電話弁護士相談---その2--- | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

電話弁護士相談---その2---

弁護士    「う~~~~ん……。」


渋った返事の様子。


弁護士    「先程も申した様に、裁判を起こす権利は誰でも持っています。」

タロウ     「ええ……。」

弁護士    「そして裁判の結果によって原告が多大な負担を逆に背負うと言う事は、

         訴訟を起こし難くなると言うことに繋がります。」

タロウ     「わかります。」

弁護士    「つまり敗訴したからと言って敗訴側が勝訴側の弁護士費用や

         訴訟での確定費用以上のものを負担しなくてはならない判決が出るようでしたら……

         企業や国を相手にした訴訟を起こせなくなってしまいます。」

タロウ     「ええ……わかります。」

弁護士    「ですから、もしあなたがそのような訴訟を起こしても……裁判所が認める可能性は……。」

タロウ     「なるほど……。」

弁護士    「ただ……今回のように謂れの無い訴訟でしたら……認められる可能性もあるでしょう……。」


微妙らしい。


弁護士    「『裁判自体を利用した嫌がらせ』という形に取られる可能性もありますから……。」

タロウ     「なるほど……。」

弁護士    「ただ……そうすると、それを立証する責任が発生しますよ……。」

タロウ     「ふむ……。」

弁護士    「そこまでして……10万程を取り返す価値があるかどうかですね……。」


弁護士さんは結局、金銭基準の損得勘定で物事を判断する様子である。

まぁ……裁判所ですら名誉を金銭で片付けるので仕方が無い。


そもそも全ての物事を金銭に換算しないといけないと言うこと自体が……世知辛いと思うのであるが……。


タロウ     「取れるかどうかわからなくても……訴訟を起こすことは可能でしょうか?」

弁護士    「もちろんそれは可能でしょう。……裁判を起こす権利は誰にでもありますから……。」

タロウ     「わかりました。」

弁護士    「それと……もしあなたが訴訟を起こして負けたとしても……

         更に相手から、それに対して裁判を起こすと言う事は無いでしょうね……。

         なにせ発端は向こうですから。」


それはそうである。

こちらが最初に「ケンカを売られた」わけであるから……。


それを始めてしまっては……まさに水掛け裁判である。


弁護士    「でもまぁ……あなたがいきなり訴訟を起こしたら……

         あなたも相手と同じようなランクになってしまいますから……。

         人間的に……それもつまらない話でしょう……。」


軽く説教。


タロウ     「そうですね……。」

弁護士    「ここはひとつ……腹の虫が収まらないとは思いますが……

         もう一歩高みに立ってグッと堪えてですね……。」


仰る事はごもっともである。

だが……それで腹の虫を収める程、出来た人間ではない。


タロウ     「相手に直接この旨の請求をする事は可能ですか?」
弁護士    「ええ……直接請求する事は自由です。」

タロウ     「そうですか……。」

弁護士    「ただ……そんな相手が素直に払うとは思えませんけどね……ハハハ……。」


それもごもっともである。


タロウ     「あと……もうひとつお聞きしたいんですが……。」

弁護士    「はい……。」

タロウ     「裁判というのは公開が原則ですよね?」

弁護士    「その通りです。……傍聴席が誰でも座れるように……公開が原則です。」

タロウ     「判決の結果が名誉毀損となることはありますか?」

弁護士    「それは無いです。」

ふむ………。

弁護士    「裁判で負けたからと言って、その結果が名誉を著しく落とす行為とはなりません。

         また、勝ったからと言って、名誉な事でも無いでしょう……。」

タロウ     「なるほど……。」

弁護士    「判決と言うのは……まさしく中立的な立場でのジャッジですから……

         それ自体が名誉毀損にはなりませんよ。」


結果は結果と言うことらしい。


タロウ     「では……裁判中の名誉毀損に当たる発言は?」

弁護士    「ふむ……度を過ぎた発言は名誉毀損や侮辱罪となる場合もありますよ。」

ほほぅ……。

タロウ     「法廷内での発言は公然ですか?」

弁護士    「公開ならば間違いなく公然です。」

「ネコすり替え」「ネコ責任逃れで届出」発言……。

これはなんとも名誉毀損に当たるであろう……。


ワタシが作為的に責任逃れをしようとしたような主張。

この責任はどう取ってもらおう。

タロウ     「判決内容の実名公開は可能ですか?」

弁護士    「ええ……基本的には可能です。……それが出来なければ公開が原則の

         裁判の定義が崩れますから……。」

タロウ     「そうですね……。」

弁護士    「それが出来なければ……国や病院を相手にした裁判の報道も出来ないでしょう……。」

タロウ     「なるほど……。」

弁護士    「まぁ……国や病院は公的なものと捉えられますが……

         個人の訴訟でも、訴訟としての定義は一緒ですので……。」
タロウ     「なるほど……。」

裁判は公開が原則。

肝に銘じなければならなかったであろう、この文言。

川畑は肝に銘じて提訴したのであろうか?



タロウ     「お忙しい中、ありがとうございました。」

弁護士    「いやぁ~~大変そうですが……頑張って下さい。」

タロウ     「はい……。」

弁護士    「それと……あまり深みにはまらずに……泥沼になってしまっては、

         あなたも相手と同じレベルですから……。」


再度のご忠告である。

感謝である。


タロウ     「わかりました。」

弁護士    「そういえば……似たような話がインターネットに乗っていましたよ……。

         ネコでいきなり隣人に提訴された人の話……。」


ウチか?

ウチの事か?


弁護士    「一度探してみるといいですよ。」

タロウ     「はい……。」


最後の最後でビックリした……。

ひょっとしたらワタシが山田タロウだって、途中からバレていたかもしれない……。


なにせ車の傷……関係の無い子供……いきなり裁判と条件は揃っている。


今思うと、判決後にメールをくれた「頼もしき読者」さんはこの弁護士さんだったんじゃないかと思う……。


世間は狭いものである。

いや……「ネット世界は」と言い換えたほうがいいかもしれない……。

                             電話その2 イラスト:

以下次号。