訴訟費用確定の手続き | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

訴訟費用確定の手続き

判決を聞いて一安心。

でもまだ気持ちは高ぶっている。


心躍らせ一階の「簡易裁判所受付センター」へ向かう。


整理券を取り、しばし待つ。


今日はそんなに混んではいない様子である。

案の定すぐに呼ばれた。



受付のおじさん……きっともうすぐ定年であろう……いや定年後の嘱託職員かもしれない。

そんな感じの人である。

愛想は良さそうだ。



おじさん    「こんにちは。今日はどうされました?」

タロウ     「こんにちは。今、判決が出たんですけどね……

         それで訴訟費用確定の手続きってやつを……。」

おじさん    「あ~~~はいはい。」


と言ってなにか用紙を取り出す。


おじさん    「ところで判決文は?判決正本。」

タロウ     「え?……あ……今、上(2階)で読み上げたところなんですよ……

         だからまだ貰ってません。」

おじさん    「あら……。」


ちょっと考えるおじさん……。


おじさん    「じゃあ……今日、判決言い渡しだったって事かな?」

タロウ     「そうです。」

おじさん    「そっか……じゃ……まだ確定していないわけですね……判決。」

タロウ     「ん?」


首を傾げるワタシ……。

その様子を見ておじさんが……


おじさん    「判決って言うのはね……まぁ……今日が言い渡しですよ。」

タロウ     「はぁ……。」

おじさん    「で……判決文ってのが2~3日で送られて来るから……その日から数えて2週間。」

タロウ     「はぁ……。」

おじさん    「控訴がされなかったら……それでやっと判決確定です。」

タロウ     「あら……。」


よくニュースなんかで

「判決が出ましたっ!!たった今!判決が出ましたっ!!被告は無罪です!!」

などと裁判所から走って出てきたレポーターが息荒げに報告する。


なので「判決言い渡し」が「判決が出る」であり「判決確定」であると思っていた。


………控訴………

控訴は次の段階であって、一旦この裁判はこの裁判で終了だと思っていた。
判決に不服がある場合に、次の裁判で改めて審議するものだと思っていた。


少々思い違いをしていた様子である。


タロウ     「と……言う事は……だいたい10月12日が判決確定って事?」
おじさん    「そうですね……すぐに特別送達で送りますから……。」


とカレンダーで確認する。


おじさん    「発送と受取の日付で多少前後しますね……多く見て15日として……。」


保険で多く見るおじさん


おじさん    「15日が土曜日ですので……17日の月曜あたりですね。確定は。」
タロウ     「はぁ……。」
おじさん    「土日が控訴期限になりますと……翌月曜までが控訴期限になりますから……。」
タロウ     「なるほど……。」

おじさん    「あと……控訴されたら費用確定は、上の裁判で判決確定後になりますよ。」

タロウ     「え……?」

おじさん    「だってそうでしょ……?判決がひっくり返ることもあるわけですから。」

タロウ     「ひっくり返ったら……それで確定したら……ひっくり返された人が一から負担ですか?」

おじさん    「そうですよ。」

タロウ     「はぁ……。」


じゃあ……今日はこれ以上出来ないではないか……。
ちょっぴりしょんぼりである。


そんな様子を察してか……
おじさんキョロキョロと周りを確認して……


おじさん    「せっかくいらしたんだし……待ってる人もいませんから……少々ご説明しますね。」


とニッコリ。


先程、取り出したA4の用紙をもう一度、カウンターの上に置き直して……。


おじさん    「ところで……あなたは原告?被告?」
タロウ     「被告です。」
おじさん    「で……判決は?」
タロウ     「原告の請求棄却で訴訟費用は原告負担です。」


ワタシ少々誇らしげである。


おじさん    「全額?」
タロウ     「はい。」
おじさん    「そうですか……。」


と……しげしげと用紙を確認する。


おじさん    「この用紙がですね……。」
タロウ     「はい……。」
おじさん    「原告が勝って被告が訴訟費用負担になった場合の用紙なんですよ……。」


と少々すまなさそう……。


タロウ     「あら……。」
おじさん    「ま……必要の無いところは書かなければ……良いだけですので……。」
タロウ     「被告が勝った用の用紙は無いんですか?」
おじさん    「う~~~~~ん……。」


と引き出しを探す。


おじさん    「無いですね……。」
タロウ     「あら……。」


「無い」と言う事は……あまり使わないからなのであろうか?
少々気になったので聞いてみた。


タロウ     「無いって言う事は……被告が勝って費用を請求するってケースは少ないんですか?」
おじさん    「う~~~ん……そうですね………無いことも無いんですが……

         だいたい原告が勝って請求ですね……。」
タロウ     「そうなんですか……。」


内心ビックリした。
「裁判って結構五分五分じゃないのか?」と……。


その表情を感じ取ってか……


おじさん    「ほら……裁判と言っても実際に紛争で使われるケース自体が少ないですから……。
         ほとんど9割が……借金とかの既にはっきりしてるケースばかりなんです。」
タロウ     「なるほど……。」


確かにワタシが法廷前の「今日の予定」を見る限りでは……「債権」に関しての裁判が9割であった。


要するに、金融会社が貸したお金を返してもらう為に「裁判所のお墨付き」を貰うのであろう。
その際には当然、借用書や契約書が存在するので……ほとんど争う必要が無い。
だから原告が9割以上勝訴して費用請求となるのであろう。


おじさん    「ちょっとこれを見ていただいて……。」


と用紙をワタシによく見えるように置く。



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計算書



□訴え提起手数料


□書類の作成および提出費用


□原告会社現在事項全部証明書交付手数料


□同取り寄せ費用


□被告会社履歴事項全部証明書交付手数料


□訴状副本および第一回口頭弁論期日呼出状等送達費用


□原告代理人出頭日当(第一回口頭弁論期日)


□原告代理人出頭旅費(第一回口頭弁論期日)


□判決正本送達費用

(以上の小計)


□訴訟費用確定処分正本送達費用

(以上の小計)



合計


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おじさん    「で……あなたは個人ですよね……?」
タロウ     「はい……。」
おじさん    「相手は?」
タロウ     「個人です。」
おじさん    「じゃ……これはいらないな……。」


と鉛筆で斜線を引いていく……。


おじさん    「被告だったよね?」
タロウ     「そうです。」
おじさん    「じゃ……これは訴訟提起の時に原告が負担してるから……いらないな……。」


と更に斜線を引いていく……。


おじさん    「訴状や準備書面の特別送達の郵送料も……原告負担だから……。」


と更に……。


おじさん    「あ……ちなみにこの切手代は先に原告が裁判所に納めてますから……。」


解説付き。
ありがたい。


おじさん    「とりあえず……こんな感じですね。」



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計算書



□訴え提起手数料


□書類の作成および提出費用


□原告会社現在事項全部証明書交付手数料


□同取り寄せ費用


□被告会社履歴事項全部証明書交付手数料


□訴状副本および第一回口頭弁論期日呼出状等送達費用


□原告代理人出頭日当(第一回口頭弁論期日)


□原告代理人出頭旅費(第一回口頭弁論期日)


□判決正本送達費用

(以上の小計)


□訴訟費用確定処分正本送達費用

(以上の小計)



合計



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あらあら……随分消されているではないか……。


おじさん    「あと原告って部分を被告に訂正すればOKだから……。」

タロウ     「はい。」


「原告代理人出頭日当」と「原告代理人出頭旅費」の事である。


おじさん    「じゃあ……規定に則って金額出していくからね。」

タロウ     「はい……お願いします。」

                               費用その1 イラスト:

以下次号。