第三回口頭弁論---その2---書記官室 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

第三回口頭弁論---その2---書記官室

裁判所に着く。


ちょっと早目の到着である。


いつも原告の川畑は、早目に来ている様子なので……

せっかくなので駐車場を一周してBMを探してみる。


………今日は無い。

まだ来ていない様子である……。


建物内に入り、いつものように2階に上がって法廷前にある出席簿にサインをする。


「お……そうだ……。」書記官室へ向かう……。


この前、急いで作った「ネコの傷に対する検証結果」 をどうするか……

担当の書記官さんに聞いてみようと思う。

タロウ     「あのー……。」


と担当書記官さんの机の方に目をやる。

書記官さん……気が付く。

慣れたものである。


書記官    「はいはい……。」


と仕事の手を止め受付カウンターにやって来る。

……とワタシ書類を取り出す。


タロウ     「コレなんですけど……。」

書記官    「はい……。」


書類に目を通す書記官。


書記官    「……なるほど……。」


…………。

書面をしっかり読む書記官……。

ちょっと気まずいムードである。


タロウ     「前回、あれだけ出ましたので……今回は荒れることも無いと思うんですよ……。」

書記官    「はぁ……。」

タロウ     「で……多分、この書面は必要無いとは思うんですよ……。」

書記官    「はぁ……まぁ……。」

タロウ     「ぶっちゃけ、ウチはネコの所有権で争ってますので、

         車にどんな傷があろうと知ったこっちゃないんですね。」


書記官の様子を伺う……


書記官    「まぁ……そうですね……。」

タロウ     「ただ……今までの原告の写真では……訴状と一緒に来たヤツとこの前提出された

         白黒のコピーじゃ傷の形状とかも分からなかったじゃないですか……実際。」


…………。


タロウ     「それで9月の初めに来た、準備書面の書証を見て……

         『これは違うだろ?』と思ったわけで……。」

書記官    「なるほど……。」


原告提出の書証とワタシの検証報告を見比べながら考えている。


タロウ     「で……裁判と言うのは、全ての話し合いを一回飲み込んだ後に判決ってなりますよね?」

書記官    「まぁ……そうですね……。」

タロウ     「だから、ワタシとしては『もし万が一、裁判所が該当ネコがウチのネコ』との

         判断をした場合……の保険といいますか……。」

書記官    「ふむ……。」

タロウ     「なにぶん素人なので……その辺をお察し願えればと……。」

書記官    「そうですね……。」


…………。


書記官    「争点は『ネコの所有権』ですからね……。必要無いと言えば……必要無いですね…・・・。」


「必要無い」……必要無いという発言は「そこまで話が行かない」と言う意味にも取れる。

好感触だ。


全く中立の裁判所から、上手に感触を探り出すのも腕であり知恵である。


タロウ     「まぁ……もし万が一、この書面を出す事によって……原告が反証を用意するとか

         反論するとかって話になっちゃったら……これ以上裁判が長引くのもイヤなので……。」

書記官    「はぁ……。」

タロウ     「そうなった場合は、取り消してもいいです。」

書記官    「……そうですか。」


もう一度、書面を読む書記官。


書記官    「内容を読む限りでは……『検証結果』とありますけど……

         『被告側の調査をまとめた被告の主張』と取っていいですね?」


言われてみればそうである。

専門家に頼んだわけでもないから客観性には乏しい。


タロウ     「まぁ……そうですね。」

書記官    「……わかりました……では必要か必要じゃないかは裁判所の預かるところとします。」

タロウ     「はい……お願いします。」


席に戻ろうとする書記官……。

言い忘れがあった様子。

戻ってくる。


書記官    「裁判官が『不要』とされた場合はそれでいいですね?」

タロウ     「はい。」

書記官    「わかりました。では4時からです。」

タロウ     「はい。」




地下の喫茶室でコーヒーを飲むほどの時間も無い……。

仕方が無いから法廷前の長椅子で待つ事にする。

                               第三回その2 イラスト:

以下次号。