車中 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

車中

車を取ってガヌトへ向かう。

こっちも少々テンションが上がっている。


なにせ「親父さん」の嘘八百で一旦騙されそうになっている。

更にリクエストにお答えして「店の外」に出たにもかかわらず……更に場所移動である。


戦いの場が5分の間に「市街地」「ビル群」「山」へと変わる「タタカイ戦隊ナグルンジャー」さながらである。


気を取り直して「さて……どうやって畳んでくれよう。」とイメージトレーニングである。


基本に立ち返ろう。


まず……川畑の思考回路は「法律」が基本となっている節がある。

そしてワタシの思考回路は「世間様」が基本となっている。


この違いは大きい。


そして「まぁいいじゃないか」って基準が川畑には無い様子である。

ONかOFFしかスイッチが無いと言う事であろう。


法律的に言えば


例えば……「駐車違反」……


確かに路上駐車はいけない事だが「メシ喰う間くらい良いじゃんか」がワタシの判断である。

だがこれもれっきとした道路交通法違反である。


次に……「信号無視」……


これも確かに道路交通法違反だが……夜中の2時に走って1秒、歩いて3秒の5~6歩で渡れる信号を

「律儀に守っている方がどうかしてる」ってのがワタシの見解である。


逆に世間様回路で考える。


例えば……「騒音」……


近所にあって邪魔臭い問題ではあるが……夜の10時まではOKであろう……。

毎日で無いなら尚更である。

たまのドンチャン騒ぎくらいは仕方が無い。

それを過ぎても大音響なら「ちょっと静かにお願いできませんか?」の電話を一本であろう。


法律思考なら、デシベル計って即通報の判断であろう。


……次に……「ゴミ当番」……


これもまた邪魔臭い問題ではあるが……町内で円滑にやっていく為には避けては通れない仕事であろう。

ワタシなんか去年、インフルエンザの最中でもフラフラしながら笑顔でゴミ当番をやっていた。


法律のみの思考なら「いつもいつでもゴミ当番やらない」ってのもアリであろう。




そう……この「ネコ裁判」の「いきなり裁判」なんてのは、その典型みたいなものである。


「法律でOKならば何をやっても許される。」

「法律で罰してなければ何をやっても許される。」

この論点で話をしていては埒が明かないし進展も無い。


なのでまずは川畑の「法律思考」を完璧なまでに叩き壊してから「世間様」を説かなくてはならない。

本来ならば「世間様」で、なんともならない時の為の「法律」なのだとワタシは思っているのであるが……。


先程「居酒屋カワバッタ」の前で川畑の勢いで出た法律論の半分は粉々にしてやった。

もう一仕事した後で、ミッションQに至った経緯とその事情説明をしてやろう。


決して川畑を虐めるわけではない。

いきなり裁判する事の無謀さと訴えられた側の迷惑さを……わかってくれれば良いのである。


方針は決まった。


カーステレオのスイッチを入れる。

好きなジョンボビでも聴いて、少々気分転換でもしよう……。


「♪♪♪♪♪~~~」


ん……このイントロ違う……。

こんな軽いノリの曲は聴いたことが無いぞ……。


「タッタカタッタッター♪♪♪ショコ♪ショコ♪ショコ♪ショコ♪ショコタ~~~~ンタン♪」


……………。


イチコのMHKカラー全開のお子様ソングが流れる……。


「まじか……。」


いつの間にかワタシのジョンボビは入れ替えられていた……。

車の中の見える範囲を探しても見つからない……。


夕方5時過ぎ……ショコタンタンを掛けながら走る黒のアストロ……。

かなり間抜けな光景である。


外に音が漏れていなくても……なんとなく恥ずかしいものである。



以下次号。