第三回口頭弁論---その3---開廷前 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

第三回口頭弁論---その3---開廷前

ちょっぴりリアルタイムでごたついて……記事が遅れて申し訳ない。


本音を書くと……


まだあの記事を書いた当時はこんなにメジャーになるとは思ってませんでした。

なにせアメブロランキングの中でも4桁と5桁の間をウロウロしていました。

すみません!!


                ……というところである。

すみません。



さて気を取り直して本編を書く事にする。

乞うご期待である。




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法廷前には5人位の長椅子が2脚ある。

そこに座って独りで裁判記録を見ながらシミュレーションしてみる。


シミュレーション……。

読者様からの指摘があったが「シュミレーション」でも「シミュレーション」良いらしい。


そんな事も考えながら裁判記録を見る。


また「食べてます」だよ。

と…今朝言ったユミコの言葉が脳裏をかすめたりする。


しかし今回……どんな手で来るかは分からない……

自分なりに完璧な返しワザを練っておく。



…………。



今日の裁判日程をチェックする若い男が一人……。

ウロウロしている。


時間は4時10分前……。


「ひょっとしてブログの読者か?」と思い……思い切って声をかける。


タロウ     「あのー。」

男の人    「はい?」

タロウ     「………ネコですか?」

男の人    「ネコです……。」


おぉ~~~!!

まさか本当に傍聴に来てくれる人がいるとは思っても見なかった。

なにせネットの世界の話である。

「話は半分、実行は5%」とタカを括っていた。


男の人    「タロウさんですか?」

タロウ     「そうです。ワタシがタロウです。」

男の人    「おぉーーー!!」


感激している様子である。

そして握手を求められる。


応じるワタシ……かなり照れくさい。


タロウ     「いやー。まさか本当に傍聴に来る人がいるとは思わなかったよ。」

男の人    「もう…今日、一発勝負で来ました。」


男である。


男の人    「日時ずらしていなかったんですね……。」

タロウ     「そうなんですよ……。」

男の人    「思い切った事しますね……。」

タロウ     「いやーーー。」


ここで本音をぶちまける。


タロウ     「最近さ……ブログの中と実際の日付がごっちゃになっちゃたりしちゃってさ……。」

男の人    「ほう……。」

タロウ     「だから、過去の事は微妙に日時をずらして書いたりしてるんだけどね……

         未来の事は、ずらすと……どっちが本当の日時かわかんなくなってくるんですよ……。」

男の人    「ははは……。」

タロウ     「それこそ裁判をブッチしかねないから……。」

男の人    「そりゃ大変だ……。」


などと話をしていると……もう一人若い学生風の男の人が同じように掲示板を見ている……。

不安そうにキョロキョロして何か尋ねたそうな視線をこっちに送っていたので……。


タロウ     「ネコですか?」


と聞いてみる。


学生風    「そうです。」

タロウ     「タロウです。」

学生風    「ああーーー!いつも読んでます!!」


学生風……満面の笑みに変わる。


ワタシを挟んで両脇に傍聴に来てくれた読者さん。

裁判直前だというのに何故か盛り上がる。


タロウ     「じゃあ……実際の裁判資料とか見る?」

二人      「いいんですかっ!?」

タロウ     「いいですよ……写真とかありますし……。」

男の人    「大丈夫なんですか?」

タロウ     「大丈夫も何も……身分証明さえ出せば……そこの書記官室で誰でも閲覧できますよ。」


本当である。

「裁判は公開」であるがゆえに、裁判資料は開廷される裁判所に行けば誰でも閲覧自由である。

それが「公開」である。


逆に言うと「公開」したくなければ「非公開」の申請をすればいいし、そもそも裁判自体しなければいい。

裁判にするという事は「にっちもさっちもいかないから公の判断を仰ぐ」と言う事なのである。


原告も、もう少しお勉強をするべきであった。

ネットで丸2日くらい裁判関係のHOWTOを探せば、いくらでも知恵はついたであろうに……。


男の人    「へぇ~~。」


資料と書証の写真を見ながら関心の様子。


学生風    「ほとんど実話のまんまですね……。」

タロウ     「そうですよ。」


ちょっぴりすまなさそうに男の人……。


男の人    「聞きにくい事なんですが……逆に変えてある所ってどこですか?

