第三回口頭弁論---その6---駐車場 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

第三回口頭弁論---その6---駐車場

タロウ     「原告提出の賃借契約書ですが……。」


と川畑の様子を確認。


タロウ     「これって駐車場の賃借契約書は無いんですか?」


ど真ん中ストレートである。


タロウ     「別に引越しの日が云々って関係ないですよね?駐車場が借りられた日が分かれば……。」

川畑      「……………。」


目が泳いでいる。

K-6 266MHZをフル稼働で考えている様子である。


困った川畑を見て裁判官


裁判官    「まぁ……その件に関しても……争う必要は無いと思いますので……いいでしょう……。」


と終わらせようとする。


川畑遅れて……。


川畑      「裁判官!……実はですね……。」


「実は……」などが通る世界ではない。

「隠し事はしない」と宣誓したではないか……。


川畑      「この駐車場は……前からちょっと借りていたものでありまして……。」


どうにも歯切れが悪い。


川畑      「ここの契約書はありません。」


無いわけが無いだろう……。

裁判官……不思議そうな目で川畑を見る。


川畑      「無いというか……契約書を提出しますと……2年前のものになります。」


はじめからそう言え。

そしてこう言え「被告の準備書面の通りです」と……。


裁判官    「…………。」


一瞬考える。


裁判官    「……まぁ……この件に関しては、争う必要も無いと思いますから、

         新たな書証の提出は必要無いでしょう……。」



やっぱり必要無いらしい。

そう言うとワタシに聞く。


裁判官    「被告いいですよね?」

タロウ     「ええ……結構です。」


ワタシは即答である。

裁判官……一瞬考えた後……。


裁判官    「被告……。まだありますか?」


と聞いてきた。


タロウ     「すいません。もう一つ。」


と資料をめくる。


タロウ     「この最後に出された原告準備書面の(3)ですが……。」


例の二択である。


タロウ     「これってどっちなんですか?……はっきりしてください!」

川畑      「…………。」


困る川畑……

裁判官割って入る。


裁判官    「まぁ……主張は主張ですので……自由にされてもいいと思いますが……。」

タロウ     「主張とは言え、推測の話をでっち上げられて問われるのは気分が悪いですよ!!」


とワタシ、裁判官に噛み付く。

ちょっとムッとする裁判官。


タロウ     「で……原告!これ……両方共に内容が違いますよね!?推察と取ってよろしいですか?」


しどろもどろな川畑


川畑      「どちらかの可能性があると述べたわけで……。」


「可能性」を「推察」と言う。

日本語をもう少し理解して頂きたい。


裁判官    「まぁ……被告……この件も争う事も無いと思うので……その辺でいいですか?」


裁判官、とにかく終わらせようと入る。

イッパイイッパイだ。


タロウ     「はい。裁判所が良いと言うのであれば…いいです。」

裁判官    「じゃ……進めますね……。」


押す時は押す。

引く時は引く。

何事にも共通した「惹きつけ」のテクニックである。


裁判官    「被告もういいですか?……他に何かありますか?」


最後にもう一度確認をし……。


タロウ     「ええ……以上です。」


無言の裁判官。

「もう終わって欲しい」と言う匂いプンプンである。


裁判官    「以上でよろしいですか?原告も……。」


と川畑を見る。


川畑      「あの……ちょっとだけ……。」


何か言うらしい……。

また「食べてます」だったらどうしよう……。


裁判官    「では……どうぞ……。」


川畑、ワタシの準備書面を取り出してページをめくる。


川畑      「えっとですね……被告の準備書面のですね……」

                              第三回その6 イラスト:

以下次号。