。」


双方理解した様子である。


イチロウ    「母さんはプレゼントなにがいい?」

ユミコ     「そうねぇ~~~~。」


少し考えると……。


ユミコ     「たまには父さんと二人だけで……静かにクリスマスディナーかな……。」

イチロウ    「えっ???」

ユミコ     「毎年家でクリスマスパーティーも大変なのよ……。

         今年はバアちゃんのところにあんた達……泊まってくれないかな?」

イチロウ    「え~~~~っ!!そりゃダメだよっ!!プレゼントが着かないじゃんっ!!!」





独りの人も……二人の人も……家族の人も……I wish you have a very merry Christmas!!