         読者としては、すごく気になるんですが……。」

タロウ     「えっとですね……。」


包み隠さずに話す。

傍聴にまで来られた人に隠し事をしても仕方がない。

それは失礼というものである。


タロウ     「一番大きな『変えてある所』はにゃん太かなぁ……。」

男の人    「写真にあります?」

タロウ     「ああ……これ……。」

男の人    「ああ……このネコですか。」


実際の「にゃん太」は……実は白と黒のネコである。

ただ……該当ネコは白7割の黒3割であるが、にゃん太は白2割の黒8割である。

ほとんど黒猫である。

違いは一目瞭然である。


タロウ     「ブログ始めて、ネコの説明する段階になってさ……

         該当ネコがシロクロでウチのにゃん太がクロシロでは……

         不必要な混乱を招くでしょ……だから、昔飼ってたロシアンブルーにしちゃったんです

         ……すいません……。」

男の人    「なるほど……本筋とは関係無いからOKですよ。」


さらに補足する。


タロウ     「あ……!川畑の『いいネコだから代えた』発言はマジですから……。」

男の人    「ははは……。」



………更に傍聴希望の人らしき女の人が2人……。

ワタシの隣の学生風を見つけると話しかけている。

どうやら友達のようだ。


学生風    「あ……ここ、ここ。」

女の人    「ここですか?」

学生風    「で……タロウさん。」


とワタシを紹介する。


女の人    「キャーーー!本物ですか!!!???」

タロウ     「……本物です。」


さっきよりも更に照れくさい。

32歳の「おっさん」に片足のクルブシ辺りまで突っ込んだワタシに「キャーーー!」である。


多分もう一生、若い女性に奇声を発してもらえる事はないであろう。

犯罪でもしない限り……。


学生風    「今、裁判資料見せてもらってるところなんだ。」

女の人    「いいんですか?」

学生風    「いいんだって。」


覗き込む女の人2人。


……よく周りを見てみると、遠巻きに若い人がチラホラ……。

傍聴希望の人の様子である。


タロウ     「学生ですか?」

女の人    「学生です。」

タロウ     「法律かなんか……?」

女の人    「ええ……まぁ……。」


と目配せする。

どうやらこの3人は法律勉強中の学生らしい。


タロウ     「ネコ裁判は……学校で有名ですか?」

学生風    「ええ……まぁ……僕が広めちゃいました。」

タロウ     「ははは……。」

学生風    「法律の教科書には載ってない事ばかりなので……とても勉強になります。」


ちょっと驚いた。

確かに学校では理論的なことばかりをやっている印象は持っていたが……

「ネコ裁判ごとき」が勉強になるとは……。


タロウ     「いやいや……。」



…………。


司法委員のおじさんがやって来た。

ワタシに会釈をする。

ワタシもする。

愛想のいい司法委員の方だ。


司法委員のおじさん入廷する。

そろそろ時間のようだ……。


タロウ     「じゃ……行ってくるわ……。

学生風    「はい。」

タロウ     「皆さんはあちらから……。」


と法廷の傍聴人用扉を指差す。


法廷には扉が3つある。


裁判官用、原告被告用、そして傍聴人用である。

中に入れば仕切られていないので……行き来は自由にできるのであるが……。


傍聴者達   「がんばってくださいね!!」


口々に応援してくれる。

心強い。

すごく心強い。


目頭が熱くなる。

「ブログやっててよかった。」

心からそう思った。


そして「ユミコ来てなくてよかった。」

きっとユミコはこのペースについて来れない……。

                            第三回その3 イラスト:

以下次号。